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コラム

今年の夏は”屋上テラス”で乾杯!

もう8月だというのに、相変わらずニューオープンが相次いでいます。最近、多いのはサブリースを使った居抜き物件か不動産ファンド絡みの新築ビル物件。物件の出方も時代を映す鏡です。そんな中で、新築ビル屋上テラス"に注目してみた。 "

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


新興の不動産会社が開発する新築ビル物件が増えている。人気飲食店をテナントミックスし、付加価値を付けてビル全体を高利回り物件としてファンドに 転売したりする。しかし、最近はサブプライム問題の影響で不動産ファンドに力がない。欧米系が撤退し、最近はアジア新興国や中東マネー系のファンドが東京 不動産市場に躍り出てきているといわれる。ビルオーナー、ディベロッパー側としては、できるだけ元気な飲食店をリーシングしたい、そのためにはテナントの ニーズに応えたビルの大胆な使い方も提案することになる。 そんなトレンドの中で新築ビルの最上階にオープンする店が2軒ある。「マーサーカフェ表参道店」と「エノテカ・ピッツエリア 神楽坂スタジオーネ」。いづれも8月1日オープンだ。「マーサーカフェ」は昨年大阪から出てきたばかりのバルニバービ出身、森野成貴さんがプロデュースした“大人が楽しく使える深夜カフェ”。12月に恵比寿店を オープンしたばかりなのに、もう2号店の表参道進出。しかも、新築ビルの最上階に出店。アーバンコープレーションの商業用ビル「アーバンテラス」だ。立地 は新しい紀ノ国屋ビルの裏側のエリア。246を挟んで向こう側は大手アパレルやスーパーブランドが立ち並ぶが、こちらはカジュアルブランドの集積エリア。 “裏・青山エリア”として若手デザイナーやクリエーターがたむろするスポットである。森野さんは、「アニエス・ベーも来たし、いま街が変化してます。大阪 の南堀江みたいでっせ!」と言う。 物件取得前に案内され、ビル4階ながら外に抜けた空間、そして屋上から見た景色の好さに「佐藤さん、どう思います?」というから、「反対はしませ ん」と言ったら、本当に借りてしまった。そして、昨日がレセプション。屋上の夜景は見事だった。ここ5階は「トップガーデン」と称し、会員制テラスとして 使う。テーブルに特製のワインクーラーが備え付けれれ、ワインやシャンパンを冷やしながら飲める。ソファーも特製で居心地がいい。これはブレークするに違 いない。ちなみに屋上からは、向かい側のフレッグインターナショナルの「藤丸」の屋上テラスを見下ろせる。“アーバンVSフレッグ”の戦いも面白い (ちょっとディープ過ぎるネタでした)。 そして、神楽坂。昨年3月の火災で焼失したかくれんぼ横丁の文商事の「紺屋」後に建ったクレール神楽坂Ⅲ。同じ火事で焼けた焼おにぎりの名店「わかまつ」の跡にも今年2月、クレール神楽坂Ⅱが建ったが、それに続く再開発物件だ。ビルの1階は「紺屋」が再生して出店、屋上に入ったのが薪窯ナポリピッツァとワインの店「エノテカ・ピッツエリア 神楽坂スタジオーネ」だ。 経営は、湯島で舗高級食材店「Quality Food Market KAGAYA」を運営する株式会社加賀屋。小川町にイタリアンバール「LA STAGIONE(ラ・スタジオーネ)」を出して当てている。今回の「神楽坂スタジオーネ」はやはり屋上のテラスが魅力。今年の夏は、“屋上テラスで乾 杯!”がちょっとしたブームになるかもしれない。

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