その日その場でお客様の満足をつくる飲食が、自分には合っている
JR南武線と小田急線が交差するベッドタウン・登戸駅。数年前から再開発が進んでおり、駅前には高層マンションの建設が予定されるなど、新たな都市拠点としての整備が進行中だ。「Park&Table のぼりと」は、そんな登戸駅西側、新たに整備された登戸2号線沿いにオープンした。
「自分には、はっきり“地元”と言える場所がなくて」と話すのは、オーナーの戸口太陽氏。親の仕事の都合でアルゼンチンで生まれ、幼少期はインドネシアで過ごす。高校から日本での生活を始め、大学時代には居酒屋「白木屋」でのアルバイトを経験。卒業後は大阪に拠点を移して本格的に飲食業の道へ進んだ。セラヴィリゾートが展開する監獄居酒屋「ロックアップ」で2年間勤務した後、25歳で「北の家族」新店舗の店長に抜擢。正社員として4年間、店舗運営に携わり、現場力を磨いた。
「東京で挑戦したい」という想いから、大台フードプロジェクトへ転職。東京・大阪の店舗でマネージャーとして6年間勤務し、新宿三丁目・京王フレンテ内「黒ベコ屋」「伝べえ」「炉バル・三丁目」の3業態の立ち上げと運営に携わる。2011年、東日本大震災を機に大阪へ戻り、赤字店舗の立て直しに貢献した。
その後、飲食業を一時離れ、スポーツクラブの立ち上げに参画。この経験は、飲食業の魅力を再認識し、飲食の世界へ戻る決意を固める大きなきっかけとなった。戸口氏はこう振り返る。「スポーツクラブは固定の月額利用料金をいただくモデルで、最初の数ヶ月で顧客との関係を築き、継続につなげることが収益の鍵です。一方、飲食はその日その場でお客様の満足をつくり、その対価としてお金をいただく。毎日違うお客様と向き合い、同じ営業ができる日はほとんどない。一回一回が勝負の飲食のほうが、自分にはしっくりきたんです。また、スポーツジム運営で学んだノウハウを飲食に活かせると気づいた時、改めて“自分は飲食がやりたいんだ”と思いました」。
そうして次に入社したのが、「塚田農場」などを展開するエー・ピーカンパニー。食材の仕入れから店舗での提供までを自社で完結し、生産者との関係性を大切にするビジネスモデルに惹かれたという。入社2ヶ月でマネージャーに昇格し、東京エリア部長を経て、業績改善のため関西エリアへ異動。2年間の現場再建に取り組んだ。コロナ禍を機に東京へ戻り、マーケティング本部長を務めた後、「塚田農場」業態の事業責任者に就任。業績回復や組織改革を担った。今年3月、13年間在籍した同社を退職。かねてから抱いていた「いつか独立したい」という想いと、「もう一段階、自分を成長させたい」という気持ちが重なり、44歳で独立を決意した。

登戸駅から徒歩4分。駅西側、向ヶ丘遊園駅へと続く、新たに整備された登戸2号線沿いに立地。緑の看板が目印で、大きな窓越しに温かみと落ち着きのある店内の様子がうかがえる
店舗データ
| 店名 | Park&Table のぼりと |
|---|---|
| 住所 | 神奈川県川崎市多摩区登戸2540-1 フランディール大泉 101号 |
| アクセス | JR・小田急線登戸駅から徒歩4分 |
| 電話 | 044-819-6911 |
| 営業時間 | 平日 ランチ:11:30〜14:30(LO14:00)、ディナー:17:00〜22:00(LO料理21:00、ドリンク21:30) 土曜 ランチ:12:00〜15:00(LO14:30)、ディナー:16:00〜22:00(LO料理21:00、ドリンク21:30) |
| 定休日 | 日曜・祝日 |
| 坪数客数 | 22坪40席 |
| 客単価 | ランチ1500円、ディナー4000円 |
| 運営会社 | 株式会社マストビー |
| オープン日 | 2025年7月25日 |
| 関連リンク | Park&Table のぼりと(Instagram) |


















