独立前は店舗流通ネットの営業マンとして、様々な飲食店経営者と関わる
飲食店を中心とした不動産事業を行う店舗流通ネットの営業マンだった、独立前の亀井氏。数多の店づくりに携わり、様々な飲食店オーナーの考えに触れていくうちに、自身も飲食店経営者として独立したいという思いが胸に芽生えてきた。亀井氏は「当時は営業職で、物件をお客様(飲食店経営者)にご紹介する仕事に携わっていました。そこで聞いたお客様の経営方針や資金繰りのノウハウなどは、独立した今も非常に役立っています」と語る。同社での勤務が10年目を迎える頃、亀井氏は先輩からの引継ぎで恵比寿横丁を担当。その中で、売上や経費などの数字が見えていたことから勝算を感じた亀井氏は、自身が「串あげぶるどっく」の経営を引き継ぐ意思を固め、店舗流通ネットを退社。2017年、同店で独立を果たした。
独立1店舗目は坪売り120万円超の繁盛店となり、次の展開へと進む
恵比寿横丁という立地の良さと、前職で得た豊富な知識を活かし、独立後も勢いよく売り上げを伸ばしていった亀井氏。16席の店舗は坪売り120万円以上で推移し、次の店舗の展開も視野に入れるようになる。「今年に入ってから、今回の出店の話が舞い込んできたんです」と、亀井氏。新型コロナウイルスのニュースが世間に広まりつつある時期だったため判断に迷ったが、舞い込んだチャンスを次につなげることを優先し、出店することを決断。折しも緊急事態宣言発令後の時期を開業準備に充て、店舗のコンセプトを熟考するなど慎重に進めることができた。そして5月25日、「炉端 あいなる」の開業に無事、こぎ着ける。
スタッフの特性を活かしたメニュー構成で、界隈の店舗との差別化を図る
今回の業態は、炭火焼き店で勤務していた店長・池上良氏の希望を受け入れる形で決めた。亀井氏は、「私自身、料理は素人なので、スタッフの得意分野が活きる形で勝負しようと考えました」と、語る。当初、焼鳥店を考えていたが、界隈をマーケティングし、競合の多さを察知。そこで、炭火焼きというコンセプトは守りつつ、肉や魚、野菜とメニューバリエーションに拡張性があり、単価アップも期待できる炉端焼きを業態に選んだ。
看板は、池上氏が焼き上げる「鴨ロース」(880円)や「松坂ポークの肩ロース」(1250円)、「野菜の炭火焼き盛り」(720円)といった炭火焼きだ。定番に加えて旬を意識した日替わりの品も用意して変化を出し、お客の常連化を図る。また、卓に七輪を置いてお客が炙るスタイルの「店長お勧め干物盛り」(890円)は酒呑みへの定番に、「本日の混ぜ御飯」(1480円)は食事の〆にと、お客の利用シーンを想定して幅広く対応できるメニューレパートリーだ。
ドリンクは、食事と合わせるだけでなく、深夜帯にバー使いをしたいお客のニーズにも応えるべく、「十四代」(グラス800円)や「七賢 純米大吟醸 絹の味」(グラス630円)といった全国の酒蔵から取り寄せている日本酒や、「響」(1340円)や、「白州」(980円)などのウイスキー、インポーターとともに厳選したワイン(グラス550円~、ボトル3200円~)などを目玉商品にし、酒そのものだけでも楽しめるようなラインナップを意識。そのほか、「エビス ドラフト」(630円)や「サッポロ 赤星」(690円)といったビールや「ハイボール」(580円)、「生レモンサワー」(580円)「梅酒」(580円)など、定番ドリンクも用意している。
多くの店舗の栄枯盛衰を目の当たりにした経験が、今後の自社の方向性に結び付く
今後の店舗展開については、単一業態ではなく自社のスタイルと出店場所に合わせてフレキシブルなスタイルで進めていきたいと亀井氏は語る。「大規模展開も戦略的にはひとつの正解例で魅力があると思いますが、やはりリスクは大きいスタイルです。店舗流通ネットにいた頃、そういった展開の成功例、失敗例をたくさん見て『大規模展開よりも自分に合うスタイルがあるはず』と感じていました」と、亀井氏。自社スタッフの得意分野や希望をどんどん取り入れ、長期間続く店舗を出店していく考えだ。
店舗データ
店名 | 炉端あいなる |
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住所 | 東京都渋谷区恵比寿西1-7-13 1F |
アクセス | JR恵比寿駅西口から徒歩1分 |
電話 | 03-6809-0666 |
営業時間 | 【月~木・日】17:00〜24:00(L.O. 23:00)、【金・土・祝前】17:00〜28:00 (L.O.27:00) |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 11坪 30席 |
客単価 | 4500~5000円 |
運営会社 | 株式会社DAYS&Company |
オープン日 | 2020年5月25日 |
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