2003年に横浜で産声を上げた「魚と酒 はなたれ」。創業以降、横浜や都内で店舗を展開し、人気を博している居酒屋だ。経営はファーストドロップ(神奈川県横浜市、代表取締役:平尾謙太郎氏)。その「魚と酒 はなたれ」のフランチャイズ店として今年2月に東京・新橋に「魚と酒 はなたれ 新橋店」が開業した。オーナーは西野譲氏。オーイズミフーズを経て、ファーストドロップで店長職などを経験してきたが、同店の開業により独立を果たした。「はなたれ」ブランドの店舗は中型店が多いが、同店は10坪ほどの小ぶりな物件。本部運営には適さないと判断され、同店はフランチャイズ運営とすることになった。そこで「激戦区の新橋で勝負がしたい」と考えていた西野氏に白羽の矢が立ったというわけだ。
同店が立地するのは、新橋のなかでも1位2位を争うほど人通りの少ないと言われている路地裏だ。「ふつうにやっていたらお客さまは来ない」と考えた西野氏は、高原価でも商品力の高い品で集客をする戦略をとった。その方策のひとつが、ランチで提供している「生まぐろ丼」だ。生の本マグロをぜいたくに使用した一品で、一杯700円で提供。原価率は90%を超えており、利益は50円程度というから驚きだ。「この商品はディナーの販促費ととらえています。この『生まぐろ丼』をきっかけに当店を知っていただき、夜にも来店していただければ。とにかく人通りの少ない立地なので、認知度の向上が第一です」と西野氏。20席の店内で多い日は50杯を売るという。お客の満足度は非常に高く、狙い通りディナーの集客につながっている。ディナータイムでは、刺身を1切れ単位で提供しているのも同店の特徴だ。1切108円~(なめろうは15g64円)で11種をそろえ、お客にとって好きなものを好きなだけ、気軽に注文できるのが魅力となっている。このほか、名物のあてまきを18種(378円~)、青魚、活貝、マグロ、神奈川・佐島の旬野菜の料理など、酒に合うつまみを豊富にそろえる。魚は毎日、横浜の中央市場、築地市場、佐島市場から仕入れたものだ。ドリンクは、鹿児島から直送の焼酎を10種を用意し、あらかじめ水で割って数日間寝かせた前割りにて提供する。日本酒は、魚に合うものを厳選し12種。商品はすべて他の「魚と酒 はなたれ」とは異なるオリジナルのラインアップとなっている。ディナーメニューの原価率はおよそ45%で、価格は他店舗の7割程度に設定していることからも、商品力の高さがうかがえる。
店内は元すし店だった造作を生かしながら改装。カウンターなどはもとの形のまま、老朽化していた部分を中心に改修した。カウンターにはショーケースを設置し、その日の鮮魚を並べてアピールする。ずらりと並んだ焼酎のボトルも内装のポイントだ。「店内は10坪に20席を配置しており席密度が高いため、このお客さまとの距離の近さを生かした接客で、ファンを作っていきたい」と西野氏。一度来店したお客にリピートしてもらうことでも、認知度の低さをカバーしたい方針だ。
これらの営業努力が功を奏し、徐々に認知度が向上、3回転する日も増えているという。今後は近隣の新橋・銀座エリアでもう1店舗の開業が目標だ。いつかは独自ブランドの出店も夢見る西野氏。バリューの高い商品や地道な接客など、さまざまな方策を打ち出し悪条件の立地を克服する同店は、着実に繁盛店への道を歩んでいる。
店舗データ
店名 | 魚と酒 はなたれ 新橋店 |
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住所 | 東京都港区新橋3-21-2江藤ビル1F |
アクセス | JR新橋駅から徒歩3分 |
電話 | 03-6432-4170 |
営業時間 | 11:00~24:00(L.O.23:30) |
定休日 | 日曜日 |
坪数客数 | 10坪20席 |
客単価 | 2300円 |
オープン日 | 2017年2月8日 |
関連リンク | 魚と酒 はなたれ 新橋店(FB) |
関連リンク | ファーストドロップ |