東京1号店の狛江店のオープン準備中の忙しい中、インタビューに応じてくれた「トリュフドーナツ」オーナーの古田 琢也さん
大山:まずは古田さんは、どういうきっかけで飲食の世界に入ったのですか?
古田さん:もともと東京でデザイナーをしていたのですが、地元・鳥取で「人が集まる場所を作りたい」と考え、27歳の時に飲食ビジネスに挑戦しました。飲食は様々な人が関われる仕事で、鳥取の仲間を巻き込みながら一緒に面白いことができると感じたんです。最初は定食屋を始め、その後カフェ、イタリアンと徐々に業態を広げていきました。
様々な飲食経験を重ねる中で、「ドーナツ」という新たな可能性に着目しました。
大山:そうなのですね。それで、この今回のメインですがその「トリュフドーナツ」が今、非常に絶好調ということなんですけど、開発したきっかけというのはどういった経緯なのですか?
古田さん:現在の飲食店だと、店舗の最大売上が決まってる中で頭打ちを感じていました。そこでテイクアウトに強く、ランチやディナーの時間に依存しないビジネスモデルを作りたく、元々私自身ドーナツが大好きで、ドーナツをよく食べていたのでドーナツに着目しました。ドーナツは、小さな子供からお年寄りまで喜ばれる存在です。しかもランチ・ディナーの時間帯に縛られないテイクアウト主体のモデルに、可能性を感じました。
そこから日々、研究と試作を重ね、これまでの飲食経験を活かしながら毎日試行錯誤し“トリュフの香りをしっかり感じられる生ドーナツ”というオリジナル商品にたどり着きました。揚げたての生ドーナツに芳醇なトリュフの香りを纏った、これまでにない新感覚のドーナツです。
大山:1店舗目のオープンはいつくらいですか?
古田さん:2024年3月に1号店をオープンしました。 オープン初日には400人以上の行列ができ、最大4時間待ちになるほどの大盛況、初月売上が1,200万円を超えました。日本一人口の少ない鳥取でこの行列や売上は、正直私たちも驚きました。
人口の数ないローカル地域からブレイクしたというポイントに注目
大山:鳥取店は、今でもあるのですよね?
古田さん:はい、あります。業績も堅調です。そこではレシピ開発や生地を開発したりといった、ラボ的な立ち位置で運営しております。
大山:そこから「FC展開していこう」となったのはどういったきっかけだったのですか?
古田さん:鳥取店の驚異的なスタートを見ていた他県の事業者から「うちの地域でも出店したい」と声があがり、そこからフランチャイズ展開がスタートしました。現在では九州や関西だけでなく、東京にも出店し、全国で着実に広がっています。
大山:すごいですね、あまりの繁盛ぶりを見てやらせて欲しいと(笑)。理想的な展開ですよね。自分たちが実際に儲かっているものを、他のエリアでやっていただくというのは。
古田さん:はい。私たちのブランドは「地方こそ勝てる」と考えているので、一緒になって地方でチャレンジしたり、トリュフドーナツが困っている事業者さんの力になれるのはとても嬉しいです。
大山:こちらのドーナツの特徴というのはどういったところですか?
古田さん:鳥取の大山牛乳やカボチャを生地に練り込んだ、ふわふわもっちり生食感な生ドーナツです。看板商品は、揚げたての「トリュフプレーン」。揚げたてふわふわの生ドーナツ生地に、トリュフの香りや味わいがしっかり感じられる一品です。
噛んだ瞬間にふわっと広がる芳醇な香りや味わいは、これまでのドーナツのイメージを覆す新感覚なドーナツです。定番のおやつであるドーナツに、高級感や専門性を加えることで幅広い客層に支持されています。
揚げたてのプレーンはまさにふわふわ。噛むとカシュっと柔らかくトリュフの良い香りがとても良い
さらに、クリームをたっぷり詰めた苺・抹茶・チョコレートなどのバリエーションに加え、各店舗ごとの限定メニューや期間限定メニューも展開しています。
5月にオープンした狛江店の限定は「ほうじ茶クリーム」
大山:確かにプレーンはふわふわでしたね。ホイップはまたプレーンと違った食感でどちらも楽しかったです。ビジネスモデル的にはどういった特徴がありますか?
古田さん:大きな特徴として3つあります。
- ①低投資早期回収
- ②採用に困らない
- ③立地も柔軟で低家賃
お伝えしたい大事なところなので、整理してお話ししますね。
①低投資早期回収
設備投資や内装コストを抑え、約500〜1,000万円の初期投資でスタートでき、投資回収は半年〜1年が目安です。実際に3ヶ月で回収した事業者さんもいます。
②採用に困らず、人材に依存しない
専門の職人や高い調理スキルは不要で、一般的なアルバイトスタッフでも短期間の研修で習得できます。そのため、飲食店で課題になりやすい「採用難」「人材定着率」に悩まされにくいのが大きな魅力です。
特に今の若年層の採用市場でも「カフェ・スイーツ系は人気職種」であり、ドーナツ専門店という業態はアルバイト希望者が集まりやすい傾向があります。実際に既存店でも採用はスムーズに進んでいます。
③立地も柔軟、低家賃
テイクアウト主体のため回転率が高く、8坪〜の小スペースで出店可能です。ロードサイド・郊外型・モール隣接など柔軟に出店可能です。家賃が安い地方立地でもしっかり売上が上がり、家賃・人件費を抑え利益率を最大化します。
だいたい月商500万でロイヤリティを引いても17%程度、1,000万円なら20%程度の高い利益率を実現しています。例えば月商1,000万なら約200万円の利益が残るビジネスモデルとなっています。
加盟オーナーは異業種からの参入も多く、農業法人や、リラクゼーション、IT業界方もいます。
マニュアルや研修も充実していて、立ち上げサポートもしっかりさせていただくので、異業種や未経験の方でもチャレンジしやすいです。
あと、パン屋さんやスイーツ店さんの業態チェンジの相談も非常に多いです。パン屋さんからの業態チェンジですと、初期の設備がほとんどいらなく初期投資がすごく抑えれるのでおすすめです。
大山:ということはオペレーションもそんなに難しくないということですね?研修は何日くらいですか?
古田さん:オペレーションは極力属人化しないように仕組み化しています。研修は5〜7日間程度です。パン屋さんの経験者の方だと5日ぐらいでは終えられるようになっています。
大山:なるほどです。キッチンのスペック、広さみたいなところの制限はありますか?
古田さん:ミニマム8坪〜で理想は12坪ぐらいです。店舗としてはテイクアウト専門でやるので、ほぼキッチンで締めるという感じです。必要な設備としては、ホイロ(発酵機)、フライヤー、冷蔵冷凍設備ですね。
大山:立地的な部分でも、制限などはありますか?
古田さん:現在、13店舗出店していて、商業施設の中もあれば、ロードサイド、郊外住宅型、のお店もあり立地的な制限はありません。僕らの特徴としては地方でこそ勝てるビジネスモデルだと考えていて、駅前や繁華街というよりちょっと離れた、住宅地エリアだったり、大型のショッピングモールが近くにあり家族が車で買いに来れる場所とかが強いですね。
大山:今後、直近の出店予定を教えてください。
古田さん:大変ありがたいことに多数問い合わせをいただいていまして、直近では、兵庫県姫路市、宮崎市内と宮崎都城、東京都勝どき、あとは山口、大分、茨城と続いてます。北関東や東北はまだまだドーナツ屋さんも少ないですし、今一番やりたいエリアですね。
大山:スピード感がすごいですね。最後ですが、今後の目標はどのように設定されていますか?
古田さん:今年中に30店舗まで増やしたいと思っています。3年で50店舗ぐらいまで増やしていきたいです。
もう一つは日本で、もっとドーナツが根付いて日常化する世界になると楽しいなと考えています。今ってドーナツといえば、ミスタードーナツさん1強なので、そこに並んで、全国で確立していけるような存在になっていけたらなと思っています。
大山:素晴らしい目標ですね。これからも応援しています!
編集後記
「鳥取にとんでもなく繁盛していて猛スピードでFC展開しようとしているドーナツ屋さんがある」と聞いて取材をさせていただいた古田さんのトリュフドーナツ。ちょうど東京1号店のオープン前に取材に応じてくれました。オープン準備で「東京初出店、並んでくれたらいいのですが・・」と言っていた狛江店ですが・・・
え・・・・!?
5月25日のGRAND OPENで開店前から200名以上のお客さんで100m続く大行列となり、1,500個のドーナツが即完売したとのことでした。凄すぎる(笑)。同ブランドが日本中に幸せドーナツ旋風を巻き起こすのを今後も注目していきたいと思います!(聞き手:大山 正)
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