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渋谷に「CIDER SHACK(サイダーシャック)」が開業!造り手の顔が見える、クラフトマンシップを感じるサイダー&クラフトビールを提供するカジュアルパブ

6月1日、渋谷の並木橋交差点付近に「CIDER SHACK」がオープンした。“Wild(野性的)、Real(本物志向)、Natural(自然派)、Artisan(職人的)”をコンセプトに掲げ、「作り手の顔が見える、クラフトなもの」を基準に厳選したサイダー(りんごの醸造酒)とビールを樽生で提供するカジュアルなパブだ。会社員から転身した土肥泰士氏と、サイダーの本場・イギリスでサイダー造りの経験を持つちゃぁりぃ氏の2人が、クラフトカルチャーの啓蒙を目指し立ち上げた。

渋谷駅から恵比寿方面に向かって明治通り沿いを7分ほど、並木橋交差点付近に立地。店名の「CIDER SHACK」は、ちゃぁりぃ氏がイギリスでサイダー造りをしていた際、りんご農園の中の小屋をそう呼んでいたことから命名した
L字カウンターをメインに、DIYでウッディな雰囲気に仕上げた店内。会計はキャッシュオン制
サイダーは自然な味わいや伝統的な造りのものを中心にセレクト。ビール店でよく見かける一般的なタップに加え、イギリス伝統のハンドポンプ式タップも備え、サイダーの特性により使い分ける。ハンドポンプは、以前はイギリスのパブで使われていたものを取り寄せた
タップから注ぐ樽生のほか、ボトルでも様々なサイダーを取り揃える
サイダーのおともとして同店が提案する「たこ焼き」。定番のソースとマヨネーズ以外に、写真の3種の付け合わせ(わさび醤油、ネギマヨポン酢、桜エビとごま油)も選べる(+100円)。サイダーやビールをカジュアルに楽しんでほしいという思いから、フードも馴染みあるカジュアルな品を揃えている
オーナーの土肥泰士氏。「ビールとサイダー、どちらかだけを飲み続けるのはキツイですが、交互に飲めばいくらでも楽しめますよ」とほほ笑む

(取材=大関 まなみ)


会社員から転身した土肥氏、本場・イギリスで醸造を経験したちゃぁりぃ氏の2人で開業

サイダーとは、りんごを主原料とした醸造酒。イギリスではパブの定番として国民的人気を誇るが、日本では、瓶やボトルのサイダーはそれなりに流通するものの、タップから注ぐ樽詰サイダーを提供する店はまだまだ少ない。最近になり樽生でサイダーを出す店が増えつつあり、その中でも注目のひとつが「CIDER SHACK(サイダーシャック)」だ。“Wild、Real、Natural、Artisan”をコンセプトに、クラフトマンシップを大切にしたサイダーやビールを厳選し、提供している。

オーナーは土肥泰士氏とちゃぁりぃ氏の2人。両氏はもともとクラフトビール好きだったという。先にサイダーに魅了されたのはちゃぁりぃ氏だ。「9年前にワーホリでイギリスに滞在していた際、パブでよく飲んでいたのがサイダーでした。帰国後、日本ではサイダーを提供する店がないなと思っていたところ、横浜のブリティッシュパブ『FULL MONTY(フルモンティ)』でサイダーを提供していた。そこで飲むうちに魅力に引き込まれていきました」。やがてサイダー造りにも携わりたいと考えるようになったちゃぁりぃ氏は、親交のあった長野のサイダ ーメーカー「SON OF THE SMITH(サノバスミス)」の人たちから得た情報をもとに、2019年9月に単身イギリスへ渡った。サイダー造りが盛んな地域、イングランド西部のウェスト・ミッドランズ、ヘレフォードシャー州にあるサイダーメーカー 「ROSS ON WYE(ロス オン ワイ)」のサイダーを飲んで感銘を受け、修業を申し入れたところ半年にわたって住み込みでサイダー造りの一連の流れを経験させてもらったという。

一方、土肥氏はコンサル関係の会社で働いていたが、6年ほど前からクラフトビールにハマり、日本各地のブルワリーやビアバーを巡っていくうち、いつしか「ビールの魅力やカルチャーを広げたい」という思いを抱くようになった。知人だったちゃぁりぃ氏の影響でサイダーにも興味を持つようになり、2人でサイダーの魅力を伝えるイベントも企画するなど精力的に活動。また、会社勤務の傍ら、週末は埼玉・戸田の「Craft beer & Bistro Dining O’VAL」に勤務し、飲食店のいろはを学んでいた。ちゃぁりぃ氏がサイダー造りの修業を終えて帰国するタイミングで、2人でサイダー専門店を開業しようと決めた。

物件は、以前、土肥氏の知人がカレー店を営んでいた場所で、カレー店は移転して物件が空くからここで店をやらないかと打診があったという。「サイダーという日本ではまだ新しいカルチャーを発信するには都心がよかった」と考えていた土肥氏。10坪ほどの広さや、きれいな長方形のかたちであることや、明治通り沿いの視認性のよさなどが気に入り、契約に至った。

13タップのサイダーとビールを提供。イギリス伝統のハンドポンプで注ぐものも

店内には合計13タップを備え、おおよそサイダーとビールを半々ずつの割合で繋いでいる。サイダー、ビールともに「生産者の顔が見える、クラフトなもの」を重視しながら銘柄を樽替わりでセレクトし、一律グラス800円、パイント1100円 。ビールでは、彼らにとって馴染み深いという「大山Gビール」「松本ブルワリー」「TDM 1874 Brewery」の3メーカーの銘柄は常設。サイダーは、ちゃぁりぃ氏の修業先「ROSS ON WYE」や、「Son of the Smith」 をはじめ、その時々で国内外の銘柄をセレクトしている。「コンセプトに掲げた“Wild、Real、Natural、Artisan”に合わせ、余計なものを加えない自然な味わいのものや、リアルサイダーと呼ばれる野生酵母を使った伝統的な造りのものなどを中心に選んでいます。日本で流通している樽詰サイダーはまだまだ少ないですが、その中でも、しっかりと当店のポリシーに沿うものだけを見極めて厳選しています」と土肥氏は話す。樽詰以外にも、店内のショーケースに缶や瓶、ボトルのサイダーやビールも揃えている。

サイダーやビールを注ぐタップは、一般的なビールタップに加え、イギリス製のハンドポンプのタップも備えているのが特徴だ。一般的なタップはガスを使って液体を押し出すことで注ぐのに対し、ハンドポンプはポンプの圧力で液体を押し出す仕組みで、同店では一部のサイダーを注ぐのに使用している。「ハンドポンプはガスでなく自然な空気で液体を押し出すので、やわらかくマイルドな味わいになり、香りも引き立ちます」とちゃぁりぃ氏は説明する。

フードは「チョリソの鉄板焼き マッシュポテト添え」(700円)、「RossのCiderを使った自家製ピクルス」(600円)、「紫のコールスロー」(300円)など、旬の野菜を多く取り入れた品をちゃぁり氏が手作りする。また、最近オンメニューした「たこ焼き」(600円)も、サイダーのおともの新名物として推していきたいという。

造り手の顔が見える酒を楽しむカルチャーを啓蒙。サイダーの自家醸造も夢見る

本来、オープンは4月ごろを計画していたものの、新型コロナの影響で延期とし、その間は土肥氏とちゃぁりぃ氏でオンラインイベントなどを企画しアピールを行っていた。6月に入り晴れてオープン、当初は知り合いを中心に集客しながらも、徐々に近隣の人々や噂を聞きつけたサイダー目当て、ビール好きも訪れているという。「造り手の顔が見えるお酒を楽しむカルチャーを広めたい、これが当初からの理念で、店の開業はあくまでその手段のひとつ」と土肥氏。ちゃぁりぃ氏は「いつか自分のりんご農園を持ち、サイダー造りにも取り組みたい」という夢を語った。

店舗データ

店名 CIDER SHACK(サイダーシャック)
住所 東京都渋谷区東1-27-9奥山ビル1F

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アクセス 渋谷駅から徒歩7分
電話 03-6450-5680
営業時間 【平日】17:00~24:00【土日祝】15:00 - 24:00
定休日 不定休
坪数客数 10坪10席
客単価 2000円~
オープン日 2020年6月1日
関連リンク CIDER SHACK(Instagram)
関連リンク CIDER SHACK(FB)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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