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FAXの受注作業を大幅に効率化!飲食業界に寄り添うフードテック企業、クロスマートの新サービスに込められた思いとは?

飲食店の仕入れを見直し業務効率化を目的とした、プラットフォームサービス「クロスマート」。2019年4月にリリースされ、現在、利用する飲食店は全国400 店舗にのぼり、平均で仕入れ価格を5%ダウンさせた実績を持つ。11月には、これまで紙のFAXで行っていた発注業務をLINEで完結できるサービス「クロスオーダー」をリリースするなど、常に進化を続けている。2020年3月1日からは、FAX注文を自動でデータ化するOCR機能を開始する。飲食店の「やり慣れたFAXでの発注を続けたい」というニーズに寄り添う新サービスだ。その意図を、運営会社クロスマート(東京都千代田区)代表の寺田佳史氏に聞いた。



(写真左からクロスマート代表取締役の寺田佳史氏、カスタマーサクセスの足立恵美氏)

※クロスマート、クロスオーダーについてはこちらの記事もご覧ください
https://food-stadium.com/special/26886/
https://food-stadium.com/special/27509/

―今回のサービスをリリースした経緯を教えてください。

「クロスオーダー」は、業務効率化、生産性向上を目的にリリースされたサービスです。外食業界に特化した受発注システムで、これまで紙のFAXで行っていた発注業務をLINE上で行えるというもの。卸売業者にとっては、煩雑なFAXの仕分け・データ入力作業を大幅に効率化することができます。飲食店も、時と場所を選ばずLINEで発注できることで、「発注作業が楽になった」と好評をいただいています。しかし一方で、スマホ操作に慣れていない高齢の方や、やり慣れた方法から変えることに抵抗を感じる方々も一定数いて、そういった方々へどうサービスを提供するかは課題でした。


(カスタマーサクセスを担当する足立氏。多くの卸売業者や飲食店から「LINEで受発注することで『効率化できた』との声を聞く一方で、今までのFAXでのやり方を変えたくないという声も未だ多いですね」と語る)

そこで僕らが考えたのが、FAXに記載された文字を自動でデータ化する機能です。LINEで発注されたときと同様に、FAXからの注文も瞬時にデータ化できます。飲食店は普段からやり慣れたFAXで発注することができる一方、卸売業者は煩雑なFAXの仕分け・データ入力作業をせずに済み、互いにメリットあるかたちで仕事ができるようにしました。

―FAXをやめてテクノロジーを活用しよう、ではなく、FAXを使い続けながらテクノロジーを活用しよう、という発想から生まれたサービスなんですね。

はい。「飲食店に寄り添うサービスを提供する」ことが僕らのミッションひとつ。当社には外食業界出身者がいないのですが、そんなチームだからこそ、どうしたら飲食店に寄り添ったサービスを提供できるのか?を非常に大切にしています。「FAXを使い続けたい」という声に対して、「FAXは非効率なので、使うのをやめてLINEにすべき」と僕らのやり方を押し付けることはしたくなかった。今のやり方を変えることで、かえって非効率になってしまうこともあります。やり方を変えなくても、業務全体が効率化する方法を考えよう、と発想を転換しました。


近年、当社含め多くのフードテック企業が登場しています。その中で成功するには、いかに飲食業界の方々に寄り添うことができるかにかかっていると考えています。「今のやり方を変えなくても大丈夫です」というのは、僕らからの提案です。

―具体的にはどのような仕組みなのでしょうか。

OCRという、手書きの文字をデータ化する技術を使って、FAXに記載された内容を電子化する仕組みを自社で開発しました。

OCRは高度な技術なので、本来それを用いるには年間数百万ほどの大きな投資額が必要です。小規模な卸売業者が単体で利用することは現実的ではありません。「クロスオーダー」ならば、使った分だけの料金体系なので、少額から利用することができます。卸売業者は月額5万円から利用でき、飲食店の利用は無料です。

※クロスマート新機能について詳しくはこちら

―今後の展望は。

これはまだアイディア段階ですが、将来的には留守番電話をデータ化したいという考えもあります。FAX同様、電話による発注の仕方も根強く残っています。飲食店は営業後の深夜に電話をすることが多いので、卸売業者は翌朝その音声を聞いて作業をします。留守電も聞き取りにくい箇所があったり、場合によっては何度も聞き直すなど、とても大変な作業です。そこをITの力で解決していきたい。

僕らが目指すのは黒子のような存在。有名になりたいという考えはなく、気づいたら使っていた、そんな存在になれるようこれからも飲食店と卸売業者の業務効率化に貢献するサービスを提供していきたいです。

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