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コラム

いまこそ”エンタメ”としての外食産業の価値を見直せ!

ファミレスや大手居酒屋チェーンを代表とする外食産業は、少子化や人口減少でただでさえ客離れ現象が起きているのに、中国ギョーザ問題に食品偽装、さらにここにきてガソリン高騰、小麦粉やバター、食用油など原材料高が加わり、ついに複合不況論"が台頭してきた。"

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


実際、来店客数や売上高をみれば、このところの落ち込みは極めて激しいようだ。4月、5月のファミレス、居酒屋チェーンの前年同月比の数字は、軒並 み92~93%台。中には90%を切るところも散見されるとか。デニーズのように、いち早く店舗の大幅リストラを打ち出したところもあるが、腰が強いとさ れてきたワタミや大庄でさえ、この“複合不況”に足元を揺さぶられているようだ。しかも、本格的不況は今年下半期に襲ってくることは間違いない。おそらく 後年になって、今年は“外食産業2008年ショック”と記録されるに違いない。そんなカタストロフィーの入り口に、いま外食業界は立たされているのではな いだろうか。 そんな折、親しくしていたベンチャーリンクの編集者たちから、「長年つとめた会社を退職することにしました」と悲痛な想いをこめた挨拶メールが来 た。業績悪化に伴う「150名の早期退職応募」に応じたのだという。ベンチャーリンクといえば、既存の大手チェーン店を超えるFCチェーンビジネスモデル として一世を風靡した企業グループだ。このモデルから、様々な飲食ベンチャー上場によって一攫千金の夢を果たした起業家も少なくない。しかし、彼らを生ん だビジネスモデルが“砂上の楼閣”でしかなかったことが証明された。カタストロフィーの嵐は、旧来型のチェーンモデルだけでなく、新興チェーンビジネスモ デルも、あっという間に吹き飛ばしてしまったかのようだ。 そして、カタストロフィーの跡に残るのは何か。それは、ビジネスモデルではない、新しい生命の息吹である。新しい生命とは、ビジネスモデルを取り 払った“原点”である。古くて新しい“価値”である。では、外食業界の“原点”“価値”とは何か。それは、お客さんを喜ばせることであり、働く者に生き甲 斐を与えることである。決して、株主を喜ばせることではない。もうそろそろ、チェーンストア理論万能主義とともに、アングロサクソン型の株主価値の極大化 主義から解放されるべきではないだろうか。そして、「外食=エンタメ産業」への止揚を目指すべき時代に入ったのではないだろうか。その点、“第二世代”の 稲本健一氏の「外食は2時間をどう楽しませるか。映画や音楽がライバル」、松村厚久氏の「お客様歓喜主義、個店主義」といったスタンスが、新しい時代への 可能性を感じさせてくれる。

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