新宿御苑に「酒と鉄板 噺（はなし） 新宿御苑店」が開業。神戸の長田風お好み焼きをはじめとする鉄板焼き酒場、スタッフの独立支援を視野に出店するLDWorksの新店舗

DREAM ON、カームデザイン出身オーナー。のれん分けで独立者の輩出を視野に展開

いま、新宿御苑駅近くの「花園町親交会」通りが、にわかに飲食店が盛り上がるエリアとして注目を浴びつつある。「酒と鉄板 噺 新宿御苑店」がオープンしたのもその通り沿い。以前も鉄板焼き店だった場所で、運営のLDWorks代表の夏木氏と前店のオーナーは以前から親交があり、同物件を引き継ぐことになり開業した。

LDWorksは、DREAM ONやカームデザインを経た夏木拓郎氏が2020年に創業。飲食店のチラシなど販促物デザインの事業からスタートし、その後、居酒屋やカフェ、イタリアンを展開。現在、同社では“独立者の輩出”を目標に掲げ、店長への譲渡を前提に出店を行っている。実際に2024年4月には、創業店である東新宿の「炭火と酒と肴 七福八郎」の、立ち上げ時から右腕だったという見上将人氏に譲渡し、独立第一号の輩出を果たした。2023年7月にオープンした中野新橋の「炭火と酒と肴 七福八郎」もそれに続くべく、運営の安定化を目標に独立志望の店長が主体となり営業を行っている。

「念願だった第一号の独立支援を叶えることができたので、当面は出店しないつもりでした」と夏木氏は話す。にもかかわらず出店を決めたのは、前店のオーナーから店舗の引継ぎの打診があったことに加え、店長を務める桑野ヨシキ氏の存在だ。「ヨシキはもともと飲み仲間で、和食などで飲食の経験がある。飲食を始めたものの、一度、飲食業を挫折して辞めてしまったのですが、再び独立を目指したいということで、彼の独立支援ができたら、と考えました。僕自身も一度、飲食業では挫折を経験した。そういう人間がまた独立を目指す時はとてつもなくパワーが出ると知っていたので、出店を決心しました」。

やる気カンパニーの「博多おでんと自然薯 よかよか堂」を筆頭に多くの飲食店が立ち並ぶ花園町親交会の通り沿いの角地。新宿の喧騒から程よく離れつつも、働く人や住民がバランスよく混在し、ポテンシャルの高いエリアだ

鉄板が目の前に見えるカウンター席から、卓上に鉄板が埋め込まれたテーブル席と小上がり席がある。欄間を取り付け、厨房の壁に青いタイルを張るなど印象を変えているが、居抜きの状態から大きく造作はしていない

店舗データ