コロナ禍で手がけたフルーツサンド店から学び、自身の原点である蕎麦屋を開業
「十割蕎麦 天ぷら 相馬庵」があるのは、大型ショッピングモールやタワーマンション、大企業のオフィスなどが建ち並ぶ川崎駅西口から徒歩約5分。これまで東口エリアで店舗展開をしてきた菊池氏は「西口は、人口に対して飲食店が少ないエリア。ずっとこっち側にも店を出したいと思っていました」と話す。
蕎麦屋の息子でもあり、以前から「いつかはやろうと思っていた」という菊池氏がついに蕎麦屋を手がけるきっかけとなったのはコロナ禍だ。多くの飲食店が大打撃を受けた2020年、売上を補填するためにテイクアウト専門の業態として「元祖からあげ本舗 金太郎」と当時大ブームだったフルーツサンド店を立ち上げた。しかし、フルーツサンド店の運営では、「自分はどちらかというと和食が好きで、普段、フルーツサンドのようなスイーツはあまり食べなかったんです。ですので、店や商品をよりよくするためのアイディアを考えるのが難しかった。やはり、自分が好きなもの、熱を込められる店をやりたいと改めて思いました」と振り返る。また、既存店「鮮魚と炉端焼き 魚炉魚炉」が営業再開からすぐコロナ前の売上を取り戻したことで、和食の需要の高さを再認識。日本の食文化を武器に海外進出をという目標を掲げ、ヴィジョンを「川崎の街を面白くする」から「和食を世界へ」へ切り替えた。
蕎麦屋の魅力は、間口の広さにあると菊池氏は考える。「これまでの業態は夜のみの営業でしたが、テイクアウト専門店を始めたことで昼間も家賃は発生しているのに、営業しないのはもったいないのではと気づいたんです。1日中営業できるサイクルを考える中で、昼夜を問わず提供できる蕎麦は汎用性が高いと思いました」。
“「つるとんたん」の蕎麦屋バージョン”をイメージし業態を構想した。客層は近隣で働くビジネスマンや地元住民、ファミリー層や若いカップル、年配客と幅広く、せいろ1枚で済ませる人もいれば、昼間からつまみや酒を楽しむ人もいたりと注文の仕方もそれぞれだ。連日、ランチタイム平均7~80名、ディナー6~70名の来店があり、菊池氏は「事前に設定したペルソナ通りのお客様がいらっしゃっていますね。狙った通りです」と満足そうな表情を見せる。
内装は蕎麦屋をはじめ和食店の暖簾にもよく用いられる“紺色”をテーマカラーにイメージを膨らませ、食器なども同系色で揃えた。「今回は看板に『十割蕎麦 天ぷら』と書いたり、メニューに写真も大きく載せたり、とにかく誰が見ても“蕎麦と天ぷらの店”だとわかるように工夫しました。お客さんに『紺色のお蕎麦屋さん』と認識してもらえるようになったら嬉しいですね」。
店舗データ
店名 | 十割そば 天ぷら 相馬庵(そうまあん) |
---|---|
住所 | 神奈川県川崎市幸区中幸町4-51 |
アクセス | 川崎駅から徒歩7分 |
電話 | 044-511-5454 |
営業時間 | 11:30~14:00(13:30LO)、17:00~22:00 (料理21:15、ドリンク21:30LO)、土11:00~22:30(料理22:30、ドリンク22:00LO)、日・祝:11:30~14:00(13:30LO)、17:00~21:30 (料理20:45 ドリンク21:00LO) |
定休日 | なし |
坪数客数 | 16坪30席 |
客単価 | 1000~5000円 |
運営会社 | 株式会社Sunrise |
オープン日 | 2023年5月8日 |
関連リンク | 株式会社Sunrise(HP) |