今年、最も注目されているのが日本酒新時代の到来だ。その新時代を代表し、牽引する店としてすでにマークされているのが日本酒バル「中野 青二才」。同店は再開発で街力向上の中野駅南口、レンガ坂に構える。 自ら 「日本酒大好き!」を公言するオーナーの小椋道太氏。実家の飲食業を継ぐために高校生から飲食店でアルバイトを始めた。大学卒業後、九段下の和食店に立ち上げから携わり経験を積んだ。同氏を独立へと駆り立てたのは、吉祥寺にある井の頭公園で日曜日毎に主催していた青空ブルーシート飲み会「井の村」。道行く人を呼び込み、計600人以上との情報を交換。最終日には、200人以上の人が集まった。「誰よりもお酒を楽しく飲むこと」を自負する小椋氏らしいエピソードだ。その後、三鷹で日曜日限定営業店を経て、高校の同級生だった神谷氏と阿佐ケ谷に1号店「阿佐ケ谷 青二才」を開業。同店では、日本酒が酒販店や蔵元、来店客との縁を繋ぎ、交流を深めたという。だから「中野 青二才」は「多くの人との縁を繋いでくれた日本酒への恩返しの場」であり、「繋ぐ場所として行きたい」という小椋氏の強い想いが込められている。 「中野 青二才」は20代、30代の日本酒未体験者や初心者に難しいと思われがちな日本酒のハードルを下げて、敷居をできる限り低くするため、「バルスタイルにした」という。小椋氏は一人でも多くの人に「気軽に楽しく、日本酒を飲んでほしい」と一杯でも気軽に立ち寄れるような雰囲気作りを心掛けたそうだ。同店は、日本酒新世代に向けた“日本酒を新しい価値観で楽しむ”日本酒専門店。フルート型のシャンパングラスは見た目もやわらかく、優しいイメージ。そして、日本酒の爽やかさを引き立て、じっくりと日本酒を味わうのに適している。 店内はハイカウンター席とハイテーブル席のバルらしい仕様。ファサード全面はガラス張りになっている。一見、日本酒の店とは思えない環境からは「おしゃれな空気感」が透けて見えるようだ。小椋氏は「環境的にも、日本酒初心者や若い女性が気軽に入れるように」とあえて日本酒らしくない店にしたという。従来ある日本酒の先入観を払拭するためにも、同氏はバルスタイルにこだわったそうだ。小椋氏の気持ちに応えるように通りを行き交う人々が思わず足を止めることも多く、その効果が早くも表れている。 「中野 青二才」でオンメニューされる日本酒は「青煌」、「豊盃」、「鍋島」、「新政」、「山間」、「三千櫻」といった人気の銘柄など、爽やかなタイプから芳醇なタイプまで、約60種類。空いたものから10種類ほどが日々入れ替わる。日本酒のポーションは3勺(320円)、5勺(450円)、7勺(700円)でそれぞれ均一価格。あえて勺表示をするのは「日本独自のすばらしい文化や歴史を大切に伝えて行きたい」という小椋氏最大のこだわりだ。 料理は「かに味噌仕立てのバーニャカウダ」(930円)、「しょっつる仕立てのアヒージョ」(550円)、「ごろごろ野菜のキンピラ」(500円)、数量限定の「バチまぐろカマの香草パン粉グリル」(1480円)、「本日のお一人様ピザ」(500円)など、日本酒とのマッチングを意識しながらも、バルらしいスタイルにこだわった斬新でオリジナリティ溢れるメニューが並ぶ。今後は日替わりのメニューも増やす予定だとか。「常に自身もお客様でありたい」と考える小椋氏。「一人でも気軽に立ち寄れる店に」と日本酒をツールにし、「中野 青二才」から生まれて繋がる、“差しつ差されつ”マインドの楽しいコミュニケーションを大切にしている。
店舗データ
店名 | 中野 青二才 |
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住所 | 東京都中野区中野3-35-7 松井ビル 1F |
アクセス | JR中野駅南口より徒歩1分 |
電話 | 03-5340-1231 |
営業時間 | 17:00~25:00 |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 14坪・27席 |
客単価 | 2800円~3000円 |
関連リンク | 青二才 |