新橋駅から徒歩5分。赤レンガ通りの一角に、モノトーンでモダンな波型カウンターの店が現れる。10月9日にグランドオープンした「TOKYO串BAR(トーキョー クシ バール)」は、立ち飲み串揚げの店というより、まさにスタンディング串バールである。目を引くその外観は、コンセプトの「わざわざそこへ行く価値のある店」を形にしたもので、店内を照らすのは上からの照明ではなく、カウンターを支える柱のようなものが光っている。「これは人工大理石で、上と下からLEDで照らしています」と説明してくれたのは、後藤洋マネージャー。この店を運営しているコムデス(東京都港区)は、リフォームや店舗開発を手がけるデザイン会社で、飲食業界には初出店となる。この店の串揚げは、創作串料理という新しいものだ。メニューは、イタリアン出身のスタッフと和食出身の安田大吉リーダーが開発し、フレンチのシェフが監修している。「串揚げは和食なんですが、この店では和食に登場しない食材も使います。僕が和食とフレンチの通訳をしている感じですね」。様々なジャンルの食のいいとこ取りをしてできたこの店の串揚げは、「和牛のさらっと揚げ」(300円)、「サーモンのタルタルいくら」(250円)、「フォアグラ・フィレ肉のはさみ揚げ」(350円)など、どれもこの店のオリジナル。串揚げというと、皿の上にどんと乗っているイメージがあるが、この店では盛りつけも和食とフレンチの融合で、見た目も美しい。メニューは週替わり、手書きや口頭で勧めるメニューもあり、客とコミュニケーションを取りやすくしているそうだ。おススメは「立ち寄りセット」(500円)で、ビールかハイボール1杯と5種類の串揚げの中から1本を選べる。何時に来ても頼めるセットなので、初めて来る人にもリピーターにも好評だ。ドリンクは、生ビール(350円)、グラスワイン(300円)、ボトルワイン(1500円~)他、バーテンダーもいるので好みのカクテルも出してくれる。新橋は、ビールやハイボールのイメージが強いが、意外にもワインが人気だそうだ。「揚げ物だからビールというだけではなく、好きなものを好きなように飲んでもらいたい」と後藤氏は語る。オープンから間もないが、リピーター率はすでに高く、週に2~3回来る客もいる。来店客の半分くらいが常連という日も珍しくないという。さらにこの店の串揚げは、たくさん食べても胃もたれしないというのが特徴。「油っこいのは苦手だけど、ここの揚げ物なら美味しく食べられる」という客が多いそうだ。その秘密は「ウォーターフライヤー」というフライヤーにある。揚げ物の油が劣化する原因は、不要な揚げカスが長時間、油の中に留まってしまうから。ウォーターフライヤーは、驚くことに油の下に水が入っている。不要な揚げカスは油の下の水に落ちて、自然にろ過される仕組み。だから油を新鮮な状態に保つことができ、美味しい揚げ物ができるのだそうだ。この店は、スタンディング串バールの他に、もうひとつの顔を持つ。このウォーターフライヤーのデモンストレーションをする店だ。コムデスは、このフライヤーの販売代理店でもある。アイドルタイムには、飲食店関係者など購入を検討している人たちが、実際にウォーターフライヤーを使ったり、メンテナンス方法などを見に来ることができる。「このフライヤーを広めることも僕たちの仕事です。営業時間中には、業界関係者がフライヤーの前を陣取ることもありますよ」後藤氏は「TOKYO串BAR」のマネージャーでもあり、コムデスのマネージャーでもあるのだ。串揚げは、寿司や天ぷらに比べれば知名度は低いが、立派な日本料理。それを世界に発信していきたいというのが今後のコムデスの狙いだ。目標は2~3年で直営店を5店舗、銀座など舌の肥えた客がいる場所への出店を目指している。さらに、この店をフランチャイズ展開したいという構想もあり、「TOKYO串BAR」は東京だけでなく、全国へ、そして世界へ広がろうとしている。
店舗データ
店名 | TOKYO 串 BAR |
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住所 | 東京都港区新橋5-5-5 新橋ビル1F |
アクセス | JR新橋駅 烏森口より徒歩5分 地下鉄御成門駅 A4番出口より徒歩4分 |
電話 | 03-5777-2858 |
営業時間 | ランチ 月~金 11:30~14:00 (14:00~17:00は唐揚げテイクアウトのみ) ディナー 月~土 17:00~22:30 |
定休日 | 日・祝 |
坪数客数 | 15席/5坪 |
客単価 | 1600円 |
運営会社 | 株式会社コムデス |
関連リンク | TOKYO串BAR |