今、新たに肉食材として注目される国産の天然野生鳥獣肉(鹿、猪、熊、兎、野鳥類)を専門としたジビエ業態普及の第一人者と知られる小林研氏(夢屋、東京都渋谷区、代表取締役 小林研氏)が、「Nico Chelsea(ニコ チェルシー)」を茅場町に12月5日オープンした。神田にあるジビエビストロ「Nico」の姉妹店となる同店は、さらに専門性を極め、メニューはジビエ料理に特化したフレンチジビエビストロとなる。コンセプトは、肉の美味しい、きちんとしたジビエ料理が気軽で身近に味わえる店だ。
近年、低カロリー、高タンパクな肉としても注目が高まる“ジビエ”。フランスでは、旬のご馳走としてジビエ料理が身近にあり、日本においてもフランス料理としては馴染みがあるが、一般的には食する機会は少ない。しかし、古来、日本では狩猟を生業とするマタギの存在が里山にあり、彼らが狩猟した野生の鳥獣は貴重なエネルギー源として、食されていたスローフードでもあったという。現在、野生鳥獣の狩猟は狩猟期に限り許可されているが、同時に全国各地の里山では野生鳥獣は深刻な被害を及ぼす害獣指定動物である。都道府県によって指定された鳥獣は、季節に関わらず狩猟を生業とするプロのハンターのみに駆除が託されている。
同店で提供するジビエのほとんどは、駆除のために猟師が安全な食肉となるように仕留めたものであり、捕獲から下処理、出荷までを都道府県のガイドラインに即して商品化されている。狩猟期に入る前までに、毎年ハンターと狩りを共にし、信頼関係を築くことで同店のジビエ肉は、素材、品質の確かなものを提供することが可能となったのだ。“きちんと、肉として美味しいジビエ”であることが重要なのだ。
同店のジビエ料理は、正統派フレンチのシェフ、村田氏と樋口氏の二人の手により、本場フランスのジビエ料理を基本としながら、オリジナル性も加え、バリエーション豊かに提供している。二人は、個体ごとの個性や特性を見極め、丁寧に手間をかけて下ごしらえをし、ジビエの美味しさを際立てるシンプルな料理に仕上げることにこだわりを見せる。「鹿と胡桃のポテトサラダ」(450円)。猪、鹿、鴨などから作る「本日のジビエパテ」(750円)。自家製のハム、サラミ、パテを盛り合わせした「ジビエシャルキュトリー盛り合わせ」(1380円)。「兎のパイ包み」(1280円)「日本鹿秘伝のマリネ炭火炙り」(880円)など25種類以上のメニューに加え、本日のジビエ料理も提供している。合わせるドリンクはフランスと日本産のワインで、主に赤ワイン(2800円〜)を軸に、馴染みのあるサワー類(500〜600円)までも揃える。ワインメニューには相性の良いワインをわかりやすくするために、鹿、兎、猪といった鳥獣のイラストを入れ、ワンランクアップするジビエ料理の美味しさを広げている。
オフィス街の印象が強い茅場町であるが、大通りから一歩入ると、オフィスビルのほかに飲食店などを1階に構える雑居ビルや昭和時代を引き継ぐ古民家などが混在する、生活感が息づく街でもある。そのような茅場町の路地の奥に佇む、築60年以上の古民家が「Nico Chelsea」だ。全体的なイメージは明治時代の洋館。1Fは天然の石材や木、レンガといったそれぞれの素材の存在感が全体を引き立つようにシンプルなデザインで、カウンター席とワイン樽のテーブル席となっている。2Fは、壁一面の大きな書棚にソファ席をさり気なく配し、かつての文豪家の書斎とホテルのラウンジのイメージを併せ持ち、寛ぎながら構えずにジビエを楽しむ空気を演出している。
焼肉のように、炭火で炙り気軽に楽しむといった大衆的なスタイルが話題の同社の別ジビエ業態「焼ジビエ罠」は斬新であり、ジビエの概念も一新した。いち早くジビエ業態に取り組んだ小林氏は、マタギの支援となる中山間地域の産業活性化と害獣駆除、さらには日本古来のスローフードによる食育までをテーマに、ジビエを食べる意義を提案し続けていくという。
店舗データ
店名 | Nico Chelsea(ニコ チェルシー) |
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住所 | 東京都中央区茅場町3-3-3 |
アクセス | 東京メトロ 茅場町駅 日比谷線2番出口より徒歩3分 |
電話 | 03-5643-7799 |
営業時間 | 月〜金17:00〜23:30、土16:00〜23:00 |
定休日 | 日・祝 |
坪数客数 | 30坪 50席(1、2階併せ) |
客単価 | 5000円 |
運営会社 | 株式会社夢屋 |
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