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食・アート・音楽をコンセプトに掲げるモダンスパニッシュ「the ringo」2号店が丸ノ内に進出

外観の巨大なポップアートは西麻布店のアートを手掛けた中村譲二氏に依頼した
内装はスケルトンに戻すところからスタート。開放的なキッチン、印象的な照明など、随所にこだわりを見せる
西麻布店からの名物「フォアグラプリン」。濃厚な味わいでシェリーなどに合う
「国産ホワイトアスパラガスのロースト ホタルイカのサラダ仕立て」は、ホタルイカが泳いでいるように盛りつけられる
写真中央、スーツの男性が神原享司氏、その右がシェフの村田洋祐氏。男性ばかりのチームをバリバリまとめている

(取材=木村 悦子)


洗練された大人の街・西麻布で、アーティスティックな空間と上質なモダンスパニッシュが評判の「the ringo」。2号店が2018年4月1日、コンセプトはそのままに東京の玄関口である「丸ノ内」に進出を果たした。運営はLiVE FOREVER(東京都港区、代表取締役 神原享司氏)。食を通じて地域に根差した空間の提供を具現化したいと、「食・アート・音楽」をコンセプトに掲げている。

神原氏は高校時代は野球に打ち込み、卒業後は銀行員に。二十歳のときには、トム・クルーズ主演の映画『カクテル』を見て感銘を受け、翌日支店長に「バーテンダーになりたい」と告げバーテンダーに転身。その後も、一世を風靡した「ケンズダイニング」や、スペイン料理店店長など、幅広く飲食の世界を経験したが、雇われていることに限界を感じて独立を果たした。そうした間も空間デザインの勉強を怠らず、その経験は現在の店造りにも十分に発揮されている。西麻布が「シック」だとしたら、丸ノ内は「ポップ」。外観のポップアートや、世界の偉人を描いた店内のポップアートが目を引く。もう一つのコンセプトでもある音楽についてはスペインのイビサをイメージしたチルアウトミュージックを、ゆるめのテイストで流している。

コンセプトや店舗空間が注目されるが、もちろん料理が主役である。料理は、オーソドックスなスペイン料理にとらわれることなく、独自性を追求することに注力しているのが特徴だ。シェフ村田洋祐氏はフレンチの出身で、フレンチにはバイブルがあり自由度がないというジレンマがあった。そのため、オリジナルを追求するうえで「the ringo」の、どのジャンルにも当てはまらないモダンスパニッシュに可能性を感じたという。コンセプトに合わせて東京から各地にスポットを当て、東京の良さを活かした、東京にしかできないモダンスパニッシュとして表現していきたいと意気込む。シェフの村田氏が五島列島出身で魚介類には一家言あるため、シーフードを活かすことは重要視している。

西麻布店でも完売必至の名物「フォアグラプリン」(890円)はフォアグラ・卵・生クリーム・シェリー酒を蒸しあげた品。カソナードシロップやメルローの塩で変化する味わいがおもしろい。「国産ホワイトアスパラガスのロースト ホタルイカのサラダ仕立て」(1,550円)は使用する魚も野菜も厳選。宮城産のホワイトアスパラは、オリーブオイルでローストし、甘味抜群の静岡アメーラトマトを添える。シンプルな味わいだがワインにもカクテルにも合う一品だ。ドリンクは、産地を限定せずさまざまなワインやシェリーなどを集めている。味はもちろんのこと、ラベルのデザインも選ぶポイントだ。

オープンから間もないが、自由な発想で作り上げたクリエイティブな空間は、情報感度が高い丸の内の顧客層に見事にヒット。訪れる人それぞれがインスピレーションを感じ取ってもらっている手ごたえがある、神原氏はいう。「『江戸前』という言葉があります。東京は、江戸の昔から多くのモノと人が集まるハブのような街です。そんな東京の良さを活かした独自のスパニッシュスタイルを追求していきたいですね」。

店舗データ

店名 the-ringo(ザ リンゴ)丸ノ内店
住所 東京都千代田区丸の内2-4-1 丸ビル 5F

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アクセス JR東京駅丸ノ内南口より徒歩1分
電話 03-6551-2899
営業時間 ランチ 【月~金】11:00~15:00(L.O.14:00)、ディナー17:00~23:00(L.O.22:00)
定休日 元日・丸ビルに準じる
坪数客数 19.19坪・34席
客単価 6000円
運営会社 株式会社LiVE FOREVER
オープン日 2018年4月1日
関連リンク the ringo marunouchi(FB)
関連リンク the ringo(記事)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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