やきとん業態「やきとん ひなた」、海鮮業態「魚猫」と、人気繁盛店を板橋区内で展開する、ひなた(東京都板橋区 代表取締役 辻英充氏)が新業態イタリアン居酒屋「君想ふ暮らし」を2月25日、板橋にオープンした。2010年1月、東武東上線「大山」にオープンした「やきとん ひなた」から4年、5店舗目となる新業態は居酒屋気分で楽しめる庶民派の気軽なイタリアン。
ひなたは、「やきとん ひなた」を3店舗運営することからも、やきとん専門飲食グループのイメージが高い。しかし、辻氏のその後の出店は、同グループ初の海鮮業態「魚猫」、今回のイタリアン居酒屋「君想ふ暮らし」と業態の幅を広げている。それは、飲食業としてのいろいろなスキルを高めるためのチャレンジであるという。今回は、昔から手がけてみたかったイタリアンに挑戦した辻氏。一般的なイタリアンではなく、日常使いの出来る大衆派の居酒屋という斬新な店に仕上げているのが同氏らしい。料理はパスタ、ピッツアとイタリアンとしての基本を踏まえる一方で、居酒屋らしい和のテイストや、ひなたらしいきちんと手間をかけた一品料理を揃え、ひと味違ったオリジナリティのあるイタリアン業態にしている。
おすすめの一つは「魚猫」以来、辻氏が毎日通う築地から仕入れる海鮮を使った鮮魚料理。先ずは、その日仕入れの「お刺身盛り」(大980円/おひとり用580円)、「とれたて鮮魚のカルパッチョ」(480円)。お刺身にはオリジナルの柚子ドレッシングとバジルソースが添えられ、一工夫されている。ほかにも「とれたて鮮魚のアクアパッツア」(680円)、「あじ一本グリル」(480円)をはじめ、数多く揃う。肉料理ではひなた定番の「自家製パテドカンパーニュ」(580円)から「骨付き鶏もも肉のコンフィ」(580円)、「Big!豚ロースのミラノ風カツレツ」(580円)など。野菜は「あつあつアンチョビソース 君おもふバーニャカウダ」(580円)が。そして「マルゲリータ」(480円)など自慢のモチモチの5種類のピッツアは、500℃の高温となる辻機械のイーナポリにより、なんと90秒で焼き上る。「ミートソース」(580円)など5種類が楽しめるパスタもおすすめだ。
ドリンクは、イタリアンらしく。おすすめとして揃えるワインは赤、白、泡、ロゼと約20種類を置く。グラスは380円から680円で、ボトルは2000円~2800円までがボリューム。こだわりは、辻氏をはじめスタッフが選ぶフルーティで甘みのあるタイプを中心に選ぶ日本酒が15種類以上。6勺のグラス提供で530円から。ほかに金宮の割もの(300円~)、ハイボール(300円~)、本格焼酎(480円~)、スパークリングカクテル(380円~)など幅広く、居酒屋らしさを見せるが、あえてホッピーは置かない。「生スパークリングの金宮割り」(380円)というユニークな一杯もあるように、あくまでもイタリアン居酒屋らしくあることが読み取れる。
同店はオープンして1ヵ月後、早くも目標額450万円近くを売り上げたという。昨年、板橋区大山に5月オープンした「魚猫」は15坪で、なんと1千万円近くの売り上げを記録するように、驚異的な繁盛店を造り続けるひなたグループ。その理由は、当たり前のような日常性を大事にし、その地域に密着する店づくりにある。「君想ふ暮らし」の店名が表すように、長く関わる関係づくりを大切にした、その土地に根付く店、長く続く店である。予約は取らずに、行列もさせない。満席の場合は席が空き次第、携帯に連絡を入れるひなた流の接客からもそんなスタンスが見て取れる。敢えて手間の掛かる形で、スタッフと客との距離を縮め、信頼関係を高めることを惜しまない努力だ。至近距離のコミュニケーションを深める、店と客が一体化するコの字型のカウンターもそんな想いを形にしている。
辻氏は、今後も新業態、新店を目指すと同時に独立希望のスタッフのために、ノレン分けのような形で、さらなるひなたグループとしての広がりも考えているという。
店舗データ
店名 | 君想ふ暮らし |
---|---|
住所 | 東京都板橋区板橋1-48-1 |
アクセス | 地下鉄新板橋駅より徒歩1分、JR板橋駅より徒歩5分 |
営業時間 | 火~木 17:00~24:00 土 16:00~24:00 日祝 16:00~23:00 |
定休日 | 水曜 |
坪数客数 | 10坪 24席 |
客単価 | 3000円 |
運営会社 | 株式会社ひなた |