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代田橋に「茶割ダイナー Do the Boogie」がオープン。お茶割り×アメリカンダイナーをフックに街のコミュニティスペースを目指す

代田橋駅から徒歩3分。甲州街道沿いの路面店で、大きな窓があり店内もよく見える
黒と赤が基調の内装。代田橋駅周辺には稀少なゆったりとした空間
「凍頂烏龍茶のブランデー漬け」の炭酸割りと「ラムのアンチャンティー割り」。アンチャンティーは美容にもよいと言われ女性にも人気
「DTBハンバーガー」。バンズに混ぜる茶葉は、ほうじ茶など数種類を試して抹茶にたどり着いた
代表の樋口恭平氏

(取材=福井 晶)


京王線代田橋駅から徒歩3分。11月15日、甲州街道をまたぐ歩道橋横に「茶割ダイナー Do the Boogie」がオープンした。同店は幡ヶ谷で日本酒バー「秋田純米酒場 TOKYO ROSIE」を運営する樋口恭平氏による2店舗目。「ラム×そば茶」や「ジン×ジャスミン茶」など、200種類以上のバリエーションが楽しめる「茶割」を主軸にアメリカンダイナーとして展開。お茶と洋酒、組み合わせの妙による“非日常”と、日本人に馴染深い茶割りの“日常”の要素を兼ね備え、地域住民を引き寄せる。

デザイナーから飲食店経営にシフト

樋口氏は学生時代にアルバイトでバーテンダーを経験。グラフィックデザイナーとして就職、独立後、新宿のゴールデン街でバーを間借りして「恋ヲしようよ」をオープン。同時並行して幡ヶ谷で「秋田純米酒場 TOKYO ROSIE」を運営し、デザイン業と飲食業の二足のわらじを履いてきた。同氏は「茶割ダイナー Do the Boogie」のオープンについて「現在4年目の『秋田純米酒場 TOKYO ROSIE』は5坪の小さな店。幡ヶ谷は地域のコミュニティもしっかりしていることもあり、開業から1年で店の運営スタイルが確立しました。それなら共同経営者の佐々木に店を任せて、新しい業態の店にチャレンジしたいと考えました」と語る。オープンに際して間借り営業の「恋ヲしようよ」を終了。これを機に本格的に飲食業に比重を置いて稼働する。

元バイク屋の物件を安価で改装

店舗物件は当初、「秋田純米酒場 TOKYO ROSIE」と同様1人で切り盛りできる広さを希望していた。立地は幡ヶ谷から近い代々木上原や代々木八幡を希望したが、なかなか思うように見つからず、条件を広げて探したところ、代田橋で思いがけず大箱の物件を紹介された。元はバイク屋で、ガレージと2階部分を含めて30坪。想定とは異なったが、駅からのアクセスの良さ、家賃の低さから即決したという。
ほとんどがDIYだという店内は、バーカウンターなど最小限の内装のみ業者に依頼。残りは馴染みの常連客の協力も受け、自分たちで完成させた。2階部分は貸しスペースとしてギャラリーに、バイク屋の名残であるガレージ部分は、今後、中に屋台を作ってコンセプトの異なる飲食店を営業する予定だ。
「せっかく広いので、飲食店に終始するのではなく、遊び心を加えて余白を楽しみたいです。店内にDJブース、プロジェクターもあるので、いろんな形で使ってもらえたら」と樋口氏。この数カ月で、結婚式の二次会、サックスの発表会の会場にも利用されている。

茶割りとアメリカンダイナーの要素を掛け合わせたギャップが魅力

コンセプトの“茶割”は樋口氏がお茶割りしか飲まないことに由来。同氏は「世界中にこんなにお茶の種類があるのに、お茶割といえば、ウーロンハイ、緑茶割りしかありません。もっとバリエーションがあれば、という個人的な想いから生まれました」と話す。さらに組み合わせの面白さから、駅周辺になかったアメリカンダイナーの要素を加え、“茶割ダイナー”の業態が完成。意外性をフックとしながら、毎日飲んでも飽きのこない“茶割”、ディナー需要にも応える“アメリカンダイナー”で近隣住民をキャッチ。駅周辺や至近距離にある商店街からのハシゴ客も逃さない。

ラムやジンなど、洋酒で割る「茶割」が人気

「お茶割りは焼酎しかない先入観も払拭したかった」と語る樋口氏が提案するのは、焼酎の他にラムやジンなど13種類の酒と10種類以上のお茶を自由に組み合わせて飲める「茶割」。アイスが500円、淹れたてのホットが600円の均一価格。注文に迷うお客には、専用のサイコロを振ってもらい組み合わせを提案する遊び心も。中でもラムとそば茶、ジンとジャスミン、「凍頂烏龍茶のブランデー漬け」を炭酸で割る「ウーロンハイボール」などが人気だ。また、ドリンクメニューは「茶割」をメインに据えながら、バーテンダーの経験を生かしカクテル類、日本酒なども豊富に揃える。

「DTBハンバーガー」はじめ、フードにもお茶を使用

フードメニューの目玉は特製「DTBハンバーガー」(1200円)。笹塚のパン屋で特注している抹茶のバンズや、凍頂烏龍茶の茶葉のジェノベーゼソースを使用。今後のランチ営業も視野に入れた渾身のメニューだ。他にも凍頂烏龍茶で炊いた「茶飯のタコライス」、ハンバーガーと同じソースを使用した「茶ノベーゼ」(各800円)などお茶をメインにしたラインナップ。予想に反して注文が多いのが自家製の「濃厚味噌ラーメン」と「特製醤油ラーメン」(900円)。周辺の飲食店より遅い4時閉店のため、「秋田純米酒場 TOKYO ROSIE」の人気メニューを転用したところ、〆の一品として好評を得た。

今後は店の存在を浸透させ、ギャラリー、ガレージを有効活用しながら、街のコミュニティへとして機能するのが目標。現状、来店している客層は20代の学生から70代の高齢層まで幅広く、理想的な滑り出しだ。コミュニティづくりの新たな試みを企てながら、同氏の頭の中では、3店舗目の構想も始まっている。「どこでやるかも考えていないが、次はスナックをやりたいんです。もう名前も決まっています」同氏の今後の動向も目が離せない。

店舗データ

店名 茶割ダイナー Do the Boogie
住所 東京都杉並区和泉1-3-3

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アクセス 代田橋駅から徒歩3分
電話 050-5437-2924
営業時間 19:00〜翌4:00(LO3:00)
定休日 日曜
坪数客数 30坪24席
客単価 2500円
運営会社 合同会社サンガ
オープン日 2019年11月15日
関連リンク 茶割ダイナー Do the Boogie(Instagram)
関連リンク 茶割ダイナー Do the Boogie(FB)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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