三軒茶屋に「大衆酒場アダルト」が開業！三茶「豚とバラの日々」、吉祥寺「魚秀」でそれぞれ腕を磨いた2人が独立。上質な料理と、店名からも垣間見えるほどよい“ゆるさ”が魅力

「いつか一緒に店をやろう」出会いから10年越しの夢を叶えて独立開業

「大衆酒場アダルト」があるのは、個性的な店が次々に誕生している三軒茶屋南口エリア。ビル地下に構えるため、道すがらに店内を確認することは難しく、看板に書かれた店名に目を奪われ、興味を惹かれる人も多いはず。それこそが狙いであり、「ノリが良くて覚えやすく、“気になる店”として認識してもらえるのではと思いました」と雲谷氏、辻氏。

雲谷氏は大学生時代のアルバイト経験をきっかけに飲食店の楽しさに開眼。卒業後、他業種を経てもつ鍋店「かね萬 六本木」へ入店した頃には、いつか自分の店を持つことを思い描いていたという。居酒屋業態での出店を希望していたこともあり、フーズサプライサービスへ移り、渋谷「椿堂バル」を経験。さらに同社から分割して設立されたブラボー・ピープルズが開業した三軒茶屋「豚とバラの日々」では店長を務め、営業本部長職を経て退店した。

一方、辻氏はフーズサプライへアルバイトとして入店した際に雲谷氏と出会い、すぐに意気投合。いつか一緒に店を出すことを目標に、ならば違う業態で経験を積もうと吉祥寺の海鮮居酒屋「魚秀」へ入店し、約10年に渡って腕を磨いたという。

物件探しについては「これまでに独立した先輩達の姿を見て、なかなか希望通りにはいかないことはわかっていたので、エリアも特に絞っていませんでした。いい物件があったら、検討しようかなという感じで」と両氏。雲谷氏にとっては慣れ親しんだ三軒茶屋、しかも駅近物件が見つかったことで満を持して独立を果たした。「地下の物件はどうなんだろうと迷いはありましたが、逆に、口コミで評判が広がっていけばいいなと思いました」。

内装については「思っていたよりもおしゃれになってしまって」と苦笑するが、キリンビールのレトロなポスターや、2人で木材を選び、自ら加工したというヒノキのカウンターがアクセントになっている。

ビル地階に構える店舗。初めて看板を目にする人は、「アダルト」の4文字に釘付けに

内装は“レトロ”をテーマに依頼。店内中央の柱に貼られたキリンビールの古いポスターが味わい深い

店舗データ