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人手不足解消の期待がかかる「特定技能制度」により、変化した外国人財雇用の状況とは?登録支援機関PROUD商事が見る本制度の現状と将来性

2019年4月に運用がスタートした「特定技能制度」により、外食業における人財雇用の状況がガラリと変わった。人手不足が慢性化する外食産業において、外国籍労働者は救世主として期待されている。しかし、興味はあるものの詳しくは知らないという飲食店オーナーも多いのではないだろうか。今回は、登録支援機関として外国の方と企業とのマッチング事業を展開している株式会社PROUD商事(神奈川県相模原市)代表取締役である鈴木竜二氏に、その現状と将来性をうかがった。



鈴木竜二氏
株式会社PROUD商事 代表取締役。15歳でシドニーに留学。留学時代は自身が外国人として様々な問題と苦悩を経験した。帰国後は23歳で飲食店を開業。自社の店舗運営に加え、店舗の設計施工業を行う中、クライアントの多くが人手不足に悩まされているのを目の当たりにし、外国人財と企業のマッチング事業を行っている。

株式会社PROUD商事
https://www.proudcorp.com/

―2019年4月にスタートした「特定技能制度」で、外国人財雇用にどのような変化が起こったのでしょうか?従来の就労ビザとの違いを教えてください。

大きな違いは、一部の例外を除き、これまで外国の方が就労することができなかった飲食店の店舗で、外国の方を正社員として雇用できるようになったことです。特定技能では評価試験が実施されており、外国の方は、外食業技能測定試験と、日本語能力検定の「N4以上」に合格すれば外食業界で働くことが可能になります。

今までの技術・人文知識・国際業務ビザでは、飲食店のホールスタッフや調理場スタッフのような職種では、就労ビザを取ることはできませんでした。また、調理師専門学校を卒業しても、技能ビザ(就労ビザ)の取得には実務経験10年が必要となるので、事実上、取得が難しく、そのまま外国料理レストランなどで働くこともほぼ不可能でした。

加えて、中華料理の調理人として就労ビザを取得した場合は、イタリアンレストランで働くこともできませんし、あくまで調理の仕事なので、ホールスタッフとして接客をすることもできませんでした。

しかし、これまでは調理人に接客をさせたり、時間制限(学校があるときは週28時間、長期休み期間は週40時間)のある留学生に、その時間制限を超えて勤務させたりする飲食店が少なからずありました。今回の「特定技能制度」は、そうしたグレーゾーンを撤廃し、外国人労働者の労働環境の改善を図る意図もあります。

「特定技能制度」には、「外国人と結ぶ雇用契約が適切である」「労働・社会保険及び租税に関する法令を遵守している」など条件が受け入れる企業に科されています。一方、働く外国の方にも「技能試験及び日本語試験(N4以上)に合格していること」などの条件が科されています。雇用側も外国人労働者も法令を遵守したうえで、雇用側は人手不足の解消を図り、外国人労働者も調理、接客、マネジメントと自分の将来を見据えて、合法的に仕事ができるというメリットがあります。これからの時代、企業としてコンプライアンスを遵守することはますます重要となってくるでしょう。グレーゾーンを続けることはいずれ大きな打撃となって返ってくるリスクをはらんでいる。飲食店はしっかりとした知識を身に着けたうえで制度を活用すべきと考えています。

―そうした流れの中で、御社はどんな役目を果たしているのでしょうか。

登録支援機関として、外国の方を受け入れる企業(特定技能所属機関)に代わって、支援計画を作成したり、特定技能1号取得者の活動を安定的・円滑に行うことを支援したりしています。簡単にいうと外食企業と外国の方をつなぎ、就職後のサポートまで一貫いたします。6年前から技能実習生の受入監理団体で代表理事として600名以上の実習生を受入監理していたのでノウハウはあり、外食業界に精通していたので「特定技能制度」のスタートに合わせて本格的に事業に乗り出しました。

―具体的にはどんな支援活動をしているのですか。

就職支援だけではなく、事前ガイダンスから始まり出入国する際の送迎、日本のルールやマナーを教える生活オリエンテーション、日本語学習の機会の提供、転職支援など多岐に渡ります。当社は外食業に特化しており、サポートスタッフも全員飲食出身なのでより親身に外国スタッフに寄り添うことができ、企業側には受入れ体制や教育制度の課題についてアドバイスをさせて頂く事も多々あります。

 
(フィリピンと中国での現地リクルート会社へのプレゼンの様子)

―「特定技能制度」を利用し、日本で就労を希望する外国の方は、どういった業態を希望される方が多いのでしょうか。

将来的に、自国に戻り飲食店を経営することを夢見ている方が多いです。アルバイト経験が活かしやすい居酒屋やラーメン店を始め、すし店や焼鳥店など日本の伝統的なものよりも、高級焼肉店や割烹など客単価が高めの店舗での勤務を希望する方が増えていますね。またパティシエやヴィーガン料理といった専門的な料理を覚えたいという方も増えています。単に日本で稼ぎたいではなく、「日本の飲食店の技術を習得したい」という人が増加しているように感じます。

―御社の強みを教えてください。

弊社はもともと飲食事業からスタートしています。焼肉店、タイ料理店、居酒屋など多様なジャンルの店を最大で同時に10店舗運営していたため、現場や外食の常識がわかることです。また、当社スタッフ全員が飲食業経験者であり、加えて様々な国のスタッフが在籍しております。支援活動の中には「相談・苦情への対応」という項目があり、何か相談を受ければ、その特定技能従業員とその雇用主双方から事情を聞き、双方が円滑に仕事ができるように調整するのですが、そんなとき飲食業を経験していた視点や外国の方の視点でアドバイスできることも強みになっていますね。また、外国籍の方を雇用することで様々な課題が見えてくることも多々あり、それらを改善・解決するキッカケやご提案をさせて頂いているところも他社との差別化が出来ていると思っております。

―月に1回の割合で飲食店業界向け説明会を開催されていますが、反応はいかがですか。

毎回40~50社の飲食企業の人事担当の方にご来場頂いており、「特定技能制度」への関心の高さがうかがえます。就労ビザで雇用していた方から、「特定技能制度」を利用した方に切り替える企業もあります。すでに当社から紹介して就職が決定し、ビザがおりた方は16名(2019年12月時点)。11月には23名の内定をいただきました。


(外食企業向けの制度説明会の様子。多くの企業が集まり関心の高さが伺える)

―先日、政府は「特定技能制度」での在留外国人数が11月末時点で1,019人にとどまっていたことで、試験の受験機会の拡大や取得者を企業に仲介する制度の拡充を打ち出しましたが。

そうですね。初年度最大1万人程度と政府は想定していたので、数字的には寂しい結果ですが、試験機会の拡充とともに、海外での「特定技能制度」の認知度を上げれば、もっと応募者は増えるはずです。実際、当社では来年1月にはフィリピンで100名、2月には中国で100名の現地面接会を予定しています。このペースでいけば毎月50名の優秀な人財を斡旋できる見込みです。「特定技能試験」に合格した外国の方を正社員として採用したい、「特定技能制度」について詳細を知りたいという方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。我々の願いとしては人材不足解決の為ではなく、成長戦略的に優秀な人財採用のお手伝いができればと思っております。

株式会社PROUD商事
お問い合わせは info@proudcorp.com まで

(取材=松野孝司)

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