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グローバルダイニング出身2人組が新宿六丁目にネオ大衆居酒屋「新宿 六」を開業。居酒屋不毛の穴場立地でヒット!

2019年11月18日、新宿六丁目に「新宿 六」がオープンした。和食のつまみを中心にビールやサワー、日本酒などを取り揃える気軽な大衆居酒屋だ。新宿三丁目駅、新宿御苑駅からそれぞれ徒歩5分以上の東京医大通り沿いに立地。人通りもまばらな飲食店の少ない場所だが、実は小規模なオフィスが多くビジネスホテルも点在。そこに潜んでいた需要をうまく捉え、近隣のビジネスマンを中心に集客しにわかに話題となっている。運営はSECONDでグローバルダイニング出身の2人組、代表の中村健人氏と料理長の小林秀明氏による独立1店舗目だ。

ガラス張りで視認性の良い外観。わかりやすいロゴ入りの提灯と看板で店名も印象に残る
明るく開放的な店内。カウンター席、テーブル席、個室が揃っているため、様々なシーンで利用できる。店内奥には4名収容の隠れ個室を備える
日替わりの鮮魚を用意する「刺身3点盛り」(1380円)。天ぷら、刺身などの料理にも小林氏の腕が光る
あふれんばかりのイクラを贅沢に盛り付け、写真映えも抜群な「ミニいくら丼」は数量限定の人気メニュー
ファイティングポーズでキメる代表の中村健人氏(左)と総料理長の小林秀明氏(右)。2人のコンビネーションの良さが伺えるInstagramのストーリーズも要チェック

(取材=福井 晶)


「カフェ ラ・ボエム」出身の2人が居酒屋業態に挑戦

「新宿 六」を運営するSECOND(東京都新宿区)は、代表の中村健人氏と料理長の小林秀明氏の共同経営。2人はグローバルダイニング(東京都港区、代表取締役社長:長谷川耕造氏)運営のイタリアン「カフェ ラ・ボエム」で20代前半のアルバイト時代に出会った。「同じ店で働いた期間は短かったのですが、ウマが合ってよく一緒に飲食店を巡ったりしていましたね。お互い独立を考える中で、自然に共同経営という形になりました」と中村氏。同氏は桜新町と新宿御苑の「カフェ ラ・ボエム」でアルバイトとしてキャリアをスタートさせた後、質屋の営業職へ転職。1年後、再び飲食業界に惹かれて新宿御苑の「カフェ ラ・ボエム」に社員として舞い戻り、3ヶ月で店長に。エリアマネージャーや渋谷店の店長を務める中で店舗運営を学んだ。

小林氏は居酒屋や和食店の料理人を経て「イタリアンを学びたい」との想いから、アルバイトとして新宿御苑の「カフェ ラ・ボエム」に入社。その後、料理長を任され、銀座店や麻布十番店と合わせて7年間活躍。両氏はそれぞれのポジションに必要なスキルを得て、ほぼ同時期に退職。独立へ踏み出した。

イタリアンで長く経験を積んだ2人だが、独立1店舗目として居酒屋業態を選んだ。「もともと居酒屋が好きだったというもありますが、料理長のこれまでの経験をフルに活かし、ジャンルに捉われずお客様のニーズに合わせた料理を提供し、ターゲットを広く設定できるのが大きな理由です」と中村氏は話す。

内見1件目で即決。エリアのニーズをうまく捉えた店づくり

出店エリアは当初、西荻窪、新橋、新宿三丁目周辺を検討していたが、物件をピックアップする段階で予算に合う場所が見つからず、断念。希望エリアを広げ、内見1件目で決めたのがこの店だったという。「通り沿いに競合になりそうな居酒屋が少なく、家賃も手ごろだった。家賃で苦しむより細々と長く営業しようと考え、ここに決めました」と小林氏。駅からやや離れており、人通りも少なく見える立地だが、近隣マンションをオフィスとしている社員数10名程度の小規模な会社がひしめき、ビジネスホテルも点在するエリアだった。少し先には大手ゲーム会社の本社もあり、近隣に勤めるビジネスマンのランチや飲みのニーズが想像以上に多かったと、営業を始めてから気づいたという。

物件は、オーナーシェフが1人で切り盛りしていた元イタリア料理店を居抜きで契約。ガラス張りの開放的な空間を活かし、カウンターやテーブルは塗装を施してそのまま使用している。洗い場だった場所は4人用の隠れ個室に作り変えた。

得意の肉料理が評判。ランチ客を掴みディナーに繋げる

料理のラインナップは、2人が美味しいと思う、食べたいメニューをジャンルレスで揃える。レギュラーメニューとして、半熟卵がのった「六 ポテサラ」(480円)、「トロたく」(680円)、「やみつき冷奴」(380円) 、「本日の刺身」(1点480円、2点980円)居酒屋定番の品から、「紅しょうが天」や「カマンベール天」(各480円)の天ぷら、「六のアヒージョ」(780円)といった洋風メニューなどを揃える。また、肉の火入れを得意とする小林氏自慢の「プライムビーフステーキ」(1980円)や「しっとり鴨と焼き葱の低温調理」(880円)も人気で、「塩麹からあげ」は同業者からレシピを尋ねられるほどの味わいだという。〆料理には、1人一個の注文をおすすめする「イクラのミニ丼」(880円)や、「からすみそば」(680円)などインパクトのある料理が並ぶ。またランチも評判で、豚の肩ロースを低温調理した「厚切り豚生姜定食」(800円)や「塩麹唐揚げ定食」(800円)などでオフィスワーカーの胃袋を掴み、ディナー客として再来店する成果も見られるという。

ドリンクは居酒屋らしいラインナップで、「自家製レモネードサワー」や「ジャスミンハイ」などサワー・チューハイ類は各480円、「ハイボール」や「自家製アップルハイボール」は各380円と一杯500円以下に価格を設定。キリンビールの簡易クラフトビールサーバー「タップマルシェ」を備え、クラフトビールは一杯660円で提供。日本酒は恵比寿のムライ酒店のセレクトにより、飲みやすいものから限定ものまでをバランスよく仕入れ、グラス800円から、一合1080円から揃える。

新型コロナウイルスの影響下でも、人目を避けられる個室予約が急増

「ありがたいことに、近隣で働く方から『こんな店が近くに欲しかった!』という反応をいただきます。新型コロナの影響で一時は夜の客足が落ち込みましたが、コロナ禍では人目を避けられる隠れ個室目当ての予約が急増しました。この個室がなかったら潰れていたかもしれません」と中村氏。現状、客単価は3500円から6000円ほどで、サク飲みのひとり客からゆっくり食事を楽しむグループ客までを幅広くキャッチ。ランチタイムは1日に10人以上のお客を断るほどの人気をキープしつつ、夜の客足も徐々に戻りつつある。緊急事態宣言解除後は、飲み放題付き店舗貸切プランを、14人までなら人数無制限でお値打ちの5万円で打ち出し、予約が相次いでいるという。

今後は様子を見ながらメニュー数を増やし、自粛期間中に開発したメニューも加えて、店のパワーアップに尽力していく予定だ。中村氏は「将来的にはパスタ専門店や焼肉店など、いろんな業態を立ち上げたいです。徐々に良物件が空きはじめる中で、次の勝負を見据えてしっかり地盤を固めていきたい」と意欲的に語った。

店舗データ

店名 新宿 六
住所 東京都新宿区新宿6-4-2 コスモス新宿18 M1F

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アクセス 新宿三丁目駅から徒歩5分、新宿御苑前駅から徒歩8分
電話 03-6384-1748
営業時間 【月〜金】ランチ11:30~15:00(LO14:30)、ディナー17:30~00:00(LO23:00)【土祝】 17:30~00:00(LO23:00)
定休日 日曜
坪数客数 13坪22席(カウンター8席、テーブル10席、半個室4席)
客単価 3500円〜6500円
運営会社 株式会社SECOND
オープン日 2019年11月18日
関連リンク 新宿 六(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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