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渋谷に「SummerFall Tap Cocktails(サマーフォールタップカクテルズ)」が開業。クラフトサケ先駆けのWAKAZE、次は酒の新潮流「タップカクテル」専門店を仕掛ける

10月30日、渋谷に「SummerFall Tap Cocktails」がオープンした。「タップカクテル」とは、あらかじめミックスしたカクテルベースを樽詰めし、サーバーに通して注ぐカクテルだ。すでに海外ではトレンドの兆しを見せており、同店は日本ではまだ珍しいタップカクテルの専門店として登場した。カウンターに並ぶ20のタップから個性豊かなカクテルを提供する。運営はWAKAZE(東京都世田谷区)。同社は世界を舞台に日本酒の製造・販売を行う酒類メーカーで、近年、盛り上がりを見せる新スタイルの日本酒「クラフトサケ」の先駆けとして知られる。なぜそのWAKAZEが、次はタップカクテルの専門店を手掛けたのか――代表の稲川琢磨氏に聞いた。


「酒蔵の新規参入は不可能」と言われる中、醸造所を設立。クラフトサケの先駆けに

渋谷の喧騒から離れ、代々木八幡方面に向かう「オーチャードロード」沿い、いわゆる「奥渋谷」は、閑静ながらもハイレベルな飲食店が点在するグルメエリアとして知られる。その奥渋谷の小道にある新築ビルにオープンしたのが「SummerFall Tap Cocktails」だ。「タップカクテルという新しい文化を広めていくには、トレンド発信地である渋谷以外の選択肢はなかったですね」と話すのは、WAKAZE代表の稲川琢磨氏だ。

稲川氏は大学を卒業後、外資系コンサルティング企業に就職したのち起業。「世界に向けて日本文化を発信する事業がしたい」と日本酒に着目し、2016年、日本酒メーカーとしてWAKAZEを立ち上げた。まずは委託醸造からスタートし、従来の日本酒とはひと味違う個性的な酒を販売。名だたる星付きレストランで提供されるようになったほか、海外への輸出も展開していった。

2018年には三軒茶屋に醸造所併設の日本酒バル「Whim SAKE & TAPAS」(現在は閉店)をオープンし、念願の自社醸造をスタート。日本では日本酒蔵の新規参入が難しいと言われる中、清酒ではなく、副原料を入れて濾した状態の酒なら『その他の醸造酒免許』で醸造が可能であることに気づき、「Whim SAKE & TAPAS」ではその製造免許を取得した。後にこの副原料を入れて濾した酒が「クラフトサケ」と呼ばれるようになった。

WAKAZEのこの事例は業界に影響を与え、同店を皮切りに各地で同様のクラフトサケ醸造所が次々に登場。その中にはWAKAZE出身者も多く、稲川氏はクラフトサケ醸造所をつくりたい人に対し、惜しみなく資料や情報を提供した。それによって「クラフトサケ」と呼ばれる一大ジャンルが形成されていった。

2019年、「日本で清酒の醸造ができないのならば」と稲川氏はフランス・パリに渡り、現地に日本酒蔵を設立。ここで醸造した日本酒をヨーロッパで販売、さらに「市場が大きい」と睨んだアメリカへも展開していった。

「SummerFall Tap Cocktails」の外観。スタンディングを中心に、一部イスもある

店舗データ

店名 SummerFall Tap Cocktails(サマーフォールタップカクテルズ)
住所 東京都渋谷区宇田川町42-4

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アクセス 渋谷駅から徒歩9分、神泉駅から徒歩12分
営業時間 17:00~0:00(金のみ~翌1:00)
定休日
坪数客数 17坪20~30人
客単価 2000~3000円
運営会社 株式会社WAKAZE
オープン日 2025年10月30日
関連リンク SummerFall Tap Cocktails(Instagram)
関連リンク WAKAZE(HP)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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