日本屈指の歓楽街である新宿・歌舞伎町。中でも、都内最大級シネコンと高層ホテルが入る新宿東宝ビルあたりは昼夜問わず賑わいを見せる。その一角にある商業施設「WaMall(ワモール)歌舞伎町」の6階に、ファイブグループ(東京都武蔵野市、代表取締役社長 坂本憲史氏)が「お江戸あやとり」を9月26日にオープン。およそ100店舗を展開する同社だが、初となる和食の炉端焼き業態。大きなしゃもじで料理をお客に提供するパフォーマンスと厳選した日本酒で、主にアジア系の訪日外国人ニーズを狙う。
吉祥寺に創業した同社がこの土地であえて新業態で出店したのは、今後の展開への試金石となる。同店の責任者である林 慶介氏に出店の動機についてたずねると、「私どものテーマは『21世紀型飲食』です。炉端焼きという日本の20世紀的な飲食店を、21世紀型に進化させたスタイルで、激戦区である歌舞伎町でどこまで通用するか勝負がしたいと思ったからです」という答えが返ってきた。その言葉の通り、内装やメニュー構成のすべてがクラシックな純和風だが、炉端のカウンターが360度回転するように設えるなど、ハイテクな演出も行う。ほかではなかなかお目にかかれない九州を中心とした珍しい日本酒のラインナップに力を入れているのも特徴。これらは、同社と縁のある革新的なプロデューサーの助言に従った結果である。
料理は、炉端焼き料理を中心に提供する。メインコンテンツは焼き鳥で、素材は伊達鶏、比内地鶏、東京しゃもなどのブランド鶏にこだわっている。同社はこれまで安価な居酒屋業態が多かったが、この業態の開発が決まってから生産農家に出向き取り引きを申し込むなど、客単価が高めになっても食材のクオリティーには妥協をしない。その結果、客単価は4500円前後に落ち着き、さらなる客単価アップを目指している。焼き鳥は「伊達鶏」(もも・ねぎま・むね・ささみ 各250円)、「比内地鶏」(もも・むね・きも 各300円)、「東京しゃも」(もも・むね・ささみ 各350円)など。同じ鶏の部位ごとの食べ比べ、同じ部位の鶏の種類違いなどが楽しめる。また、カウンターのお客には大きなしゃもじで料理を出すのも、炉端焼きならではの臨場感である。特に、外国人への訴求力は高い。
お酒は日本酒とワインを二大柱に据えていたが、実際に営業をはじめてみると日本酒が圧倒的な人気となったため、今後は日本酒により一層注力していく予定だという。日本酒は銘柄を「モダン」(すっきり、飲みやすいグループ)と、「クラシック」(昔ながらのしっかり、どっしりグループ)に分けてメニューに表記しており、その明快な構成からも選びやすいとお客から好評を得ている。モダンには「澤屋まつもと 守破離(しゅはり) 山田錦」(90ml 440円)、「旭菊 純米吟醸」(90ml 390円)など、日本酒ファンをうならせるラインナップとなっている。
東京の中でも新宿のインバウンド需要は高まる一方で、日本ならではの料理・和食への視線は熱い。そんな中、炉端焼きという日本伝統の食文化を活用し、外国人にも通用する価値を見出した同社の眼力には感心するばかり。日・英・中の三か国語対応のメニューブックを用意し、語学が堪能なスタッフも配置。今後はSNSや口コミサイトなどで、ワールドワイドな情報発信を行っていくという。同店の存在がさらに広く周知されれば、歌舞伎町は屈指の飲食店激戦区だが商機は大きいはずだ。
店舗データ
店名 | お江戸あやとり |
---|---|
住所 | 東京都新宿区歌舞伎町1-18-9 Wa Mall 歌舞伎町6F |
アクセス | JR新宿駅東口より徒歩3分・西武新宿駅より徒歩1分 |
電話 | 03-6380-2632 |
営業時間 | 17:00~24:00 |
定休日 | なし |
客単価 | 44席 35坪 |
運営会社 | 株式会社ファイブグループ |
オープン日 | 2017年9月26日 |
関連リンク | 株式会社ファイブグループ |
関連リンク | お江戸あやとり |
関連リンク | お江戸あやとり(FB) |