水道橋駅と神保町駅から徒歩4分の白山通り沿いに、アラビック酒場「タムタム・クラブ」が、11月17日オープンした。経営はユーロ・フレックス(東京都渋谷区、代表取締役 高橋由浩氏)で、現在、「渋谷Belgo(ベルゴ)」や「新宿Frigo(フリゴ)」などのバルを5店舗運営している。代表の高橋氏は、「当店で提供するのは、モロッコやチュニジアなどの北アフリカをはじめ、スペインやトルコなどの地中海沿岸まで広がるイスラム食文化圏を中心とした料理です。スパイシーでヘルシーなアラブ料理を、カジュアルな酒場スタイルで楽しむことができます」と話す。
もともと同店は、高橋氏が運営を行うベルギービール専門店「水道橋Frigo・Est(フリゴ・エスト)」であった。空中階という立地にも関わらず、多くの飲食店が密集する水道橋・神保町エリアで7年間続く人気店だったが、今回リニューアルを決行。その理由について高橋氏は、「バルという業態や海外ビールの取り扱いが一般的になってきたため、さらなる差別化を行っていきたいと考えて、リニューアルを行いました。モロッコ料理やトルコ料理の専門店は多くありますが、アラビック料理というコンセプトは少ないでしょう。当店では、本格的なアラビック料理はもちろん、実際に旅に出たような気分も味わうことができます。この新たなアラビック酒場というコンセプトで多くのお客様を呼び込んでいくつもりです」と語る。
アラビック酒場というコンセプトが誕生した背景には、高橋氏の過去の経験が深く関係している。高橋氏は学生時代、「世界旅行研究会」に所属しており、バックパッカーとして世界各地を旅行した。35年ほど前には、スペインからジブラルタル海峡を渡りモロッコまで足を伸ばしたそうだ。「ガイドブックを持たずにモロッコを歩きましたが、国の面白さとヘルシーな食事に驚きました。旅先で北アフリカの民族楽器・タムタムも購入したのですが、それが当店の店名の由来にもなっています」と同氏。当時、旅先で味わった料理やモロッコの雰囲気が、今回の出店に生かされて、アラビック酒場というコンセプトに結実していく。また、高橋氏の海外旅行経験は、20年近く前にオープンさせたベルギービール専門のバルや、輸入ビールを扱うアイリッシュパブなどにも生かされている。そうした業態が一般的になる前にいち早く実現することで、次々と新しい食のスタイルを提案してきたのだ。
フードメニューの注目は、オープン・キッチンで焼かれる本場のケバブであり、焼き立てを味わえることはもちろん、臨場感あふれる演出も楽しむことができる。ケバブは牛・羊・鶏を中心にしたメニュー構成になっており、「スパイシーチキンケバブ」(1本 750円)や「スパイシーラムケバブ」(1本 850円)、そしてひき肉をミートボールにした「ケフタ」(1本 750円)が揃う。北アフリカ地域の鍋料理であるタジンも、「ベジタブルタジン」(S 900円/M 1250円)や「チキンとじゃがいもと塩レモンのタジン」(S 950円/M 1300円)などをラインアップしている。アルコールは、スパイシーな料理に合うものがセレクトされており、「カールスバーグ樽生」(小 570円/大 780円)をはじめ、世界20各国近くの瓶ビールや北アフリカ・ヨーロッパ10ケ国のボトルワインも提供していく。また、本場モロッコの味を楽しめる「TAMTAM モロッカン・ミントティー」(470円)なども用意している。
今後のビジョンについて高橋氏は「アラビック料理で重要なのは、仕込みです。当店では、オペレーションを簡略化しながらも、本格的な料理が味わえるように設計しております。当店を水道橋で根付かせた後、2店舗目、3店舗目の展開も見据えていきたいですね」と話す。同店ではスパイシーでヘルシーな料理を提供しているため、女性客との親和性が高い。流行に敏感で、感度の高い女性のニーズを掴むことできる同店の可能性は、まだまだ広がっていきそうだ。
店舗データ
店名 | アラビック酒場 タムタム・クラブ |
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住所 | 東京都千代田区西神田2-1-12 梅沢ビル2F |
アクセス | 東京メトロ半蔵門線 神保町駅A4番出口から徒歩4分 都営三田線 神保町駅A4番出口から徒歩4分 JR中央線 水道橋駅東口から徒歩4分 |
電話 | 03-3262-1138 |
営業時間 | 月~金 17:00~23:30(L.O.23:00) 土 12:00~23:30(L.O.23:00) |
定休日 | 日曜日 |
坪数客数 | 25坪・45席 |
客単価 | 3500円 |
運営会社 | 株式会社ユーロ・フレックス |
関連リンク | ユーロ・フレックス(HP) |