スペインバルブームを牽引した高田馬場の大繁盛店「TAKADAnoBAR」跡
地元の学校で学び、卒業後は家具企業で働いていた岐阜県出身の小倉氏にとって飲食業界はまったく縁もない世界だったいう。20歳の時に漫画家を目指して誰も知る人もなく土地勘もないまま上京したことが現在へと繋がる。先ずは居酒屋でのアルバイトから始まった飲食への道。そこでビールくらいしか知識のなかったお酒へ興味を持ちバーの世界へと進んだのだ。銀座の「日比谷バー」で研鑽を重ねるなかで湯島での出店を誘われた。しかし時期尚早との思いと湯島のマーケットを知るため、先ずは湯島のバルで開業を目指しスキルアップに励んだのだ。結局は湯島での開業は実現させなかったがそこでの体験は現在に反映されているという。
その後、自力での開業に向け、物件を探しながら銀座のカジュアルバーなどでのバーテンダー修行。デリバリーサービスのUberEats(ウーバーイーツ)でエリアのリサーチも兼ねた配達アルバイトで見聞を広げてきた。そして土地勘のない高田馬場で出会ったのが現在の物件だ。リサーチの結果と自己資金に見合った規模に加え、スペイン風の内装を施した環境も気に入り開業を決めたという。同店がかつてスパインバルブームを牽引した高田馬場の大繁盛店「TAKADAnoBAR(タカダノバル)」跡(2008年〜2015年)と知ったのはオープン後に聞いてのことだった。
バーフードのおすすめは常時5、6種類を用意する自家製ホットサンド
カウンターに重なるように並ぶ国内外のクラフトジンのボトル。ボタニカルなどのイラストが描かれたエチケットはどれもアーティスティック。テイストをそのままイメージさせるのも少なくない。因みに小倉氏の好みは動物のイラストだそうだ。呑み方はロック、ソーダ(600円〜)など好みで提供。クラフトジン初心者や一杯目におすすめなのが「本日のジントニック」(600円)。ジンに添える専用の調理器具で乾かす自家製のドライフルーツは常時12種類あり、ジンのタイプに合わせ選ぶという。フレッシュなフルーツで作るフルーツカクテル5、6種類(1050円〜)をはじめスタンダードカクテル(600円〜)が揃う。ウィスキーは590円からとリーズナブルだ。バーフードのおすすめは常時5、6種類用意する自家製ホットサンド(590円〜)で「アボカドとトマトのわさびマヨ」など。ホットサンドは「ホットサンドヒサカ」としてUber Eatsに登録しデリバリーサービスを行っている。ホットサンドとドライフルーツ(350円)はテイクアウトも可能だ。チャージは300円。
12時から緩やかに店を開け励む店主小倉氏は進化系バーを牽引する期待の27歳だ
オープンから4ヶ月、「Bar hisaka」は高田馬場でクラフトジンが楽しめる大人の店として認知も広まり営業も順調という。学生の街らしい店が多い高田馬場のなかで、大人をターゲットにするバーの可能性やニーズの高さを実感した小倉氏はすでに2軒目の出店も視野に店名候補も決めている。小倉氏の出身地の岐阜県揖斐郡久瀬村(現在は揖斐川町として統合)日坂に由来する店名「ひさか」に続く故郷の地区名だ。消滅してしまった久瀬村の名前の記憶とまだ残る幾つかの地区名を大切にする想いと多く人に知って欲しいからという。さらに行く先に考える多店鋪展開にもその想いは反映する。12時から緩やかに店を開けクラフトジンの魅力を啓蒙する店主小倉氏は進化系バーを牽引する期待の27歳だ。
店舗データ
店名 | Bar hisaka(バー ヒサカ) |
---|---|
住所 | 東京都新宿区高田馬場2-7-12ふじ荘 |
アクセス | JR高田馬場駅から徒歩5分、東京メトロ高田馬場駅から徒歩3分 |
電話 | 03-6262-6314 |
営業時間 | 12:00〜23:30 |
定休日 | 木曜 |
坪数客数 | 4坪6席 |
客単価 | 2500円 |
オープン日 | 2019年2月15日 |