島根県を中心に、地場に密着した飲食店を展開するRCクリエイティブ・グループ(島根県松江市、代表取締役社長:中村善次氏)。東京では四谷の「山陰海鮮 善丸」などを経営する同社は、8月29日、東京・日本橋に「しまね魚酒場 主水(もんど) 日本橋室町店」を開業した。「島根のおいしいものを広める」というミッションを掲げ、東京の中心地である日本橋から島根の魅力を発信していく。
以前から、同じく日本橋で島根をテーマにした居酒屋「主水 日本橋店」を営業していた同社。ところが、「主水 日本橋店」は物件の耐震補強の都合により、9月で閉店せざる得なくなってしまった。そこで、付近で物件を探し同店を開業。コンセプトは「島根の食材や酒をテーマに、気軽に飲める大衆居酒屋」。「主水 日本橋店」が客単価5500~6500円だったのに対し、同店は4000円程度、大衆居酒屋としてより気軽に利用できる店づくりとなっている。
同店で提供する料理は、すべて島根の食材を使用した品。「島根は、魚をはじめ和牛や野菜など価値ある食材が豊富な県。その魅力を伝えたい」と話すのは、同社東京地区営業部長の中野真吾氏。なかでもイチオシが「さばしゃぶ」(1274円)。漁業が盛んな島根県の旧平田市の、一部の地域で漁師が船上で食べていたという郷土料理だ。島根の漁港から直送されるサバと島根産の甘みの強い玉ねぎを、同店オリジナルの出汁でしゃぶしゃぶにした。「島根県はサバの消費量が日本一。日本海側は2つの海流に挟まれていることから、生で食べられるくらい良質なものが採れるんです。サバに限らず魚はすべて島根から直送で、鮮度抜群のものを使っています」と中野氏。この「さばしゃぶ」は、同店の看板商品としてはもちろん、ゆくゆくは島根の名物として世の中にアピールをしていきたいというのが、同社社長の中村氏の思いだ。このほか、しまね和牛を使った「和牛串焼き」(1058円)や、石見ハーブ鶏の「もも肉黒胡椒焼き」(734円)、松江名物の「あごのやき」(518円)、浜田名物の「赤天炙り」(518円)、松江おでん(86円~)など、島根の名物料理や、島根の良質な素材を使用したメニューがそろう。
ドリンクは、島根の地酒を中心に豊富にラインアップ。日本酒はメニューに記載されている10品のほか、店内に設置されたミニカウンターに常時25品以上の地酒が並び、お客はそのカウンターで試飲をしながら日本酒を選ぶことができる。スタッフにはしまね地酒マイスターや利き酒師の資格を保有する者も在籍。コミュニケーションを取りながら、お客に合った地酒を提案する。地酒はもちろんすべて島根の蔵元のもので、全銘柄90ccを500円均一としている点もユニークだ。「今後は大衆居酒屋の象徴ともいえるアイテムのハイボールと、島根の地酒を掛け合わせた『しまね地酒ハイボール』(518円、がいな950円 ※がいな=島根の言葉で「大きい」)を強く打ち出していきたい」と中野氏。
同店はもともとオフィスだった物件を改装して開業。店内でひときわ目を引くのが、島根県の蔵元を地図形式で紹介した大きなボードだ。「必ず設置したかった」(中野氏)というこのボードは、今後、島根の地酒を楽しむイベントを開催し、その際にミニカウンターと合わせて活用したいとも考えている。内装は今後もリニューアルを実施予定。というのも、物件引き渡しから4日後にオープンしたため、徐々にバージョンアップを図る予定だ。
仕入れる食材は「主水」とほぼ同じものだが、「主水」よりも可能な限りリーズナブルに提供し、高いコストパフォーマンスを発揮している。さらに、都心のビジネス街で人通りの多い好立地という条件も相まって、満席になることは少なくないという。ゆくゆくは1日に2回転させ、さらに10月からランチ営業を開始し、あわせて利益を上げていきたい意向だ。「私含め、当店を立ち上げたのは、全員、島根県出身ではないスタッフ。でも、島根出身ではないからこそわかる島根の良さというものがあります。それを武器に、島根の魅力をアピールしていきたい」と中野氏。島根の良質な食材をリーズナブルな大衆居酒屋に落とし込み、島根の食の魅力を東京の中心地、日本橋から発信していく。
店舗データ
店名 | しまね魚酒場 主水(もんど) 日本橋室町店 |
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住所 | 東京中央区日本橋室町一丁目8番3号 NSビル1F |
アクセス | 東京メトロ日本橋駅、三越前駅から徒歩5分 |
電話 | 03-6262-7217 |
営業時間 | 11:00~14:00 L.O.、17:00~23:00(22:30 L.O.) |
定休日 | なし |
坪数客数 | 50坪50席 |
客単価 | 4000円 |
運営会社 | 株式会社RCクリエイティブ・グループ |
オープン日 | 2017年8月29日 |
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