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コラム

“商業施設秋の陣”始まる!

もう9月がそこまで来た。毎年、この時期は、商業施設出店戦争秋の陣"が始まる。今年は、大きな開発はないが、新築商業ビルの"局地戦"が展開される。 "

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


大きいといえば、三菱地所が10月9日に開業する東京メトロ東西線・南砂町の「SUNAMO」は巨大。7つの大型店と100の専門店が一同に集積す るという。しかし、都心の飲食地図に大きな影響を与えることはあるまい。三井不動産の「入間アウトレット」誕生のような一時的な話題にはなるだろうが。 さて、今年の商業施設“秋の陣”の狼煙は横浜から上がる。9月3日、「横浜モアーズ」 のリニューアルが完成。8月22日に先行オープンした8階「the DINING(ザ・ダイニング)」に続き、いよいよ9月3日、9階のレストラン街「MOST」がオープンする。稲本健一氏がプロデュース、神谷利徳氏が環 境デザインを担当し、ゼットン、ダイヤモンドダイニング、ジェイプロジェクトの“第二世代”勢揃いするとあって、業界では早くも話題になっている。ル ニューアル前、9階は大和実業グループが占拠していただけに、まさに“世代交代フロア”といっていい。若手による“再生”の手腕が試される。9月1日、フ ロアレセプションがあり、“業界人、横浜集合!”となりそうだ。 恵比寿も動いている。今年前半の話題は何といっても「恵比寿横丁」の誕生だった。おしゃれエリアで敢えてベタコテ、超アナログ開発をやったわけだ が、これが大成功。連日、活況を呈している。その恵比寿駅の西口改札を右に出てすぐのところに、東急不動産が建てていた駅前ビルが完成、いよいよテナント オープンを迎える。施設名は「EBISU Q PLAZA」に決まった。1~2階はもともとあったアウトドア総合ブランド「Montbell」。3~5階には、東急不動産グループ直営のフィットネスク ラブ「東急スポーツオアシス」が入る(なぜ、こんな一等立地にフィットネスクラブなんだろう?)。 飲食は地下1階と6階の2層。これが160坪を超える大箱。そこに挑戦するのは、地下で恵比寿ドミナントの焼鳥「ももたろう」「SACRA」「LUXES」などを展開するのジャパンチキンフードサービスが300席の「MEDUSA」、6階には関西新興勢力きちりの 「KICHIRI」が恵比寿初上陸。「MEDUSA」は9月11日オープン、「KICHIRI」は通算50店舗目、9月15日オープン予定である。それに しても、160坪ものフロアを客で埋め尽くすことは、この恵比寿で可能なのだろうか?私が開発担当ならば、「恵比寿横丁」のような小規模飲食の集積をビル の中につくりたい。1店舗5~10坪の“ビルイン横丁”こそが、恵比寿駅前という立地に相応しいのではないか。ディベロッパーの安易なリーシングが街をつ まらなくする。 そして、銀座では“7・8戦争”が展開される。中央通り7丁目、8丁目で新築ビル、新店オープンが相次ぐのだ。まずは、9月13日にオープンする「GINZA g CUBE」。 7~12階に8店舗が入る。三井不動産の開発だが、最初は地方ブームに乗って地方初の“郷土料理専門店”でまとめたかったらしいのだが、結局、郷土料理ら しいのは10階の「郷土・松江の味 銀座皆美」と11階の「隠(おん)」ぐらい。あとは、柿安、大庄の「ととや市場」、台湾火鍋など。施設的にも、表に向いた「H&M」が目立ち、飲食店が裏 通りからしか入れない。やはり、三井不動産もブランドの“奢り病”に陥っているのだろうか。ベルビア館の二の舞にならなければいいが。 銀座8丁目には「888(スリーエイト)」ビルがオープン。こちらは、住宅専門の仲介会社がリーシングを担当したためか、オープンの足並みが揃わない。先行して開店したのが、地下の新宿からやってきた「銀座 矢部」とイタリアン「RICETTA LIETO」、7階「のど黒屋」。近く、豪華カラオケラウンジも入るらしいが、当初「瀬里奈」の出店も噂されていただけに、インパクトに欠ける。8丁目では、もう一つ「JEWEL BOX GINZA」ビルの9階に中国料理「飛雁閣 」が3丁目から拡張移転、10階に蒙古火鍋しゃぶしゃぶ「小尾羊」が9月1日同時オープンする。竹中工務店の開発、野村ビルマネジメントが運営を担当して いるが、テナントからは「施設側からの何のサポートもない」という不満の声が聞こえる。いまのところ、“7・8丁目戦争”は不協和音が目立つが、このエリ アの活性化のために、ディベローパーが集まって、「街を活性化するにはどうすべきか」を考えるべきだろう。

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