飲食店・レストランの“トレンド”を配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム」

ヘッドライン

バイタリティの創業店、馬喰横山「鳥番長」がコロナ禍による不振で業態変更。中華&台湾酒場「番長餃子道」にリニューアルし、以前の月商600万円から850万円にV字回復!

9月28日、馬喰横山に「番長餃子道」が開業した。ギョウザを名物に台湾屋台のエッセンスを加えた中華酒場で、岩田 浩氏率いるバイタリティの新業態だ。場所は、同社の創業店である「鳥番長 総本店」だった物件。同店は新型コロナの影響で以前は600万円だった月商が300万円弱まで落ち込んだものの、今回のリニューアルにより850万円まで伸ばすことに成功している。

創業店「鳥番長 総本店」だった物件をリニューアル。大通りに面した視認性の高い場所で、カラフルな看板が注目を集める
提灯や鳥籠を下げ、台湾で見た屋台の風景を再現した店内。コロナ禍で海外旅行に行けない状況で、まるで異国にいるかのような雰囲気がお客の心をつかんでいる
ギョウザは7種類の薬味を添えて提供。ギョウザのテイクアウトも好評で、近くの系列店「BAR96」への出前の注文も多いという
ディナーの〆や、ランチで人気の「魯肉飯」。ランチ営業も行い、ギョウザ定食や丼ものや麺など700~800円ほどで提供、近隣オフィスのランチニーズに応えている
バイタリティ代表の岩田 浩氏(前列中央)と、「やる気!元気!バイタリティ!」のみなさん

(取材=大関 まなみ)


コロナ禍で唯一売上が回復しなかった「鳥番長」。意を決して業態変更

2008年に創業し、「番長餃子道」を含め現在21店舗を展開するバイタリティ(東京都中央区)。「鳥番長」、「日本焼肉党」、「鶏鬨」、「豚大門市場」はじめ数々の人気店を展開しているが、例にもれず新型コロナの影響を受けたという。「ビジネス街の宴会ターゲットの店が多かったこともあり、一時は当社の多くの店で売上が下がりました。現在はほとんどの店で昨年対比8割までに回復してきています。でも、『鳥番長 総本店』だけはなかなか戻らなかったんです」と岩田氏。「徒歩1分ほどの至近には『鳥番長 小伝馬町店』もあり、そちらの方が好調。開業から11年と長い時間が経ったこともあり、飽きられてしまった面もあるのかもしれない。思い切って業態変更をしようと決めました」と話す。

もともと社内で「ギョウザをやりたい」という声があり、中華業態に決定。しかし、単なる中華ではつまらないと台湾のエッセンスを加えた中華酒場を構想した。「台湾で見た屋台のごちゃっとした雰囲気が好きだった」と、岩田氏が現地で見た屋台を再現しつつ、「楽しくなる、ワクワクする空間」を意識しながらデザイナーと内装を作り上げていったという。

ギョウザや点心はFCやECの展開を見据えてOEMで製造

ウリのギョウザは「番長肉餃子」「番長野菜餃子」(各5個550円)が目玉。ギョウザ自体はニンニク不使用の主張は控えめな味わいだが、ラー油やニンニク、パクチーなど7種類の薬味を添えて提供。それらを自分好みに調合して楽しむことができる。加えて「蒸海老餃子」(1個170円)、「豚焼売」(1個150円)、「青椒春巻」(1個350円)などの点心も用意し、これらは1個単位オーダー可能。ギョウザや点心は自社で開発したレシピを渡してOEMで製造しているが、今後、FCやECの展開を見込んでのことだという。

それ以外にも中華・台湾テイストの料理が充実。スパイスの効いた台湾風唐揚げ「炸鶏排(ザーチーパイ)」(400円)もギョウザに次ぐ人気商品。おつまみとして「干し豆腐 香草和え」(450円)、「棒棒鶏」(550円)、「トンポーロー」(1000円)、「麻婆豆腐」(700円)などの一品料理や、「麻婆麺」「牛肉麺」「海南鶏飯」「XO醤炒飯」(各800円)など麺・ごはんものから「豆花」(450円)などスイーツまで揃う。

ドリンクは「鳥番長」時代と同じく生ビール「ザ・モルツ」(520円)や各種チューハイ、サワー、ハイボール(400~500円)など居酒屋的ラインナップを中心に、「台湾ビール」(小瓶680円)、「甕出し5年 陳年紹興貴酒」(グラス450円、カラフェ2000円)や紹興酒のハイボール「ドラゴンボール」(450円)など中華・台湾らしさのあるドリンクをプラスしている。

台湾が引きとなり女性客が増加。新たな客層を開拓し売上UP

「鳥番長 総本店」の月商は、以前は650万円ほどだったが、コロナ禍で300万円弱に落ちていた。今回の「番長餃子道」にリニューアルをしたところ、今月は850万円を売り上げる見通しだという。客層にも大きな変化があり、「鳥番長」では40代50代の近隣で働く男性サラリーマンが中心だったが、「番長餃子道」になってからは、以前はほぼいなかった女性客が急増中。男性客も含め、全体の客層が20代から30代中心に若返ったという。「中華だけでなく、台湾のエッセンスを加えたことが女性に響いたのかもしれません。このエリアにこんなに女性客がいたのかと私自身も驚いています。コロナ禍によって近隣のサラリーマンが会社近くで飲みづらくなった状況もあり、新たな客層を開拓できたことはよかったですね。これを受けて、来月半ばにはおかゆや台湾スイーツを充実させ、より台湾色を打ち出したメニュー構成にブラッシュアップしていきます」と岩田氏は話す。

コロナの影響で韓国や台湾業態が好調。年内は月島に3店舗出店など意欲的

今後はこの業態と、同社の韓国料理業態「豚大門市場」の展開に特に力を入れていきたいという。「自粛期間中に韓国ドラマが流行ったことや、海外旅行に行けない状況からか、韓国や台湾業態が好調です。『豚大門市場』についてはコロナ関係なく前年よりも好調な売上。デリバリーも韓国料理は特に人気です。来年はFCも含め、ガンガン展開していきたいですね!」と岩田氏。直近では10月に月島に「BAR96 MOON」をオープンしたばかり。さらに12月には、同じく月島で同社既存業態の「魚釜」と「鳥番長」、野菜巻き串の新業態「巻島」の開業を控えている。3店舗とも新築されるタワーマンションのふもとのテナントで、富裕層の近隣住民がカジュアルに使えるような店を目指すという。これからもバイタリティの意欲的な展開から目が離せない。

店舗データ

店名 番長餃子道(ばんちょうぎょうざどう)
住所 東京都中央区日本橋小伝馬町14-8 内田ビル 1F

 >> GoogleMapで見る

アクセス 馬喰横山駅、東日本橋駅、小伝馬町駅から各徒歩3分
電話 03-5651-5366
営業時間 11:30〜24:00
定休日 無休
坪数客数 25坪48席
客単価 昼942円、夜3179円
運営会社 株式会社バイタリティ
オープン日 2020年9月28日
関連リンク バイタリティ 岩田 浩氏インタビュー(記事)
関連リンク 番長餃子道(FB)
関連リンク バイタリティ(HP)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

ヘッドライン一覧トップへ

Uber Eats レストランパートナー募集
Copyright © 2014 FOOD STADIUM INC. All Rights Reserved.