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根津にビストロ「Cise」がオープン。新富町「Coulis」出身シェフが地元・北海道産素材を取り入れながら、枠にとらわれない自由な料理&酵母から自家製の本気のパンで勝負

4月11日、根津に「Cise」がオープンした。新富町の「Coulis」で9年半にわたり経験を積んだ宮武郁弥氏による独立店舗だ。地元・北海道の素材を多用しながらフレンチをベースに自由な発想で作られる料理に、酵母から自家製するベーカリー顔負けのパン、そしてワインをウリにしたハイクオリティかつカジュアルなビストロだ。閑静な住宅街ながらも口コミが広がり人気を集めている。

上野動物園の裏手側、閑静なエリアに佇む。元はベーカリーだった物件を居抜きで取得した
入口付近はL字のカウンター席。一段低い店内奥にはテーブル席も配置する。ヴィンテージ家具を置き、ナチュラルテイストにまとめている
「ズワイガニのフォー」(1800円)はカニ出汁にナンプラーを加えたフォー。フレンチ、イタリアンにとどまらずエスニックなアレンジを利かせたユニークな料理を提供する
「海老とオクラと青唐辛子の水餃子」はハーブで香り付けした餡を包んだ水餃子に、ナッツやレーズンが入った自家製ラー油をかけた一品
パンは常時4~5品を用意。パンのテイクアウトのみの利用も可能、3日間熟成させもちっとした食感の「食パン」(400円、テイクアウト価格)、「赤糖のフォカッチャ」(350円、テイクアウト価格)など
オーナーの宮武郁弥氏。新富町「Coulis」で9年半修業し、33歳で独立した

当初は「イヤイヤやっていた」というパン作り。奥深さに気づき独学でのめり込む

オーナーの宮武郁弥氏は大阪の辻調理師専門学校を卒業後、神戸のイタリアンから料理人としてキャリアをスタートさせた。2年ほど経った頃、一度は飲食を離れて営業職に就くものの、飲食の楽しさが忘れられず再び戻ることに。その際、辻調つながりで紹介されたのが「Coulis(クーリ)」だ。産地直送の野菜を使った料理が評判で、“裏銀座”とも称されるグルメエリアの新富町の名店として知られている。

宮武氏は同店オーナーシェフの折笠龍馬氏のもと、オープニングスタッフとして開業準備から携わり、合計で9年半にわたって活躍した。「『Coulis』では料理だけでなく接客も担当し、お客様の顔が見えることにやりがいを感じました。夏季には、長野県にあるブドウ畑とワイナリーを併設したレストラン『ヴィラデストワイナリー』に研修に行くなど、料理だけにとどまらない多くの経験。ワインも学び、ソムリエの資格も取得しました」と宮武氏は振り返る。

「Coulis」時代、宮武氏がもっとものめり込んだのがパン作りだ。「最初はイヤイヤやっていたのですが(笑)、発酵や粉選び、加水率などで全く仕上がりが変わるのが面白く、次第にその奥深さにのめり込んでいきました」と、独学で研究を重ねていった。

ベーカリー色を打ち出すため、親和性の高い住宅街で物件探し

やがて得意のパンをウリにしたビストロの開業を思い描くようになった宮武氏。数年にわたりゆっくりと物件を探し続け、見つけたのが根津の閑静な住宅街にある同物件だ。「ビストロであると同時に、テイクアウトでパンを販売するベーカリーとしての機能も打ち出したかったため、立地はベーカリーと親和性の高い住宅街で探していました。住宅に囲まれたここなら、近隣住民に加え、動物園や美術館がある上野からも近く、そこからも集客できると考えたんです」と宮武氏。

北海道素材を多用したジャンルレスな料理と、高加水・自家製酵母・道産小麦のパンを提供

宮武氏は北海道別海町出身。店名の「チセ」とは、北海道のアイヌの言葉で“家”の意であることからもわかるように、郷土愛から“北海道”をひとつのテーマとしている。料理には多くの北海道産の素材が使われるほか、北海道で作られるワインも用意。さらに、パンはすべて北海道産の小麦粉を使用しているのがこだわりだ。

何よりの見どころは宮武氏の自由な発想で作られる料理。フレンチをベースにしつつも、ジャンルにとらわれず「美味しいと思うもの」を提供する。内容は季節替わりで、ディナーでは約15品を用意。「沖縄県産金目鯛のポワレ」(1800円)、「千葉県産豚肩ロースの低温ロースト」(1600円)など骨太なフレンチの定番に加え、遊び心のある品も多数。例えば「海老とオクラと青唐辛子の水餃子」(850円)は、豚肉ベースに海老、オクラを加えレモングラスやコブミカンで香り付けした餡を包んだ水餃子に、ナッツやレーズンがゴロゴロと入った自家製ラー油をかけたもの。また、「根室産ウニと大葉のジェノベーゼ」(1800円)は、単にジェノベーゼのバジルを大葉に代えて和風アレンジにとどまらず、冷や汁を添え、つけ麺のように楽しむというひねりの効いた一品だ。アラカルト以外にも、3800~4500円でおまかせコースにも対応する。

もう一つの目玉であるパンはすべて酵母から自家製。高加水ゆえに手ごねで仕上げ、もっちりとした食感に仕上げているのが特徴だ。バゲットやフォカッチャ、食パンやチャバタなど食事に合うプレーンなものを日替わりで3~5品焼き上げる。ディナーでは「パン3種盛り合わせ」(1人前600円)として提供するほか、終日テイクアウトでの購入も可能だ。

ドリンクはワインがメイン。宮武氏とソムリエの資格を持つスタッフで選んだものをグラス750円~、ボトル3800円~で用意する。その他、「キリン ラガー(小瓶)」(600円)、「自家製レモンサワー」(850円)など。

人通りの少ない立地ながらも近隣住民から支持される。酒販免許取得も視野に

現在は、近隣に住むアッパー層を中心に集客。加えて、口コミが広がり遠方から訪れるお客も増えているという。「当初、周囲の人から人通りの少なさは心配されました。ですが実際に開業してみると、近隣の方からは『こんな店を待っていた』と言われることもあり手ごたえを感じています」と宮武氏は話す。

今後については酒販免許を取得し、ワインを卸売価格で仕入れてお客様にリーズナブルに提供したい考えだ。「ここが軌道に乗れば、もう1店舗やりたいですね。次は、例えばよりお酒に特化したバー的な店や、料理に特化した店など、違ったかたちで表現できれば」と宮武氏は話す。

(取材=大関 まなみ)

店舗データ

店名 Cise(チセ)
住所 東京都台東区池之端3-4-19
アクセス 根津駅から徒歩5分、京成線上野駅から徒歩8分
電話 03-6884-1989
営業時間 12:00~15:00(LO14:30)18:00~23:00(LO22:30)
定休日 不定休
坪数客数 15坪16席
客単価 ランチ1500円、ディナー6000円
オープン日 2019年4月11日
関連リンク Cise(FB)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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