MASTERMIND代表取締役:金井哲郎氏
1977年、兵庫県生まれ。25歳から飲食業に従事し、サービスの仕事に魅了される。2003年、京都に「ごはんや蜃氣楼」をオープンし独立。その後、京都で「Ristorante美郷」、「DINING+CAFE&BAR閏(うるう)」、「Cucina Italiana東洞」、「酒場たいげん」、「Brisket RONY(ブリスケ ロニー)」、「ぎょうざ処 亮昌(すけまさ)」など京都で多彩な業態を展開。2021年には東京・大手町に「taverna ハル」をオープンし東京進出も果たす。
枚方の撤退を経て改めて実感したプロダクトアウトの店づくり
金井氏:その時でやりたいことをやっている感じです。ジャンルも和食からイタリアン、ギョウザまで幅広く、単価もしっかりしたレストランから大衆酒場まで様々。「ぎょうざ処 亮昌」のみ店舗展開しており、京都市内に3店舗あります。京都を主戦場としているので、同じ街に同じ業態はそんなに必要ないかと思いますし、何よりは、人との出会いを大事にしてきました。その結果、様々な業態になっています。マーケットが求めるものを探って店を作っているというよりも、最初に「この人と働きたい」や「この料理を食べてほしい」という思いから店を作っています。
金井氏:それは強く実感していることですね。以前、2011年に大阪・枚方で100席規模のイタリアンを出店したことがありました。今まで「これを食べてほしい!」という思いから店を作ってきた僕らですが、そこはエリア特性に合わせに行った店づくりをしました。枚方はファミリー層が多く、若い頃は都会でしゃれたイタリアンに親しんでいた人が、家族を持って住んでいる人が多いとイメージしました。パスタも、スパゲッティやタリアテッレ、フジッリなどのセミドライパスタを製造する本格的なイタリアンを出していましたが、それがなかなか伝わらなかったですね。結果として撤退することになりました。その経験からも、やはり自分達のアイデンティティは「これを食べてほしい!」という思いを起点にした店づくりなんだなと実感しました。