コラム

新富町が「ワインの聖地」になる!?

8月15日、新富町に「ポンデュガール2(Pont du Gard2 deuxième)」がオープンした。安生浩さん率いるリヨンブルーアンテルナショナル(リヨングループ)の5号店だ。いま、「ワインの聖地」として、新富町界隈が熱い!

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。
現在、フードスタジアム 編集主幹。商業施設リーシング、飲食店出店サポートの株式会社カシェット代表取締役。著者に『イートグッド〜価値を売って儲けなさい〜』がある。


「テーブルワイン ポンデュガール」といえば、ワイン好きのグルメの間で知らない人はいないだろう。テーブルワイン=料理をしっかり食べながらワインをがぶがぶ飲むスタイルを提案し、あっという間に人気店となった。いまでも予約の取ることが困難だが、ふらっと訪ねても「外の席なら」とフレンドリーに対応してくれる。そんな気軽さ、カジュアルさが人気の秘密だ。もちろん、ワインも料理もリーズナブル。酒屋生まれの安生さんは、「とにかくワインをたくさん飲んで欲しい」と心底思っている人だから、それが店のサービスに現れる。グラスワインを頼むと、こぼれそうになるほどなみなみと注いでくれるのもそのマインドの象徴なのだ。安生さんが新富町を核に宝町、東銀座など、いわゆる“裏銀座”を立地に選んだのは、スペインバルブームを巻き起こした八丁堀「マル」に影響を受けてのことだという。「マル」ももともと酒屋の経営。1階の角打ちから始まった。カジュアルな価格としっかりした料理、フレンドリーなサービスが揃えば、近くのビジネスマンや住人が通ってくれる。そう判断したのだろう。リヨングループ1号店は、宝町の「ビストロ ガールドリヨン」。「ポンデュガール」は2号店。そして、東銀座方面に昼はカレー、夜はワインの店という二毛作の「ポンデュガール エクスプレス」とイタリアンの「テルミニ」を次々にオープンしたのである。その「ポンデュガールエクスプレス」も8月1日、“カレー酒場”をコンセプトにした「カレーとワインのポール(curry et les vins PAUL)」へとリニューアル、今回の5号店「ポンデュガール2」とあわせ、安生さんにとっては「新富町ドミナント戦略」の完成である。「ポンデュガール2」は、東京メトロ有楽町線新富町駅2番出口を上がると、すぐ目の前にある。いきなり店の壁に貼った5店舗への案内サイン表示版が目に飛び込んでくる。一目で、リヨングループの5店舗への行き方がわかる仕掛け。ここがある意味、「ワインの聖地」の起点というわけだ。安生さんは、「新富町エリアをワインの聖地にしたい」と、いつも言ってるらしい。やはり新富町に今年2月にオープンした豚料理とワインの店「ぶーみんヴィノム」の白根智彦(シェアハピネス代表取締役)さんは、ツイッターでいつも「新富町はワインの聖地」とつぶやいている。白根さんも安生さんから多大な影響を受けて、この新富町を選んだ。「ぶーみんヴィノム」もなかなか予約が取りづらい店になっている。この新富町エリアはまだまだ店が少ない。一方で、新築マンションが増え、近隣住人を常連に取り込みやすい環境になりつつある。「ワインの聖地」新富町のこれからに注目したい。 

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