小さい農家を応援する農家参加型の新しい形の飲食店を目指す、関西出身の丸尾聖氏(アンビエンテ、兵庫県西宮市)が東武練馬に「小さい農家×レストラン famille(ファミーユ)を7月21日にオープンさせた。主に農家から届く季節野菜などのトッピングが選べる“トマトベース”と“マイルドグリーンベース”の2種類のカレーをコンテンツにしたカレーバルだが、開店時からお酒も楽しめるオールデイ対応の自由なスタイルが売り。多彩な季節野菜が店内のカウンターを彩り、店頭では野菜を入れた木箱を並べ、販売もしている。今、注目の野菜がコンセプトの店である。
関西出身のオーナーの丸尾氏は、関西で農家直送の野菜で作る料理と、店頭で野菜を直売する、まるで八百屋が運営するかのようなイタリアンレストランを2店舗運営していた。みずみずしく栄養価も高い野菜の本来の姿と美味しさ、認知度の低い野菜の啓蒙と、土づくりから手間をかけ育てる原点に立ち返った農家や小規模な農家を直売という形で応援したいと考えたからだという。農業高校出身の丸尾氏だけに、土へのこだわり、野菜へのこだわりは深く、一軒、一軒、直接農家へ出向き信頼関係を築いたという。そのような関西時代の農家との関わりは今でも繋がっている。
関西育ちの丸尾氏は、辻調理師学園を経て、同校の講師、シェフ、バーテンダーとして関西で実績を積み、立ち上げた2店舗も順調に運営していた。しかし、30歳を前にした29歳の今しか出来ないチャレンジをしたく、同2店舗を譲った。3ケ月のカンボジア滞在後、心機一転、縁もゆかりもない東京へ進出したのだった。当初は飲食コンサルティングを目指していたが、早々に店の立ち上げの話があり、北池袋に1号店の「ベジたこ焼き業態」をオープンしたという。結果、東京でも飲食店経営の道を進めることとなり、関西時代同様に農家と一緒に店を運営するような立ち位置での業態展開を決め、2号店となる同店を出店する経緯になったのだ。
カレーは、野菜を隠し味にした王道の“トマトカレー”と“マイルドグリーンカレー”のカレーバルらしいこだわり2種類「プレーン」(480円/580円)で、辛さも好みで選ぶことができる。素揚げした野菜を乗せた「野菜」(680円/780円)、「ほうれん草」(680円/780円)、「チキン煮込み」(780円/880円)、「牛スジ」(780円/880円)、「牛ほほ」(880円/980円)。さらにトッピングとして、素揚げした「野菜7種類」(200円)、「温玉」(100円)、「チーズ」(150円)、「牛ほほ肉」(400円)なども選べる。また、お酒のアテとして「ルー」だけのオーダーも可能だ。そのほかには「生ハム」、「牛スジトマト煮」に季節野菜の一品料理、お酒に合う一品など100円〜300円で用意する。
開店と同時に、昼間からオーダーが可能なアルコールドリンクは、ビール、酎ハイ類、ハイボール、カクテル類といった居酒屋定番メニューは500円。ワインはグラス480円、ボトルは2000円から。そのほかには、日本酒、焼酎などの醸造酒、スピリッツ、ウィスキーなどのバードリンクまで多彩に揃える。当然ながらノンアルコール飲料もしっかりとあり、多様的なニーズに対応している。
敢えて都心を外し、地域に馴染む店造りを考える丸尾氏が、土地勘のない中で選んだ東武練馬。メガターミナルである池袋駅から東武東上線でわずか15分の距離にある東武練馬エリアは、駅の周辺には大型商業施設をはじめ、古からの商店街が商圏を形成し、パブリック系の事業所もあるサブタウンとしての活気と利便性に優れた生活圏として知られ、地域密着型の店へのニーズは高いと言える。
今後は、東京でも新たに地域の農家や小規模な農家との関わりを積極的に広げ、美味しい野菜を知り、味わえる店造りを考えている。そして、再度、新たに関西での出店も視野に入れる丸尾氏。将来的には、自家農園を作り、栽培した野菜の販売や、野菜料理を楽しむ店造りが目標だという。美味しい野菜は、素揚げや蒸すなど、シンプルに調理するのがオススメという。早くも1月末には餃子バルが滝野川にオープンする。
店舗データ
店名 | 小さい農家×レストラン カレーバル famille(ファミーユ) |
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住所 | 東京都板橋区徳丸2-1-8 |
アクセス | 東武東上線 東武練馬駅より1分 |
電話 | 03-6281-0609 |
営業時間 | 11:30〜24:00 |
定休日 | 無休(年末年始休) |
坪数客数 | 7坪 8席 |
客単価 | 昼1000円、夜2000円 |
運営会社 | 株式会社アンビエンテ |