“個店主義による多業態のフードビジネスの展開”を掲げる広島の躍進企業・スピリッツは、11月18日に同社14店舗目となる「裏恵比寿 自然生村」を東京・恵比寿にオープンした。同社にとって東京初進出となる注目店だ。
「裏恵比寿 自然生村」は天然の山芋・自然生(じねんじょう)をメイン食材に使った店で、ヘルシーな自然生料理だけで約14種(550~950円)も揃える。「自然生のかば焼風」950円は“山のうなぎ”といった感じで、すりおろした自然生に海苔をのせて香ばしいタレで蒲焼風に仕上げた一品。一方、女性の評判を獲得しそうなのが「自然生のふわっと揚げ」850円。中はとろっと、外はふんわりした揚げ物で、広島・蒲刈産の塩をつけていただく。
ほかにサラダのドレッシングにもすりおろした自然生を使うなど、自然生専門店としてバリエーション豊かに自然生を使いこなす。自然生を皮ごと使っているので、素朴で濃厚な自然生の味わいを楽しめるのが魅力だ。
“締め”でいただきたいのは「名物すりおろし自然生とろろ鍋」。和風だしに白菜・シメジ・豆腐などを入れて煮込み、最後にすりおろした自然生をまわし入れて完成させる鍋料理。広島産カキ入り(1人前2280円)、和牛のプリプリホルモン(1人前2480円)、まぐろトロ入り自家製つくね(1人前2780円)、和牛の中落ち入り(1人前2980円)の4種を用意している。生とろ(650円)や昔ながらのラッパ豆腐(390円)など、10種の追加具材も揃える。(右の写真は和牛中落ち入りのとろろ鍋)
店名にちなんで、店長ならぬ“村長”の肩書きになっている指原一仁氏は、「一般的な長芋とは違った、自然生特有の香りやねばり、おいしさを堪能して欲しいです」と意欲的だ。栽培されている長芋に比べ、職人が山でひとつずつ丁寧に掘り出す自然生は収穫が容易ではなく、市場に出回らないこともあるので比較的高価な食材とされる。
同店の場合は、中国地方の生産農家3軒から直送してもらって安定供給を図る。美容健康や滋養強壮などさまざまな効果・効能があるとされており、そういった情報を店内のPOPやメニュー表にまとめて説明している。/p>
経営母体であるスピリッツはこれまで、広島市内だけで10店舗を出店し、ドミナント展開で成長してきた飲食企業。会社設立から6年で現在は14店舗まで拡大した。2010年上半期までにさらに東京と広島に3店舗をオープンさせる計画がある。
同社のスピード感ある躍進のワケは…。
同社代表取締役 松本浩二氏は次のようにコメントする。「一号店目以降、いままで基本的には無借金経営で突き進んできました。いまだに私は商品開発に携わっていますし、メニュー表や看板の文字だって自分で書きます。本部機能もほぼ私ひとりでこなしています。印刷や広告を手がける関連会社も擁しています。できるだけ自社で内製化することでコストを抑え、利益を高める努力をしています」
店内には石壁や竹など、自然の風合いを感じさせる素材を配し、“村”や“山”をイメージさせる落ち着いた空間に工夫。11坪24席の広さで、カウンターと掘りごたつ、個室風空間を用意している。平均客単価は5000円を想定。恵比寿駅東口から徒歩数分の1階の路面店だ。
店舗データ
店名 | 裏恵比寿 自然生村 |
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住所 | 東京都渋谷区恵比寿1丁目21-15 いーすとEBISU1F |
アクセス | JR/東京メトロ恵比寿駅東口より徒歩3分 |
電話 | 03-5422-8238 |
営業時間 | 18時~翌5時 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 11坪・24席 |
客単価 | 5000円 |
運営会社 | 株式会社スピリッツ |
関連リンク | 裏恵比寿 自然生村 |