小田急線 経堂駅前の農大通りに5/5、名店「炭火焼肉なかはら」から独立した渕岡弘幸氏による新店舗「炭火焼肉ふちおか」がオープンした。渕岡氏は、「炭火焼肉なかはら」の前身である「七厘」時代から中原健太郎氏の元で修業。「炭火焼肉ふちおか」でも、扱うのはメスの黒毛和牛で、冷凍・切り置きはせず、オーダーが入ってから自ら手切りで肉をカットし味付けするという“なかはらスタイル”を踏襲している。厚さ1mm以下のカットも全て手切りという技術は、中原氏の元での厳しい研鑽の賜物。さらに、「炭火焼肉なかはら」ゆずりのこだわりがありながら、コースの価格は抑えてスタート。この先予約困難になることも予想される注目店だ。
大学在学中の4年間、焼肉店でアルバイトをしていた渕岡氏。その際 特別に常陸牛を扱う機会があり、その美味しさに衝撃を受け「自分で焼肉店をやりたい」という思いが芽生えたという。一方で、大学で学んだ情報学を生かして働きたいという思いもあり新卒でIT企業に就職。将来焼肉店を開くという夢は持ち続けつつ、そのための貯金もしながら約6年間勤務した。その間も様々な飲食店を食べ歩いたが、30歳で焼肉業界への転職のために会社を辞め、都内の焼肉店を回ったという。その時に出会ったのが中原氏の「七厘」。肉質のみならず肉の部位ごとのカットの方法にまでこだわり、塩・タレ・塩と交互に味付けを変えて提供するというスタイルに衝撃を受け、ここで働きたいと心を決めた。
中原氏の元で約3年。「親方の肉のカットや味付けは自分が今一番素晴らしいものだと思っています」という渕岡氏。「炭火焼肉ふちおか」では中原氏から学んだカットや味付けはもちろん、炭も同じものを使用。肉の一頭買いはまだ難しいながらも、同じレベルのものを部分買いで仕入れている。内装も「炭火焼肉なかはら」を手がけたDAIDAI一級建築士事務所と株式会社セットアップに依頼。元も焼肉店だっという炭火OKの居抜き物件を、黒を基調とした落ち着きのある空間に作りかえた。こうして「なかはら」のDNAを受け継ぎ誕生した「ふちおか」。だが、ゆくゆくは渕岡氏自身の味も出していきたいという。その第一歩が店の中心メニューであるコースに現れている。
提供するのは「ふちおかコース」。コース内容は前菜3種盛り、サラダ、焼き物(サーロイン)、焼き物(特選部位盛り合わせ5種:うち塩2種・タレ3種)、口直し、一品料理、締め(ご飯もの 又は 麺もの)で1人6,800円。肉の前後に料理を組み込んだコース仕立てで店のオリジナリティを出していく。取材時は、一品料理に「七厘」の人気メニューだったボール状のメンチカツ、締めに盛岡から取り寄せたこだわり麺の冷麺を提供。肉はもちろんその他の素材にもまったく妥協がないが、まずは多くのお客様に知ってもらうためにとギリギリのところまで価格を下げている。今後季節ごとに内容を変えていき、お客様にリピートしていただける店づくりを目指す。
コース以外にも単品で焼き物(1,200円〜3,600円)、サイドメニュー(和牛のしぐれ煮やサラダなど 300円〜800円)、締め(スープ4種やクッパ4種、ビビンバや特製カルビ丼など 200円〜1,200円)などを用意しているが、まずは店の味を一通り楽しめる「ふちおかコース」をメインの売りにしていき、今後は上級コースなども提供したいという。焼肉業界に入る前のIT企業勤務時代に精力的に食べ歩き、消費者としての感覚も身についているはずだという渕岡氏。その感覚を生かしてまずは「炭火焼肉ふちおか」を地元の人にも愛される繁盛店に育てたいという。新たな名店として、焼肉ファンの集う場所になりそうだ。
店舗データ
店名 | 炭火焼肉ふちおか |
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住所 | 東京都世田谷区経堂1-5-8 ロイヤルハイツ経堂 1F |
アクセス | 小田急線経堂駅から徒歩4分 |
電話 | 03-6804-4829 |
営業時間 | 17:00~23:00(L.O. 22:30) |
定休日 | 水曜日 |
坪数客数 | 25坪30席 |
客単価 | 10,000円 |
オープン日 | 2017年5月5日 |
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