6月24日(土)、池袋北口エリアに「うどん酒場 香川一福 池袋」がオープンした。母体は高松に本店を置く「うどん 一福」。丸亀の人気店「中村うどん」の流れを汲む伸びやかな麺と、昆布やサバ節などから引く雑味のないかけつゆが特徴で、2015年に「香川一福 神田店」として東京進出するやわずか1年でビブグルマンを獲得。都内でも指折りのうどん店として存在感を放ち、今月7日にオープンしたばかりの立川店もすでに一日400杯を売る繁盛ぶりをみせている。
その実力店からのれん分けとなる今回の池袋店。近年ブームの兆しを見せる「うどん居酒屋」(または「うどん酒場」)業界に乗り込む形となった背景に、「ある人物の存在が欠かせなかった」と「香川 一福」を率いる岡田章氏(東京都千代田区/セレソン 代表取締役)と新井榮培氏(東京都千代田区/新井商店 代表取締役)は口をそろえる。両氏が手を組んだのが、オリエンタルビストロ「アガリコ」などを国内外に展開し、数々の飲食店のプロデュースやFC展開も手掛ける繁盛請負人の大林芳彰氏(東京都豊島区/ビッグベリー 代表取締役)だ。
「地方には遅くまで営業しているうどん居酒屋が結構ある。体験してみるとうどんで〆るのが意外とはまって。これまでみたいに“〆=ラーメン”だけじゃないんだなと。岡田さんと新井さんの“クラフトうどん”なら東京でも勝負できると感じて提案させてもらった」と大林氏。昨年以降、「二〇加屋長介」(中目黒)や「博多うどん酒場イチカバチカ」(恵比寿)といった福岡系うどん居酒屋が続々とオープンしていることに対して「うどん居酒屋の波が来ていることはタイミングとしてはいいが、競合という見方はしていない。東京でまだうどん居酒屋自体が文化として浸透していないし、既存の店とはエリアも違う。僕らのやり方で、うどん文化のない池袋で新しい選択肢を作っていきたい」と抱負を語る。
品書きには「一福」らしい伸びのあるうどんの他、大林氏考案の一品料理が並ぶ。業態としては程よく賑やかさを求める“酒場”だが、「女性に優しい店であること」もコンセプトに掲げ、うどん以外はすべて500円以内とリーズナブルかつ少ないポーションでの提供だ。また、香川にルーツを持つ店らしく現地の名物料理「骨付き鶏 モモ焼き」(890円~)や味噌をつけて食べる「香川おでん」(各150円)なども用意。酒類は「川鶴」「金陵」など香川の名酒に加え、クラフトビール用器具を使用した風味の強い自家製レモンサワーにも強い自信を見せる。
今後の展望について大林氏は「足元が固まってから池袋限定メニューも仕掛けていくつもり。たとえば『北島亭』とコラボしたカレーうどんのように、著名な中華料理人と“担々うどん”のようなものの開発も検討している。これからどんどん面白くなる」と意気込みを見せ、次のように締めた。「これまでの経験から、ブランドイメージというのは5店舗目くらいから急に変化することが分かっている。本店の『うどん一福』や東京の『香川 一福』が積み上げてきたブランドイメージを下げないよう、今後の出店は慎重に見極めたい」
店舗データ
店名 | うどん酒場 一福 池袋店 |
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住所 | 東京都豊島区池袋2-41-1 |
アクセス | JR・地下鉄各線 池袋駅から徒歩5分 |
電話 | 03-5962-0873 |
営業時間 | ランチ 11:00~15:00、 ディナー 17:00~24:00 |
定休日 | 日曜 |
坪数客数 | 30坪・60席 |
客単価 | 3500円 |
運営会社 | 株式会社新井商店・株式会社セレソン |
オープン日 | 2017年6月24日 |
関連リンク | さぬきうどん一福 |