地下鉄の赤坂駅を出てすぐ、Bizタワーの向かい側に、地下へ降りる青い階段が現れる。これが11月28日にオープンした「ビストロ アカサカ」への入口だ。カタカナのロゴと、ワイングラスや食材を模ったイラストが親しみやすい。店内は、シックなグレイの革張りの椅子と大きめのテーブルが落ち着いた雰囲気だ。席数は32坪で30席とゆったりしており、奥には専用のクロークやワインセラーを備えた個室も完備している。実はこの個室は、裏から出入りができるように工夫されており、VIPルームとしても使用可能だ。「お客さまにゆっくり食事を楽しんで、満足していただけるような店にしたい」というのは、支配人の福島淳氏。物腰柔らかな福島氏は、ホテルマンを経て「ジョエル・ロブション」の各店で経験を積んだ、サービスのプロである。
ソムリエでもある福島氏とタッグを組むのは、銀座のフレンチの名店「レザンジュ」「ボン・シャン」や本場フランスで修業したシェフの中込敦之氏。25年の料理人歴を持つ中込氏の料理は、クラシックで家庭的なフレンチだ。定番の「パテ・ド・カンパーニュ」や「カリフラワーのムースとウニ、生海老 コンソメがけ」、冬の時期だけ入手できる香り高い茸を活かした「フランス産茸のスープ 帆立のソテー添え」の他、メインには「和牛サーロイン肉のステーキ マデラ酒のソーストリュフ添え」など、料理5品とデザート2品のコースが8000円。いずれも複雑な手法は用いないフランスの家庭料理だが、盛り付けは繊細で彩りなどにこだわっており、とても美しい。「フレンチといっても堅苦しいものではなく、滋味を大切にして親しみやすいものを」という中込シェフ。料理3品とデザート1品で5000円というプリフィックスメニューもあり、トラディショナルな味を気軽に楽しめそうだ。
ワインはフランス産を中心に約70種類、250本を常備。グラスワインは600~1500円、ボトルは3500~13000円と手頃な価格だが、「この価格でこれが飲めるのか」というメジャーどころも用意するという。また料理はフランス料理でも「他国のワインもフランス料理に合うことを知ってほしい」と言う福島氏は、カリフォルニアやニュージーランドなどのワインも選んでおり、来店客がワインを選ぶ幅を広げられるよう配慮している。
この店のコンセプトは「ネオ・ビストロ」で、星付きレストランで修業したシェフがリーズナブルに料理を提供するというパリ発信の流れをイメージしている。赤坂、特に赤坂見附駅の周辺はこのところ、手軽な居酒屋やバルなどが急激に増えているが、この店では高級レストランのサービスや料理を親しみやすく提供し、普段使いができるようにしている。ターゲットは30代~40代のカップルや赤坂周辺に住む人たちで、気軽にワインを飲みながら食事とお喋りを楽しむような店を目指しているという。「赤坂という立地だからできる、新しいビストロの流れを作りたい」その想いが実現するのか、今後に注目したい。
店舗データ
店名 | ビストロ アカサカ |
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住所 | 東京都港区赤坂3-13-14 赤坂313 B1F |
アクセス | 東京メトロ千代田線赤坂駅 徒歩1分 |
電話 | 03-6441-3690 |
営業時間 | 16:00~00:00(L.O.23:00) |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 32坪 30席 |
客単価 | 8000円 |