日本酒専門店の人気をリードする日本酒バル、五反田「和酒バール AGI」(東京都品川区、代表:平見浩志氏)が、期待の2号店「酒人 あぎ」を中目黒の山手通り沿いに3月29日オープンした。現在46蔵。最終的には50蔵を目標にした酒蔵(銘柄)固定の日本酒を揃え、彼らが醸す日本酒の世界観に触れ、客、酒蔵、店が一体化できる、今までにない新しい形の日本酒専門店だ。それは、「神へ供える酒の醸造を司る人」の意味を持つ”さかと”と読む”酒人”を店名の冠につけたことからも読み取れる。酒を醸す人々に感謝して、日本酒と人が集まり、酒造りを広める場所にしたいとの想いが込められている。
揃う酒蔵はオーナーの平見氏と新店の立ち上げの企画から携わってきた元酒販店出身の飲まし手、山本貴文氏が今までに出会い、信頼感を深め、縁を築いて来た蔵という。2冊1セットのメニューでは、同店で扱う全ての酒蔵の歴史、特徴、酒造りへの取り組みなどを紹介している。彼らが支える日本酒の歴史、日本酒の知識を得る読み物としても十分な価値を持ち、味わう酒もまたひと味違うものに感じさせる。
日本酒専門店も増え、人気が広まるなかで、銘柄は知るが、酒蔵自体の知識は案外と深くない。ときには、日本酒のイベントや蔵元見学などもあるが、限定的であり、蔵元や創り手の想いに触れるチャンスは少ないのが現実だ。日本酒に注目が集まる今だからこそ、改めて日本酒を醸す酒蔵の真意や想いなども踏まえ、味わい飲んで欲しいと平見氏は考えている。また、蔵元達が上京した折々に気軽に立ち寄り、飲み手である客との直接的なふれあいを楽しめる場や情報発信の場にしたいとの想いもある。また、酒蔵をリスペクトしながらゆっくり味わい日本酒を飲んで欲しく、料理も味わい深い本格和食を割烹スタイルで提供する。大人仕上げの新しい日本酒専門店なのだ。
料理を担当する、石田大樹氏はミシュラン3つ星の本格和食店、さらに銀座の鮨店、恵比寿の和食店で修行した本格派。ふぐ免許をはじめ、鮨も握る。和食の全ての資格を持つという。とは言え、決して敷居の高い店ではなく、日本酒を楽しむことを意識した料理で、気軽に迎えてくれる。その日届く旬の鮮魚の刺しは一品から、「3点盛り」(1500円)、「5点盛り」(2500円)。酒肴は「海苔香るポテトサラダ」(680円)、「揚げ」(500円~2500円)はまさに、石田氏の職人技が映える。〆は旬の具材で炊く炊き込みご飯や握り鮨。酒蔵の「酒粕汁」(380円)はほかでは中々味わう事の出来ない逸品だ。
日本酒以外の飲み物には、「小瓶のビール」(500円)と「鳳凰美田の桃」(600円)のリキュール1種類のみで、生ビールも置かない潔さ。日本酒は造りの違いや季節の造りなど、その時々で異なるが、各蔵2銘柄以上で100種類近く揃う。ポーションは半合で殆どが400円~600円とリーズナブルなため、気になる酒蔵の日本酒を飲み比べすることが出来る。
中目黒から数分歩いた山手通り沿いの店は、堅い印象のビルの中で、清々しい白木と塗り壁の和風仕上げのファサードが道行く人の目を引く。黒を基調とした居抜き空間は、設えた白木のカウンターと棚がアクセントとなり、モダンで大人の酒場らしさを感じさせる。「五反田店は酒蔵にはこだわらず、先ずはいろいろな日本酒を紹介し、知って頂く案内場所です」と話す平見氏。中目黒店ではさらに一歩先に進み、日本酒文化を啓蒙する場所でありながらも、身近に酒蔵を知る事が出来る店である。
店舗データ
店名 | 酒人 あぎ(さかと あぎ) |
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住所 | 東京都目黒区中目黒2-10-16 中目黒ウィングビル1F |
アクセス | 東急東横線 中目黒駅より徒歩6分 |
電話 | 03-6451-2969 |
営業時間 | 月~金 18:00~2:00 / 土日祝 15:00~1:00 |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 9.5坪 15席(内カウンター5席) |
客単価 | 5000円 |
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