ガッツリ系肉食ブームのなかで、牛、豚、鶏といったポピュラーな肉はもとより、鹿や馬肉といった今まであまりクローズアップされなかった肉の人気がじわじわと広がっている。なかでも馬肉は旨味が深いのみならず、栄養価も高いながらカロリーが低いということで、注目されている食材だ。しかも、生食が可能で、刺身肉として今最も人気が高い。そんな馬肉の特性に惹かれ、さらにはこれからの業態の可能性として注目したのが、飲食ビジネスを手がける赤尾幸亮氏(タケル)。 1983年創業のタケルは先代から主に焼き肉と居酒屋業態のFC店舗フランチャイザーとして飲食ビジネスを展開してきた。そんなタケルを引き継いだ代表の赤尾氏は、今後の展望を踏まえ、自社開発のオリジナルブランド業態で、新たな飲食ビジネスの方向へと動きだしている。「馬肉酒場 跳ね馬」は、タケルが展開する3つ目の自社ブランドで、新業態となる。 田町駅西口に広がる飲食エリア、通称、三田エリアは、学生やサラリーマンが多く、彼らをターゲットに、低価格業態やそれに類似したFC業態が数多くあるが、街のパワーは下降気味でもある。そんな三田の将来をも考え、赤尾氏は「馬肉酒場 跳ね馬」の前身のFC店舗の円満契約終了を待って、インパクトある店として、馬肉専門業態を立ち上げたのだ。タケルでは焼き肉業態を運営するなか、やはり、肉の生食文化を伝えて行きたいとの思いからも、馬肉の魅力に惹かれたという。そのクオリティの良さとリーズナブルな価格から、馬肉はカナダ産で日本向けに育てている上質なものを使用。馬肉は一部の内臓を除けば、牛や豚などと同様に夫々に特徴を持ち、色々な部位の正肉が楽しめるため、料理の幅も広がるのだ。 メニューの最初にくる馬刺は、コラーゲンたっぷりのタテガミから、希少部位のハラミ、上質な赤身のヒレ、サーロインなど7種類(480円~880円)。極上の豪華5点盛り(1580円)は特に人気が高いメニュー。おすすめは、馬肉本来の旨味を味わって欲しいというオーナーの考えから、味噌を使わない桜鍋(1380円/1人前)を提供。柔らかでジューシーな極みのハラミの炙り焼き(880円)、Sirの称号を持つ極上サーロイン(1080円)。珍しいところでは、馬肉のウィンナー(480円)。タテガミ部分をわさびで和えた馬わさ(480円)など、料理方法も多彩で、馬肉の魅力を堪能出来るのが嬉しい。 ドリンクは、地焼酎の人気銘柄がいろいろ取り揃えられている。八幡、佐藤黒、中々、鳥飼などの銘柄で芋、麦、米、黒糖、泡盛までが揃い、焼酎ファンには応えられない。価格は480円~680円。ループ利用の多いサラリーマンに向けた焼酎はボトルもあり、価格は2980円均一だ。ほかに、人気のワイン(グラス480円、ボトル2980円均一)に、日本酒(680円~)、サワー類(480円)、ハイーボル類(480円)など、サラリーマンをターゲットにした多様な構成となっている。 馬肉酒場という新しいポジションの業態に三田マーケットで挑戦した赤尾氏。古典的な馬肉料理に留まらず、人気のバル風な料理の開発や、ワインを意識した料理の提案を行ないながら、今までにない新しい馬肉専門店作りを目指している。今までFC業態で飲食ビジネスのノウハウを蓄積してきたタケル。今後は、その経験と実力を自社ブランドとなるオリジナル業態の開発や、新しいスタイル作りへ積極的にチャレンジしていくという。すでに幾つかのプランを引き出しに持つという赤尾氏の、飲食ビジネスへ向かう気持ちは真剣で熱い。
店舗データ
店名 | 馬肉酒場 跳ね馬 |
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住所 | 東京都港区芝5-22-5 |
アクセス | JR田町駅、都営三田線三田駅から徒歩3~4分 |
電話 | 03-5444-2755 |
営業時間 | 月~金11:30~14:00、17:00~24:00 ※土日祝は16:00~23:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 48坪・72席 |
客単価 | 3600円 |
運営会社 | 株式会社タケル |
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