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インタビュー

【独占インタビュー】 “大胆かつ劇的に―”。新生DD ホールディングスの3大スターに直撃インタビュー!松村厚久氏×稲本健一氏×貞廣一鑑氏

ダイヤモンドダイニングが2017年9月1日、持株会社体制に移行。「Dynamic & Dramatic(大胆かつ劇的に行動する)」という新たな行動指針を掲げ、「株式会社 DDホールディングス」へと商号変更を果たした。同社が目指す”オープンイノベーション企業”とは?そしてこれからの外食産業とエンターテインメントビジネスの行方とは?カリスマ経営陣に直撃した独占インタビュー!


ゲスト: 株式会社DD ホールディングス
代表取締役社長(グループCEO) 松村厚久氏
取締役 海外統括(グループCCO) 稲本健一氏
株式会社 商業藝術代表取締役社長 貞廣一鑑氏
取材: フードスタジアム
編集長 佐藤こうぞう
外食ジャーナリスト 中村芳平
フードスタジアムライター 中村結
会場: DD HOLDINGS本社 (2017年9月14日)

「オープンイノベーション企業」の意味

―ゼットンと商業藝術が今年6月に連結子会社としてダイヤモンドダイニンググループに入られたことは、業界内でも大きなニュースになりました。その後、稲本さんは取締役兼海外統括CCOに就任。御社はDD ホールディングスという新たな体制で“売り上げ1000億”を目標に掲げられています。直近の業績も好調ですね。

松村厚久氏(以後、松村):ゼットンが当グループに入ったことはすごく大きいです。特に、ゼットン主要ブランドの『アロハテーブル』やビアガーデンを中心に、当社の売り上げや利益に貢献してもらっていますね。

稲本健一氏(以後、稲本):ゼットン側としても、これまで一番不足していた計数管理面を強化できたという点で、DDと組んだことは大きかったですね。

―おそらく既存店に対する再投資という面でも力を入れられているのではないかと思うのですが、いかがですか?

稲本:確かに、我々が持っているオリジナルブランドのなかには、既に20年選手級も出てきています。リブランド、もしくはさらなるブランド化が必要になってきているとは思いますね。
それに加えて今後必要になってくるのは、例えば”業態を超えた業態”。ブランドのブラッシュアップから、さらに新しい仕事への広がりを目指していかなくてはならない。現在、松村の号令によって、我々はその方向に動き出しているということです。

―それが今後目指していく”オープンイノベーション”ということですか?

稲本:はい。今後は、従来の成功体験に囚われることなく、より大きく前進していきます。もちろん、売り上げ1000億を目指す際の大きな軸は「飲食」ですが、今までと同じ考え方ではこれからの「飲食」というものを捉えることはできない。これまでのコンセプトやキャッチフレーズを超えて、世界のさまざまな業界に対して開かれていく必要があると考えています。

松村:今回、「ダイヤモンドダイニング」から「DD ホールディングス」へと社名を変更し、またそれに伴ってマスコミ向けに発表したリリースでも、ステイトメントに「ダイニング」や「飲食」という言葉はひとつも入っていないんですよ。今後は、外食企業としての枠を超えて、”大胆かつ劇的に”行動していきます。

―貞廣さんのお考えはいかがでしょうか。

貞廣一鑑氏(以後、貞廣):「オープンイノベーションとはなんぞや?」というご質問に対してですが、僕は「従来の飲食の全く外の世界へ行く事」だと考えています。

例えば、イアン・シュレーガー(*NY在住のプロデューサー。デザインに特化した”ブティックホテル”の仕掛人)が今度「EDITION」をやるじゃないですか?(*2020年、銀座と虎ノ門にオープン予定のホテル)彼の掲げる”チープシック”や”ロビーソーシャライジング”という概念にヒントがあると思うんですね。要は、ホテルなんだけど、そこを起点にして地元客もホテル客もチープかつゴージャスに遊ばせようということをやっている。

僕は、ダイヤモンドダイニングがかつて達成した”100店舗100業態”というのは”社交場を作る”ということだったと解釈しています。ご存知のように、70年代はディスコの時代、80年代はレストラン、そして90年代はホテルの時代と言われていて、松村代表も僕も30年以上前にディスコからこの世界に入っています。実はまだ皆さん松村代表のすごさを本当にはわかっていないと僕は思うんですよ。今、時代がやっと松村さんに追いついてきたんじゃないかと思うんです。

僕は飲食業界内の誰ともプライベートでは付き合いを持ちませんし、正直言って最近のトレンドであるブランドの輸入ビジネスにも興味がない。でも松村代表となら、”世界を変える”、”大人の遊び方を変える”、そして”社交場を作る”ということができると思ったので、一緒にさせていただきたくお願いしました。

―たしかに、”社交場をつくる”というのは今まさに注目すべきテーマだと思います。時代が松村さんに追いついてきているのかもしれませんね。

貞廣:おっしゃる通りです。キャラクターが面白いし、発言がウィットに富んでいるのでなかなかそう見えない部分があると思うんですが、松村代表は間違いなく日本のイアン・シュレーガーだと思います。
松村代表と稲本さんと一緒であれば、グローバルスタンダードかつオープンイノベーションな社交場を作ることができると考えています。

「松村厚久」という人物の経営スタイル

―御社の成長の軌跡を拝見していて非常に感心するのは、経営戦略上のM&Aや資本業務提携において、松村さんはまず案件ありきというよりも、人ありきという側面を強く持たれていることです。

松村:それはありますね。憧れだった貞廣先輩にしても親友のイナケンにしても、人物をよく知っているからこそ一緒にやろうと思うわけで、今まで事業譲渡や資本業務提携、M&Aに関して業者を使ったことは一回もないですよ。フードスコープの時にも、業者からのご紹介ではなく私が電話して自ら交渉に行きました。

稲本:貞廣さんも僕も、一般論から言えばM&Aからは非常に遠いスタイルの経営者であって、松村だから一緒にやっているという部分が大きいですからね。貞廣さんもそうだと思うんですが、僕の中では松村の想いに応えたいという気持ちがすごくある。

今までは、この人が病に侵されてからこの体でここまで強いエネルギーを持ち続けていて、応援せずにはいられないと思っていました。でも現時点では、逆に僕の夢や想いを松村が応援してくれているという方が正しいんじゃないかという気がします。だから、外から見えるイメージと、実際の我々の姿というのは違うかもしれませんね。

貞廣:僕も正直、以前は株を売ったら仕事はキッパリ辞めなければいけないと思っていましたから。ただ、松村代表とお会いした時に、今まで経験したことのない「この人となら何かを生み出せる」という感覚があった。
M&Aが最初にあるんじゃなくて、おそらく松村代表にとってはあくまで”オープンイノベーション”するための手段の一つとしてM&Aがあるんだと思います。

稲本:やっぱり”スピード”ということですよね。これだけ時代の感覚がいち早く移り変わっていくなかで、スピードが持続できない企業というのはもう終わっていくだろうと思うんです。

→<<後編>>世界を相手に”時代の波”を掴む

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