「Tamaya」出身の音成氏と「よし邑」出身の2人が手を組み、ワイン×和食の店舗を作る
オーナーの音成氏は、もともとは異業種の仕事をしていたが、周囲にワイン好きが多かったことから、ワインに開眼。上野や八丁堀などを中心に人気のワイン厨房「Tamaya」を運営する株式会社Tamaya(東京都文京区)に入社し、研鑽を積んだ。音成氏はソムリエとしてワインに携わる中で、和食とワインの相性の良さに着目し、いつしかこの2つをコンセプトとした店を開業できれば……と考えるようになった。
一方の金澤氏は、青森県出身。地元の日本料理店で修業を積んだのち、上京。和食の名店として知られる板橋・蓮根の「よし邑」で、さらにみっちりと技術を学んだ。現在、店舗で看板料理にもなっている「八寸」も、そこで感銘を受けた一品だ。
かねてから友人だった2人は、互いの得意とすべきことを合わせて理想の店舗づくりをすべく、手を組んで開店に至る。
店名の「こへると」は、金澤氏の故郷・青森県の言葉で「モノを作る、こしらえる」という意味の「こへる」。そこに、音成氏の故郷・福岡県で語尾につける「~と」を合わせた造語だ。「絶対に他の店とかぶらない言葉にしたかったんですよね」と、笑う。
月替わりの和食に合わせ、ワインのラインナップにも変化を加える
店舗は、下町情緒が残る、のんびりとした浅草に合わせて、格式ばった高級和食の雰囲気ではなく、肩肘張らない空間作りに努める。「本格的な和食とワインを、気軽に楽しんでもらえれば」とは、2人共通の思いだ。店内は温かみのある木のカウンターやテーブル、落ち着いた照明でさながらバーのよう。
食事は、コース(5000円~)とアラカルトどちらでも対応可能。献立は旬の素材を取り入れながら月ごとに変えている。金澤氏渾身の一品は、「八寸」(1300円※アラカルト価格、以下同)。「修行時代に『よし邑』で目にした八寸は、本当に美しくて素晴らしかった。自分の店では絶対にやりたいと思っていたんです」と語る。金澤氏自身が選んだ滋賀県の陶器・信楽(しがらき)焼の皿で提供。その他、「桜鯛山吹焼」(1200円)や「あさりと春菊の酒蒸し」(900円)、「季節野菜の天ぷら」(1200円)など、焼物、煮物、揚物が揃う。
もう一つの目玉であるワイン(グラス800円~、ボトル3900円~)は、敢えてリストを作らず、常にラインナップを変えながら30~40種を用意。月替わりの献立に合わせて、ワインも料理と同様、月ごとに変更している。毎月必ずインポーター同席で試食会を行い、ラインナップを吟味。フランスワインやイタリアワインなどの王道から、アメリカやメキシコ、日本など、色々な産地のものを赤、白、スパークリングとまんべんなく揃えている。音成氏は「かっちりペアリングを謳っているわけではなく、お客様の好みや気分に合うもので、楽しく飲んでほしいと考えています」と語る。また、ビール(アサヒスーパードライ・エビスともに中瓶700円)や各種サワー(600円~)、ハイボール(600円~)、本格焼酎(芋・麦・米600円~)、日本酒(800円~)と、ワイン以外のラインナップも豊富だ。
「人・サービス」を最も重要視し、長期的な店舗経営を目指す
今後は、店舗を増やすことよりも「細く長く、お客様に愛されるお店にしたい」と、音成氏。現在も料理の腕やワインの知識の研鑽を積み、常に店をアップデートしているふたり。いつかきっと、老舗と呼ばれる日が来ることだろう。
店舗データ
店名 | 和食とワイン、酒 こへると |
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住所 | 東京都台東区浅草3-9-10キャピタルプラザ浅草104 |
アクセス | 都営浅草線・つくばエクスプレス線浅草駅から徒歩10分 東京メトロ銀座線浅草駅から徒歩16分 |
電話 | 03-6802-3852 |
営業時間 | 18:00~24:00 |
定休日 | 水曜 |
坪数客数 | 20坪 17席 |
客単価 | 7000~8000円 |
オープン日 | 2019年1月23日 |
関連リンク | こへると(Facebook) |