スペシャル企画

【フースタ関西 連動企画 vol.4】韓国焼肉チャドルバギ専門店や冷凍食品工場の開設……京都で多彩な業態・ビジネスを展開するMASTERMINDの現在地


冷凍食品工場で働き方改革、新しい商売のかたちを模索

―現在、特に力を入れていることは?

金井氏:2023年12月に120坪ほどの食品工場をつくりまして、最近はそこにつきっきりな感じです。当社の「ぎょうざ処 亮昌」の生ギョウザの製造をはじめ、各店の仕込みの一部や、OEMで外部の飲食店に卸す冷凍食品の製造などを行っています。

―その狙いは?

金井氏:ひとつは、労働環境の向上です。うちはチェーン店でなく、各店に料理長がいて各々の個性を発揮した料理を提供している。その下にいるスタッフ全員が料理長と同じように働けるかというと、そうとは限らない。やはり昔と今の世代では考え方も変わってきているのを感じています。昔は料理長になりたい、独立したい、など仕事に重きを置く人も多かったですが、最近は仕事と私生活のバランスを大事にする人も多い。料理長クラスに上り詰めなくても、長く働ける環境を整えたいという思いがあります。例えば年を取って現場でバリバリ動けなくなっても、工場での勤務があれば働き続けられる。工場と言っても、うちは機械で大量生産するのではなく職人が手作りしています。技術を持った人間が現場のようなハードな環境でなく能力を発揮できます。仕込みをまとめて行えば、各店舗の負担軽減にもつながります。

―工場を開設していかがですか?

金井氏:冷凍機器も導入しているのですが、現在の冷凍技術は驚くほど進歩していて、うまく作れば店舗でつくるものと遜色ない味わいが再現できる。ただ店舗で製造するものとは勝手が違い、工場で製造する食品ならではの調理法や原材料などを勉強しましたね。例えば、冷凍シュウマイを開発し、現在の卸先は10軒ほど。「レシピがお金になる」状況が作れたらと思っています。飲食店としての売上以外にも収益を上げていきたい。そして製造の次にぶち当たるのが物流の問題。つくったものを卸先に配送するにも簡単ではない。新しい事業なので一つ一つ、手探りでクリアしている状況です。

―今後の展開は?

金井氏:工場の事業をうまく回しつつ、チャンスがあれば京都を中心に、その時にやりたい業態を人との出会いでできれば。また、うちの会社では社員と素材の産地巡りも頻繁に行っています。最近だと三重の伊賀牛の産地に行ったり。食材って一つ一つに歴史やストーリーがある。学生時代は歴史学を専攻していたので、食の歴史にロマンを感じるんです。今年で創業から22年、何度もピンチを乗り越えてきましたが、これからもそういうロマンを大事にしながら飲食店をやれたらと思っています。

―一つ一つ思いを持って店づくりをするMASTERMIND。新事業にも取り組み、今後の展開も楽しみですね。本日はありがとうございました!

(取材=大関 まなみ)

スペシャル企画一覧トップへ

Uber Eats レストランパートナー募集