コラム

東京イースト「ワインバル」ベルトラインに注目!

5月22日にグランドオープンを迎える東京スカイツリーの影響もあるのだろが、東京都心の東側「東京イースト」エリアが盛り上がってきた。私が注目しているのは、銀座から昭和通りを貫く上野までの「ワインバル」ベルトラインラインだ。

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、フードスタジアム 編集主幹。商業施設リーシング、飲食店出店サポートの株式会社カシェット代表取締役。著者に『イートグッド〜価値を売って儲けなさい〜』がある。


駅名でいえば、東銀座、築地、新富町、八丁堀、茅場町、人形町、水天宮、小伝馬町、馬喰町、馬喰横山、浅草橋、そして秋葉原。このラインには、ワインを気軽に飲め、料理のレベルの高い「バル」使いできる店が増えてきている。「外食アワード2011」を受賞し、外食業界でも注目を浴び始めたリヨンブルーアンテルナショナル・安生さんの「ポンデュガール」「ガールドリヨン」はじめ5店舗は東銀座、新富町に集中する。大手チェーン独立組のシェアハピネス・白根さん、飯田さんの「ぶーみんヴィノム」は新富町。先日、物件事情で神田の「ばんざい 手豆や ワインバー」を閉店し、新たに移転オープンする立地として選んだのは新川。店名はズバリ、「ぶーみんヴィノム 新川バル」だ。オープンは3月1日を予定している。「ぶーみんヴィノム」名物の豚料理、ピッツアをはじめとするオーブン料理、毎日食べたいと思う世界の料理を厳選したワインとビールとともに提供する“極楽酒場”をコンセプトとしている。八丁堀には、いまや伝説になった松澤オーナーの繁盛店スペインバル「マル」がある。1階のスタンディングに毎日通う常連も多いという。2階、3階は連日サラリーマンやOLで満席、予約を取るのが難しい状況が続いている。上野から八丁堀に進出してきたオーナーソムリエ高田さんが経営する「ビール&ワイン厨房 tamaya」もいつも地元サラリーマン・OLで賑わっている。ここはワインが売りだが、しっかり品質管理された樽生ビールも提供している。料理は浅草「レストラン大宮」出身の本橋さん。茅場町には、アイディ・梅田さんの出世店となった「ギョバー」がある。株価が下がれば閑古鳥が鳴く茅場町界隈では突出した繁盛店。外国人の常連客も多い。茅場町の新大橋通り交差点から永代通りを新川方面に行き、橋を渡った交差点近くにあるのがすべてのワインをカラフェで提供する「バル ア ヴァン カラフェ」。料理は、六白黒豚料理を売りとするガッツリ系。東京広しと言えども、「カラフェ専門店」はここだけだろう。「カラフェ」から水天宮方面に歩くと、湊橋に「ワインバー ame」がある。「ギョバー」グループのアイディが7店舗目としてオープンした。しっかりとしたビストロ料理やパスタ、自家製パンが売りで、「食事のできるワインバー」がコンセプト。深夜2時まで営業し、近隣の上客がリピーターについている。人形町まで行くと、ワインバルが急増している。かなり競争の激しいエリアになってしまった。小伝馬町から馬喰町にかけては、居酒屋や大衆酒場がまた元気を取り戻している。バイタリティ・岩田さんの「鳥番長」「豚大門市場」「揚げ三兄弟」が集中する。最近、ワインバルも出来はじめた。小伝馬町に昨年9月オープンしたのが「ビストロタルト」。ワンダーテーブルでイタリアン業態の支配人をしていた佐藤さん独立1号店。ボトルで飲みきれなかったワインをキャッシュバックするというサービスも受けて、地元のサラリーマン・OLに支持されている。秋葉原には、グローバルダイニング出身の番場さんが「バンバール」をオープンした。ワイン&パスタの店だが、駅からかなり歩く昭和通り沿いにも関わらず、連日賑わっている。馬喰町には、2002年全日最優秀ソムリエの阿部誠さんがカジュアルワイン業態を出すとの情報もあり、東銀座から上野に至る「ワインバル」ベルトライン、これからますます面白くなりそうだ。 

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