ヘッドライン

ビブグルマン獲得のうどん店が居酒屋業界に進出 「うどん酒場 香川一福」池袋にオープン

1階のカウンター席に対し、地下フロアには半個室も用意。すっきりと洗練された空間は女性を意識したもの
普段から全国各地を食べ歩く大林氏が東北のある店でヒントを得た「氷結ピーマン昆布和え」(290円)。シンプルながら、シャリシャリと凍ったピーマンの食感がおもしろく箸が進む
香川名物「骨付き鶏 モモ焼き」(890円~)は特製ダレにマリネしてコンベクションオーブンでじっくり火入れ。軽い食感の皮目とジューシーな身は必食の一品だ。
ほっそりとした麺線から「一福」の代名詞でもある伸びやかなコシは健在。昆布やサバ、ウルメイワシから引いたキレのいい出汁は、呑兵衛の胃袋に染みる上品な仕立て
左から岡田章氏、新井榮培氏、永田達郎氏(うどんマイスター)、大林芳彰氏

(取材=井上 こん)


6月24日(土)、池袋北口エリアに「うどん酒場 香川一福 池袋」がオープンした。母体は高松に本店を置く「うどん 一福」。丸亀の人気店「中村うどん」の流れを汲む伸びやかな麺と、昆布やサバ節などから引く雑味のないかけつゆが特徴で、2015年に「香川一福 神田店」として東京進出するやわずか1年でビブグルマンを獲得。都内でも指折りのうどん店として存在感を放ち、今月7日にオープンしたばかりの立川店もすでに一日400杯を売る繁盛ぶりをみせている。

その実力店からのれん分けとなる今回の池袋店。近年ブームの兆しを見せる「うどん居酒屋」(または「うどん酒場」)業界に乗り込む形となった背景に、「ある人物の存在が欠かせなかった」と「香川 一福」を率いる岡田章氏(東京都千代田区/セレソン 代表取締役)と新井榮培氏(東京都千代田区/新井商店 代表取締役)は口をそろえる。両氏が手を組んだのが、オリエンタルビストロ「アガリコ」などを国内外に展開し、数々の飲食店のプロデュースやFC展開も手掛ける繁盛請負人の大林芳彰氏(東京都豊島区/ビッグベリー 代表取締役)だ。

「地方には遅くまで営業しているうどん居酒屋が結構ある。体験してみるとうどんで〆るのが意外とはまって。これまでみたいに“〆=ラーメン”だけじゃないんだなと。岡田さんと新井さんの“クラフトうどん”なら東京でも勝負できると感じて提案させてもらった」と大林氏。昨年以降、「二〇加屋長介」(中目黒)や「博多うどん酒場イチカバチカ」(恵比寿)といった福岡系うどん居酒屋が続々とオープンしていることに対して「うどん居酒屋の波が来ていることはタイミングとしてはいいが、競合という見方はしていない。東京でまだうどん居酒屋自体が文化として浸透していないし、既存の店とはエリアも違う。僕らのやり方で、うどん文化のない池袋で新しい選択肢を作っていきたい」と抱負を語る。

品書きには「一福」らしい伸びのあるうどんの他、大林氏考案の一品料理が並ぶ。業態としては程よく賑やかさを求める“酒場”だが、「女性に優しい店であること」もコンセプトに掲げ、うどん以外はすべて500円以内とリーズナブルかつ少ないポーションでの提供だ。また、香川にルーツを持つ店らしく現地の名物料理「骨付き鶏 モモ焼き」(890円~)や味噌をつけて食べる「香川おでん」(各150円)なども用意。酒類は「川鶴」「金陵」など香川の名酒に加え、クラフトビール用器具を使用した風味の強い自家製レモンサワーにも強い自信を見せる。

今後の展望について大林氏は「足元が固まってから池袋限定メニューも仕掛けていくつもり。たとえば『北島亭』とコラボしたカレーうどんのように、著名な中華料理人と“担々うどん”のようなものの開発も検討している。これからどんどん面白くなる」と意気込みを見せ、次のように締めた。「これまでの経験から、ブランドイメージというのは5店舗目くらいから急に変化することが分かっている。本店の『うどん一福』や東京の『香川 一福』が積み上げてきたブランドイメージを下げないよう、今後の出店は慎重に見極めたい」

店舗データ

店名 うどん酒場 一福 池袋店
住所 東京都豊島区池袋2-41-1

 >> GoogleMap見る

アクセス JR・地下鉄各線 池袋駅から徒歩5分
電話 03-5962-0873
営業時間 ランチ 11:00~15:00、 ディナー 17:00~24:00
定休日 日曜
坪数客数 30坪・60席
客単価 3500円
運営会社 株式会社新井商店・株式会社セレソン
オープン日 2017年6月24日
関連リンク さぬきうどん一福
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

ヘッドライン一覧トップへ

Uber Eats レストランパートナー募集