新橋5丁目は、虎ノ門~新橋を結ぶ「環状2号線」を軸に「虎ノ門ヒルズ」の開業を控える再開発エリアだ。この近く、ビル2階にオープンした「Brasserie Beer Blvd.(ブラッセリービアブルヴァード)」(運営:ビアブルヴァード 代表取締役:佐藤裕介氏)。佐藤氏は、新橋ビアパブ「ドライドック」の初代店長。ビール業界でスーパードライをどこよりも美味しく出す“サトウ注ぎ”で有名だ。この注ぎ方が生まれたきっかけは、チェコのビール「ピルスナー・ウルケル」を一番うまく注ぐという評判の店を訪れたこと。そこでは、日本のビールの注ぎ方と異なり、いわゆる泡を後からのせるサーブの文化はなかった。帰国後、アレンジをしつつ改良を重ねた。その味わいにいつのまにか客から“サトウ注ぎ”と呼ばれるようになったという。
「Brasserie Beer Blvd.」は、佐藤氏の10年間の集大成である。この10年の中で、佐藤氏はアサヒビールを究極に味わってもらうための「注ぎ方」に、すべての情熱を注いできた。しかし、それと同時に世界中のビールを研究した。ビールは国境を超える、ということも感覚的に学んだ。大手のラガーも、昨今注目されているクラフトビールも、大きな意味で言うと、ビールに違いない。大事なのは、おいしいか、そうでないかだけ。各国を飲み歩き、さまざまなビール文化に触れてきた。同店では大手のビールもクラフトビールもわけへだてなく、ひとつのビールとして扱っている。さまざまなニーズに対応しつつ、それぞれの味の魅力を知らない人にはその魅力を伝えたいという思いからだ。
ドラフトビールは13種。レギュラー9種、ゲストが4種だ。レギュラーの「アサヒスーパードライ」(390ml 650円)は、3種の注ぎ方をする。ポイントはサーブ時のビールに含まれる炭酸ガスの調整。“シャープ注ぎ”は、ガスをあまり抜かずクリーミーな泡を。きりっとした炭酸にきめ細かい泡が口あたりがよい。“サトウ注ぎ”は適度に炭酸ガスを抜き、ビールの味わいと炭酸の刺激が絶妙なマッチングを味わえる。“マツオ注ぎ”は、新橋ビアホール名店“ビアライゼ’98”松尾氏の注ぎ方をアレンジ。泡をたくさんたて、ゆっくりと待つ。炭酸をしっかり抜いて麦の味わいを強調している。同じ銘柄で全く別の味わいを醸し出す技は圧巻だ。その他、アメリカ西海岸スタイルの代表的なIPA、「グリーンフラッシュ ウエストコースト IPA」(400ml 1200円)。自家栽培の“美山錦”と“信州早生”ホップを使用した柑橘系のさわやかな「志賀高原ビールミヤマブロンド」(USP 473ml 1000円)など。ワインやウィスキー、カクテルもそろえる。今後はビアカクテルを導入したいと話す。
料理はフレンチを得意とするシェフとタッグを組んだ。こだわりの「シャルキュトリー(豚の加工品)」は、「自家製リエット」(500円)、クリーミーで濃厚な「自家製レバーパテ」(500円)。スペイン産パプリカパウダーで味付けされた「自家製ソーセージ」(880円)は旨味たっぷり。4種味わえる「シャルキュトリー盛り合せ(1180円)」などが揃う。ビアパブの定番メニュー「ポテトサラダ」(500円)は、スモークポテトを使用し、名物になりそうな逸品。魚介料理も充実。「ブイヤベース」(2人前1980円から)、トマトベースのパスタ版パエリア「魚介のフィデウア」(2人前1680円から)。軽くいっぱいのつまみから、しっかりとした食事まで対応するメニュー構成だ。
佐藤氏は、ビールの永世中立国、中立な立場で、ビールの世界を広げ・伝える伝道師だ。国内外のブルワリーを訪ね、ビール造りの思いに共感したブルワリーから直接仕入れている。「様々な銘柄が多種飲めるということはとても魅力的だが、自分が共感し、おいしいと思うビールを飲んでもらいたい」と話す。店名には、「『Boulevard(ブルヴァード) -おおきな通り-』という言葉が好きで、たくさんの人たち、そして美味しいビールが行き交うような場所になればいい」という佐藤氏の思いが込められている。
店舗データ
店名 | Brasserie Beer Blvd.(ブラッセリービアブルヴァード) |
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住所 | 東京都港区新橋5-10-8 カルチャーセンタービル 2F |
アクセス | JR新橋駅烏森出口 徒歩5分 |
電話 | 03-6435-9266 |
営業時間 | 月~金 17:00~24:00 土 16:00~23:00 |
定休日 | 日曜日・祝日 |
坪数客数 | 30坪 40席(スタンディングカウンターあり) |
客単価 | バーゾーン2500円 ダイニング席3300円 |
運営会社 | ビアブルヴァード株式会社 |
関連リンク | Brasserie Beer Blvd. |
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