吉本氏 「タップ・マルシェ」の導入により、生ビールの代わりにクラフトビールを選ぶお客さまが増え、客単価アップの効果がありました。「タップ・マルシェ」を導入したのと同時期にグランドメニューの改定を実施し、その効果もあるため一概には言えませんが、「タップ・マルシェ」が単価アップに貢献した要因のひとつであることは間違いないでしょう。レギュラーメニューとして提供している480円の生ビールの代わりに、平均価格570円のクラフトビールを選ぶお客さまが増えたことが単価を底上げ。加えて、クラフトビールは1杯およそ250mlと比較的小ポーションで提供しているので、次の一杯につながることも多く、店全体で100円弱の単価アップにつながりました。
吉本氏 キリンビール様から提案があり、「タップ・マルシェ」の存在を知りました。手軽にクラフトビールを導入できる点は魅力に感じました。ただ、そのまま設置するだけでは意味がなく、設置してからそれをどのようにお客さまに訴求していくかが重要ですので、導入にあたっては各店舗のマネージャーに対して講習会を開催し理解を深めました。こういったキリンビールの手厚いサポートがあったのは助かりました。そのなかで、「タップ・マルシェ」がその店舗のマーケットに合うことと、「タップ・マルシェ」を使ってそのマーケットにクラフトビールを落とし込めるマネージャーのいる店舗ということで、この池袋サンシャイン通り店含めた3店舗が手を挙げて、現在、導入しています。
吉本氏 たとえば、バル業態や、ワインをメインに扱うような洋風の業態でしたらクラフトビールとの親和性は高く、そのまま設置しても店になじむこともあるかもしれません。しかし、当店のような九州の居酒屋をイメージしている業態に、クラフトビールを導入するとなると、お店の雰囲気とタップマルシェをどう馴染ませるかという落とし込みが必要です。
吉本氏 「タップ・マルシェ」がテーマとしている「フードペアリング」を追求しました。実際にフードとの組み合わせを体験する試食会を、アルバイトスタッフ含め実施し、初回はキリンビール様に実施いただき、スタッフ全体でどう売っていくかイメージを確立させていきました。試食会で得た経験をネタにお客さまとのトークでクラフトビールを訴求しています。その甲斐あって、現在、ビールの注文のうち約2割は「タップ・マルシェ」のクラフトビールが占めており、うまくなじんでいるのではないかと思います。
佐竹氏 お客さまの反応は良好ですね。とくに、1杯目を生ビールのところ、代わりに「タップ・マルシェ」のクラフトビールを頼まれるお客さまが多くいらっしゃいます。とくに「オンザクラウド」は多くのフードと相性が良いので、接客トークでおすすめしやすく好評です。クラフトビールと組み合わせることで、フードの満足度もより上がっていると思います。また、中にはグルメサイトで「クラフトビール」で検索をかけたところ当店にたどり着き、来店につながったというお客さまもいらっしゃいました。
さらに、アルバイトスタッフがお酒に興味を持つきっかけになったことも「タップ・マルシェ」のメリットですね。当店のスタッフは20歳過ぎのアルバイトスタッフが中心となってお店を運営しています。その年頃ですと、まだビールを飲めないという子も少なくありません。「タップ・マルシェ」のフードペアリングの試食会に参加したことで魅力に気付き、ペアリングに興味を持ったり、ビールが飲めるようになったりしたスタッフもいます。スタッフがお酒に詳しくなるのは居酒屋で働くうえでなによりです。
佐竹氏 現状、クラフトビールをおすすめするのには、トークでカバーしている面が大きいので、それ以外にもお客さまに訴求するポイントがあると、さらにやりやすくてよいですね。たとえばサーバーの見た目にもう少しインパクトがあれば、それが注文のきっかけになるかもしれません。
■鹿児島県霧島市 塚田農場 池袋サンシャイン通り店
【住所】東京都豊島区東池袋1丁目15-2
【TEL】03-5957-0306
【営業時間】17:00~24:00(L.O.23:00)
鹿児島の自社農場から届く「黒さつま鶏」を使用したメニューをはじめ、鹿児島産の食材を使用した料理を提供する居酒屋。