現在、新宿で一番盛り上がっているエリア。そう表現しても決して大げさではないのが、西新宿七丁目だ。挑戦的な飲食店が数多くひしめいており、新宿全体の人の流れを変えるほど大きな可能性を持つ。同エリアには、次世代の飲食シーンを牽引していくだろうと期待されている経営者も少なくない。ロイヤルストレートフラッシュ(東京都新宿区、代表取締役社長 類家令奈氏)の類家氏も、そうした経営者の一人である。氏は3月1日にオープンした「もつ焼★キャプテン」で、初めてのホルモン業態に挑戦していく。
創業以来、同社は、西新宿七丁目でドミナント展開を行ってきた。2010年10月に「丸鶏 るいすけ」をオープンさせると「wine no Ruisuke るいすけ2号店」、「wine no Ruisuke zeRo(ワインノルイスケゼロ)」、「丸鶏るいすけ ハナレ」と立て続けに出店。ただ一号店の誕生当時は、土日になると人が大幅に少なくなったりするなど、決して好立地とは呼べなかった。しかし同社は、キラーコンテンツの「ひな鶏の素揚げ」にハイボールとワイン、日本酒のペアリングをそれぞれの店で提案することで、幅広いファンを獲得していく。このように未開拓のマーケットを切り拓けたのは、類家氏の経歴も関係している。そもそも氏は、グローバルダイニングの飲食店のアルバイトで飲食業界に飛び込む。その後、てっぺん(東京都渋谷区、代表取締役 大嶋啓介氏)に入社すると、すぐに頭角を現して「渋谷てっぺん男道場」の初代店長として立ち上げを成功させた後、「てっぺんKOREA」の副社長として創業から3年間、副社長も務めた。こうした経験で繁盛店の作り方のノウハウを習得してきたからこそ、飲食店不毛の地でも成功することができたのだ。
ただ今回の「もつ焼★キャプテン」の誕生には、もう一人キーマンがいる。それが、類家氏が「キャプテン」と呼び、同店のブランド責任者を務める中山昭徳氏だ。氏は、もつ焼きの伝説的な名店である「久遠の空」で腕を磨いた人物で、「今回のブランドが実現したのは、彼の存在があったからこそ」と、類家氏も全幅の信頼を置く。つまり、類家氏が培ってきた“繁盛店の作り方”と中山氏の強みである“モツに関するノウハウ”が融合してできたのが「もつ焼★キャプテン」なのだ。同店の施工・デザインは、エッジオブクリフ&コムレイド(東京都中央区、代表取締役社長 針生真氏)が手掛けている。大衆的な雰囲気を大切にしながら、タイルなどで重厚感を出す。同店が掲げる「大人が楽しめるネオ大衆酒場」というコンセプトが大胆に表現されている。
メニューには「ハツユッケ」(500円)や「シロユッケ」(500円)、「タン」(150円)、「てっぽう」(150円)、「ノドブエ」(150円)など、「刺身」・「赤モツ」・「白モツ」・「特上/希少」のジャンルで25種類近くのモツのメニューが並ぶ。また「つまみ☆枝豆」(320円)や「もつ煮込み」(420円)、「隠しトリュフのマカロニサラダ」(380円)といった定番料理に何らかのアクセントをつけたメニューも揃う。ドリンクはビールをはじめサワー、ワイン、焼酎などがラインアップされているが、特に注目なのが「しゃり金サワー」で「しゃり金レモンサワー」(480円)や「しゃり金グレフルサワー」など、全7種類を用意している。
「もつ焼★キャプテン」の誕生によって、ロイヤルストレートフラッシュの可能性は段違いに広がった。事業展開に与えるインパクトも想像していた以上に大きい。今後のビジョンについて、類家氏も「別のエリアでのドミナント展開の可能性が現実味を帯びてきました。あるエリアに『丸鶏 るいすけ』と『wine no Ruisuke』、『もつ焼★キャプテン』の3ブランドが同時に進出すれば、それぞれが別の提案ができるので、顧客満足度を相乗的に高めていけるでしょう。また『もつ焼★キャプテン』は、少人数でオペレーションなどを回せる業態なので、しっかりと作り込んでいけば、社員の独立支援のスキームになると考えています。ただ大きなチャンスが目の前にありますが、スタンスとしては、これまで通りコツコツと地道に取り組んでいきたいですね」と話す。現在、新しいホルモン業態の次のオープンが、早くも3月に決まっている。場所は代々木になる予定だという。類家氏と中山氏の二人の挑戦が、新たな繁盛店作りの成功方程式を導き出す。
店舗データ
店名 | もつ焼★キャプテン |
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住所 | 東京都新宿区西新宿7-19-11 小玉ビル 1F |
アクセス | 東京メトロ丸ノ内線西新宿駅から徒歩5分 |
電話 | 03-5358-9626 |
営業時間 | 16:00~23:00(L.O. 22:00) |
定休日 | 月曜日 |
坪数客数 | 18坪・48席 |
客単価 | 3000円 |
運営会社 | 株式会社ロイヤルストレートフラッシュ |
オープン日 | 2017年3月1日 |
関連リンク | wine no Ruisuke るいすけ2号店(記事) |