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コラム

都心の「ブルーオーシャンエリア」を狙え!

都心の飲食マーケットが飽和状態とよく言われるが、そんなことはない。山手線のビッグターミナル駅周辺でも、駅から少し離れたエリアや地下鉄で一駅隣のエリアはまだ開拓余地がある。そんな都心の「ブルーオーシャンエリア」に注目したい。

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


山手線ターミナル駅周辺には、通勤帰宅導線の変化やマンション建設ラッシュによる昼夜人口の変化などで、ポテンシャルが高まってきているエリアは少なくない。例えば、「西新橋一丁目」。新橋駅から桜田通りを超えた虎ノ門までのエリアである。基本的にはオフィス街だが、最近マンション建設が進み、夜も人通りがある。このエリアには、新クラフトビールトレンドを牽引する「クラフトビアマーケット」や、がぶ飲みワイン系の「バル吉」「モツビストロ 麦房家」がある。これらの店が確実に夜の人の流れを変えている。かつては虎ノ門から新橋方面へと帰宅を急ぐビジネスマンがほとんどだったが、今は逆の流れができつつある。 「神田駅南口」。日銀のある三越前方面に通じる通りには、居酒屋やラーメン店などしかなかったが、その通りの路地裏にビストロの「キュル・ド・サック」とがぶ飲みワイン業態「BOSSO」がオープンしてから、にわかに注目度が高まった。最近、米国人がオーナーをつとめる3階建てのクラフトビール業態「デビルクラフト」やベタな居酒屋が密集する小路の一角に一軒家の「ブラッスリー ザン」がオープンして話題になっている。「デビルクラフト」はスタイリッシュな店舗で、3階には自家醸造所をつくる予定。「ザン」は神保町の「ビストロ アリゴ」を経営する夢屋の最新業態。今川橋には「ヴィノシティ」があり、この神田南口エリアは、サラリーマンの飲み屋街から、ワインやクラフトビールをお洒落に飲む街というイメージに変わりつつある。 そして「新宿一丁目」。実際に歩いてみると、個性的でコンセプチュアルな飲食店が増えていた。ここは中小事業者が集まるオフィス雑居ビルが多いエリアだったが、いまや新しいマンションが続々と建ち並んでいる。飲食激戦地の「新宿三丁目」や独特のナイトエリアである「新宿二丁目」が近くにありながら、静かな大人の街というイメージ。マンション居住者が増えれば、土日営業も利くようになる。そして、「西新宿七丁目」同様、エリアトレンドを牽引する情報発信力のある店舗が出てきたら、一気に注目度は高まるに違いない。そうしたトレンド牽引店として、最近オープンしたワインバル「Kasumi store(カスミストア)」に注目したい。神楽坂の「にんにく料理はじめの一っぽ」が7月1日に出した店で、姉妹店としてすでに近くで「ハンバーグWill」を出店し、メディアからも注目を浴びている。同社はこのエリアでのドミナント戦略を考えているのかもしない。大手チェーンが絶対に出ないようなこうした都心の「ブルーオーシャンエリア」に出店してみるのも面白いのではないか。 

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