“その日の気分”で決まるメニューでお客を飽きさせない店作り
料理のコンセプトを尋ねると、一言「ないです」と堀本氏。その日の気分で何を作りたいかでメニューを決めるため、メニュー表ができあがるのは当日の夕方。固定メニューもあるが、おおよそ3分の1ぐらいが変更されるという。頻度高いメニューの変更は手間がかかるが、経験豊富な料理人だからこそ可能なことだろう。
「料理に関しては、イタリアンもあるし、フレンチもある。エスニックっぽいメニューもあります。ジャンルを問われればワイン屋ですと。ワインに合うような料理をイメージして、自由に作っています」(堀本氏)。一つこだわっているとすれば価格だという。週に1回ぐらいの頻度で通える店になるようにリーズナブルな価格に設定している。
メニューはSNSで出会った料理や、実際に食べた料理を自分流に解釈して出すようにしている。温冷菜、メイン、〆のパスタ類などを含めて30種類ほどをラインナップ。前職から人気のある「田舎風お肉のパテ」(1000円)。レーズンを入れたオリジナルメニューだ。そのほか、「燻製サバとじゃがいものテリーヌ」(1000円)や「鱧のフリット、胡瓜とヨーグルトソース」(1500円)、「スパゲッティーニ ポモドーロ」(1500円)など多様なジャンルの料理が並び、その日の気分で選べるのが楽しい。「チーズプリン」(600円)、自家製の「ローズマリーミルクアイス」(500円)などデザートが充実しているのは、パティシエ出身の料理人ならでは。パンも自家製でイタリアパンかフランスパンかその日によって違うパンが用意されている。海藻バターやイチジクバターといったユニークなバターも好評だ。(※価格は取材時のもの。都度、内容とともに変更の可能性あり)
ドリンクは圧倒的にワインが人気で、95%のお客が頼むという。ワインのラインナップは、ワインセラーと冷蔵庫と合わせて300本以上。グラスだと1000円~1300円ぐらいの価格が多く、ボトルだと6000円~8000円が多いのだそう。
ワインのコンセプトについて尋ねると、「こだわりとかは特にないんですが、9割9分ナチュラルワインになっています。僕自身が好きというのもありますが、量をたくさん飲むのでクラシックワインだと、少し重すぎるんですよね。結果としてナチュラルワインが多くなっています」と堀本氏は答える。生産地も特にこだわりはないが、生産者に会う機会が多いため、日本産ワインが多くなると言う。「料理もワインもストーリー性を大事にしています。ですから、生産者さんの思いを聞くと、じゃあ12本くださいという感じなっちゃいますね」(堀本氏)。

「カサレッチェ 塩辛青唐辛子クリーム」(1700円)量は2人前。カサレッチェはシチリアのショートパスタ。オイルベースで作っていたものをクリームに変更したところ、「おいしい」と大好評。「また食べたい」との声が高く、固定メニューとなった

「チキンガパオライス」1300円。「dish」の看板メニューを堀本流に再現。サラダのように山盛りになった野菜と共に食べる、ガパオの固定観念を覆すような一皿。ランチメニューとして提供している
店舗データ
店名 | Munu(ムニュ) |
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住所 | 東京都渋谷区笹塚3−9−3 |
アクセス | 笹塚駅から徒歩8分 |
電話 | 070-8575-6712 |
営業時間 | 月~木11:30~14:00、17:00~23:00、金~土17:00~0:00、日・祝14:00~20:00 |
定休日 | 月曜 |
坪数客数 | 15坪18席 |
客単価 | 7000円 |
オープン日 | 2025年5月9日 |
関連リンク | Munu(Instagram) |