マグネティックフィールド(愛知県名古屋市、代表取締役 山本将守氏)が名古屋と東京で展開する純米酒専門「八咫」の東京3店舗目「八咫 神田・日本橋店」を日本橋に12月1日にオープンさせた。ビルの最上階であった新宿店、渋谷店と異なり、東京初の路面店となる同店は、同社「八咫」ブランドの5店舗目となる。それぞれのが日本酒持つ個性を味わい、楽しむ飲み比べができる利き酒システムが人気となっている。
JR神田駅から3分、飲食店も多い日銀通りと交差する通り。住所は日本橋と表記されるビルの1階。入口はビルのエントランスから奥まっており、見過ごしてしまいそうな場所に同店は構える。目に付くような看板もなく、隠れ家風となっているが、ガラスの引き戸からは細長く奥へと伸びるオールスタンディングのスタイリッシュな空間は存在感を見せる。ビルオーナーの意向で看板は出さず、営業は24:00まで。さらにおしゃれな店という厳しい条件をクリアしての出店であるが、それは「八咫」らしさを反映する物件でもあったのだ。
「神田・日本橋店」の店長を任された横井英氏は、代表の山本氏と同郷の名古屋出身。名古屋店で面識はあったものの、足繁く通うファンということでもなかったという。ましてや、環境問題を学ぶために大学、大学院も含め10年を北海道で過ごし、同地でテキーラバーをオープンするほどの洋酒派で、日本酒とは縁も遠かった生活だったのだ。そのような横井氏がニューヨークで山本氏と再会し、山本氏の会社に対する理念、日本酒に対する思いを知り、同氏の下で学び、働きたいと同社に入社したのが、「八咫 神田・日本橋」オープン3ヶ月前のことだという。現在、店で扱う5、60種類の日本酒をティスティングし、接客する毎日をワクワクすると横井氏は話す。
各店共通の60分2000円でタイプの異なる日本酒を飲み比べする「利き酒コース」(一杯50ml。同じ銘柄は1回まで。お燗も可能)は、9割のお客がオーダーするほど人気であり、同店を代表するメニューでもある。好みの一杯を選ぶことも可能で、冷たい日本酒であればワイングラスに100cc、オール500円となる。チロリで温め、平杯で提供してくれる燗酒もオススメだ。
フードはオール500円の日本酒を引き立てる厳選のアテ10種類を置く。フルーティなタイプには「ドライフルーツの盛り合わせ」。熟成カマンベールチーズのコクと旨味が倍増し、酒が進むという「チーズ入りポテトサラダ(酒盗バターのせ)」。どんなタイプの日本酒にも合う万能選手「クリームチーズのわさび和え」、といったように注文の目安となる一言が添えられている。「八咫」のもう一つの顔である、造りの異なる醤油を揃え、醤油とのマッチングも健在だ。
当初、山本氏は横井氏の土地勘のある札幌での出店を考えていたが、様々な面でのハードルの高さもあり、東京での出店に切り替えたという。しかし、今後、改めて北海道での出店も視野に入れて、15店舗、1万人の顧客づくりを目指している。また、SNSの高い効果性を反映したシークレットイベントや日本酒に特化した日本酒塾の開催といった新たなステージでの活動拡大のために、日本酒業界以外でのネットワークづくりなどを積極的に進めるなど、日々、邁進して行くという。東京の3店舗、名古屋の2店舗と、各店を廻る「八咫」の常連客は多いが、出張時のみならず、名古屋から上京した際には、3店舗全てを巡るコアなファンも珍しくないという。一人、一人のお客との対話を大事にし、山本氏が愛し選んだ日本酒を通し、お客との絆、作り手との絆を大事にしてきた結果であり、その日本酒啓蒙に尽力するスタンスが多くの共鳴を呼ぶのだろう。
店舗データ
店名 | 八咫(やた)神田・日本橋店 |
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住所 | 東京都中央区日本橋石町4-5-7 阿部ビル1F |
アクセス | JR神田駅、新日本橋駅より徒歩3分 |
電話 | 03-6262-5377 |
営業時間 | JR神田駅、新日本橋駅より徒歩3分 |
定休日 | 月〜金15:00〜23:15 土 12:00〜21:00 |
坪数客数 | 7.5坪/オールスタンディング18人 |
客単価 | 2500円 |
運営会社 | 株式会社マグネティックフィールド |
関連リンク | マグネティックフィールド(HP) |
関連ページ | 純米酒専門 八咫 新宿三丁目店(記事) |
関連ページ | 純米酒専門店 八咫 渋谷店(記事) |