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移転オープンで、赤坂に居酒屋三角地帯出現! 2800円均一のボトル赤ワインとラムチョップを提供するビストロ居酒屋「ぐるり赤坂」が3月28日誕生!

「大正ロマン」をテーマとした古民家風の内装。ビンテージ品が好きという青井氏が、調度品を自ら選んだ
重めのワインによく合う、看板メニュー「かぶりつきラムチョップ」。砂時計を使い、客が好みの焼き加減に仕上げる
系列店の名物「どて焼き」をベースにした洋風「つぎたし煮込み」。ニンニクとハーブたっぷりの特製ブルゴーニュバターがジュワッと染み込んだ「ガーリックトースト」(480円)と一緒がおすすめ
オーナーの青井優氏。フードスコープ社時代の「今井屋 総本店」の店舗責任者を経て、4年前に独立。現在は3店舗を構える31歳

(取材=生井 みづき)


スキノップ(東京都赤坂、代表: 青井優氏)は3月28日、下北沢のがぶ飲みワイン業態「ぐるり」を、赤坂みすじ通り沿いに移転オープンさせた。同店より徒歩1分の距離に1号店、3分の距離に2号店が存在。赤坂の地に新たな居酒屋三角地帯が出現した。同店は2011年3月11日から下北沢で営業していたが、震災の影響や他店舗との遠さなどの理由から移転オープン。店舗同士の連携を深めることで、既存客の囲い込みやファン層の拡大を狙う戦略をとった。 「ぐるり赤坂」は、どて焼・串かつをメインとした1号店「赤坂聳え(そびえ)」、6塩つくねなど炭火焼をメインとした2号店「赤坂聳え別館となり」に続く3号店で、同社初の洋業態。近隣のオフィスワーカーを中心とした客に「べろんべろんになるまで飲んで、どっしり腰を落ち着けて話して、心ゆくまで楽しんでほしい」と、がぶ飲み赤ワインの店を着想した。いずれも古民家を利用した和風居酒屋として人気の1、2号店。今回の3号店は初のビル内地下フロアだが、引き戸や漆喰壁などの内装を施して、温かみのある古民家の雰囲気を継承した。そこに、レトロな音楽やステンドグラスなどのインテリアを配し、和洋折衷の「大正ロマン」テイストを演出。「外国文化に憧れていた大正時代の日本人が、もしビストロを開いたら?」という空想に基づき、店のイメージを固めたという。 ドリンクは、ニューワールドを中心としたボトル赤ワインを常時30種用意し、どれでも2800円均一。店内のワインセラーから、客が自由に手に取って選べる。中には赤字覚悟の品もあり「選ぶ楽しみがあって良い」と客の多くが利用するという。グラスワインは、軽めを中心にスパークリング・白・赤(500~600円)の計5種に絞った。そのほか2種類の茶を配合した濃厚な味わいが特徴の「自家製緑茶ハイ」(450円)など、既存2店舗の人気商品もいくつか引き継いでいる。日本酒や焼酎は一切置かず、あくまでボトルワインを全面に押し出す指向だ。 料理はすべて“赤ワインががぶがぶ飲める”ためのものばかり。「大正時代の日本人が作る "ちょっとどんくさい" ビストロ料理がコンセプト」と青井氏。手がけたのは、既存店舗の和食メニュー開発を手がけてきた総料理長の野本龍隆氏。実はフレンチの修行経験もあるといい、ジャンルを超えた自由な発想で、思わずワインが進んでしまう、豪快な男の料理を生み出した。来店客のほとんどがオーダーするという同店の名物「かぶりつきラムチョップ」(1本450円)は、グランドメニュー全35品の中で、最もビストロらしい一品だ。骨付きのラム肉は、にんにくとスパイスを効かせた自家製香味油を用いて、こんがり揚げ焼きに。その後、フレンチの調理法”ルポゼ(休ませるの意)”を用い、ミディアムレアになるまで、余熱でゆっくりと仕上げていく。肉は鉄板に乗ってテーブルにお目見え。専用の砂時計で時間を計りながら、客自身が最後の仕上げを行なう。待つこと3分。驚くほど臭みがなく、肉汁が行き渡り柔らかくジューシーに焼き上がったラムチョップは、言うまでもなく赤ワインとの相性抜群だ。場を盛り上げる演出としても、非常に優秀な看板メニューとして機能している。一方、和食業態である1、2号店のノウハウを生かした居酒屋らしいメニューも豊富だ。「つぎたし牛スジ煮込み」(580円)は、ラムチョップと並ぶもう1つの看板メニュー。大阪料理が看板の1号店の名物「どて焼き」をベースに、赤ワインやバターを加えてワインに合うようアレンジした。毎日継ぎ足しながら煮込んだ、和風ドミグラスソースとも言えるまったりした味わいは、これまたワインにぴったりだ。 移転オープンから3ヵ月が経過した現在の客層は、近隣のオフィス街に勤める30~40代が中心。訪れる人の4割は女性だという。一方、ニンニクなどでパンチの効いた味わいの料理は、男性に好まれそうだ。取材日も、会社帰りと見られる男性の団体客が、ボトルワインで盛り上がっている様子を目撃した。ワインというと男女もしくは女性グループで飲む印象があるが、ボトルをシェアしながら、男性同士で気軽にワインを飲み交わすことができ、しかもお腹いっぱいになれる居酒屋というのは、なかなか珍しいのではないだろうか。ちなみに、料理はメニューにないものでも、要望があればできる限り応えてくれるという。常連客に人気の裏メニューは、なんと中華なのだとか。 「ぐるり」という店名には、“店全体をしっかり見回して、質の高いサービスを”との意味が込められている。常連客が足しげく通う理由は、そうしたサービスを体現するスタッフの存在にもある。特定のスタッフがいる日を狙って来店する客も多いそうだ。青井氏は、小学校から大学まで柔道部に所属、上京後はキワコーポレーションの店舗ホール担当としてキャリアをスタートしたという、根っからの体育会系。さぞかし厳しい指導をしているかと思いきや、「かっちりと洗練された接客をする者もいれば、ラテン的でフレンドリーなタイプもいる。どちらも好評です」と言う。マニュアルやルールのない自由な接客によって生まれるスタッフの個性は、そのまま店の魅力となっている。 「幼少時代、親戚に連れて行ってもらった大阪の小さな居酒屋で、常連のおっちゃん達がいつも楽しそうに飲んでいた光景に憧れて」飲食業を志したという青井氏。目指しているのは「ホームランは打たないけれど、飽きられず10年続く店づくり」だ。そのため、1年半に1店舗ずつ、ゆっくりとしたペースで出店。1号店オープンから4年間、着実に赤坂の人々の心を捉えてきた。3号店「ぐるり」の現在の常連率は6割まで上昇。3店舗すべてに足を運ぶファンも増えているという。 今後は赤坂以外のビジネス街への進出も視野に入れており、まずは年末ごろ新橋に1店舗、出店を計画している。この先、店舗数が増えていっても、どの店も個人経営のような温かい居酒屋として育てていく方針だ。そのほか独立支援制度も整える予定で、飲食業界全体を盛り上げたいと意気込む。赤坂に出現した居酒屋三角地帯は、東京一帯を席巻する台風の目となっていくのか。今後の動向に注目だ。

店舗データ

店名 ぐるり赤坂
住所 東京都港区赤坂3-19-2 風間ビルB1階

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アクセス 地下鉄赤坂見附駅より徒歩2分、地下鉄千代田線赤坂駅より徒歩5分
電話 03-6459-1723
営業時間 ランチ月~金11:30~15:00(L.O.14:30)
ディナー  18:00~23:30(L.O.22:30)
定休日 日曜日
坪数客数 約18坪・36席
客単価 4500円
運営会社 株式会社スキノップ
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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