広島県福山市に本店を構え中国地区をはじめ九州エリアにも支店を構える人気店「フジヤマドラゴン」が、満を持して東京・浅草橋へ2014年11月19日に初出店した。浅草橋エリアは、焼きとんや大衆肉酒場の激戦区だが、そこへ言わば殴り込みオープンとなった。経営は、広島を拠点に、現在まで海外にも居酒屋や焼肉等の店舗を多数展開し、「フジヤマドラゴン」の直営2店舗、FC8店舗、こだわり食材のネットショップ、ブライダル事業など多岐にわたる業態を運営している夢笛(広島県福山市、代表:高橋英樹氏)。同社は、居酒屋を中心とした展開を進め、規模を拡大させてきた。しかし現代表の高橋氏は、飲食店を取り巻く環境を日々目の当たりにしている中で、今後5年、10年を見据えた際、アルコールに頼らない何か強力で魅力的な業態の必要性を感じ、同氏が長年アイディアとしてあたためていた「鶏と豚の焼肉店」を形にする決意をしたという。日本全国のみならず、焼肉の本場韓国にも通い、数年かけて試行錯誤を繰り返し、その結果、「フジヤマドラゴン」を2010年に誕生させた。1号店の誕生から4年目にして、東京進出を果たした同氏。新店舗は、東京エリアのモデル店舗として、確実なオペレーションを目指し、今後「フジヤマドラゴン」ブランドの関東エリアにおける重要な位置付けの店舗になる。
「今回の業態だと、山手線内ではなく東エリアで、日常使いできる庶民的な立地が合うと思ってましたから、東エリア中心に物件探しをしました。幸運にも上野などに近い浅草橋で、駅からすぐの場所の物件に出逢え決めました」と、同氏は物件を決めた時を振り返った。路面店で2階建てという、同社が地元の広島で展開している店舗と同条件だったこともあり、オペレーション的にも問題なく運営できるという判断で即決したという。9月の物件取得から約2ヶ月という短期間で、店舗デザイン、施工までを依頼した先は、以前からの知り合いで飲食店運営を手掛けながら、店舗の設計・施工業もおこなうスパイスワークスの下遠野亘氏。今回の新店舗は、東京仕様にブラッシュアップした感じで依頼。既存店のようにコテコテ過ぎず、わかりやすくシンプルながらも東京でも受け入れてもらえるような店造りを目指したという。
同店は、「牛肉を使わないヘルシーな焼肉」を掲げ、鶏焼・焼豚・鶏の丸鍋などを看板メニューにしている。リーズナブルでヘルシー、さまざまな部位の味や食感の違いを楽しんでもらいたいと、約66種類ものメニューを提供。中でも鶏肉の部位違いを4種盛りにしている「フジヤマ鶏盛合せ(知覧もも・ねっく・やげん軟骨・砂肝)」(680円)は人気の一品。韓国料理の「タッハンマリ」にヒントを得て、高橋氏自ら研究を重ねこだわり抜いて作ったオリジナルの「鶏の丸鍋」(小2~3人前:1480円、大3~4人前:1980円)は、自慢のメニューでオーダー率も高い。また、野菜をたくさん摂ることを提案している同店は、「大盛ねぎアフロ」(380円)と称した白髪ねぎを、肉と一緒に焼いて絡めて食べることを勧めている。
1号店開業以来、ハイボール専用サーバーを設置し、クオリティにこだわった究極のハイボール(350円~600円)を提供している「フジヤマドラゴン」。バリエーションも「カシス」「ゆず」「コーラ」など常時30種ほどを用意している。ユニークなものでは、「大塚愛ハイボール(さくらんぼ)」(390円)や「ガリガリ君ハイボール」(メガサイズ600円)などもあり、ついつい色々な種類を試したくなること請け合いだ。他にも、ビールからカクテル、ソフトドリンク、超炭酸ソフトドリンクなど充実のラインナップ。
「関東圏では、5店舗を目標に展開していきたい。FC展開や、鶏・豚というメイン軸を共通にしたセカンドライン的な店舗も可能性としては考えています」と今後を語る高橋氏。メニュー構成は決してメジャー感のある内容ではない、どこかB級グルメ的なトーンを前面に出し、看板料理を一通り食べても3000円程度の感覚を大切に、日本中どこでも喜んでもらえる業態にしたいと邁進している同氏。広島からスタートし、九州、関西と店舗展開を続けてきた同社が、まさに満を持してオープンさせた東京進出1号店は、更なる快進撃のはじまりになることだろう。