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ワイン1000種を取り揃える「遠藤利三郎商店」の立ち飲みバー「角打ワイン 利三郎」が押上に4月23日、オープン!

カウンターにはクッションカバーがあり、カウンターにもたれても、柔らかく、長時間いて疲れない配慮が施されている
落ち着いた色調の赤で統一された店内
とりあえずの「オリーブ トマトソースで」(500円)とボリュームたっぷりの「豚ロースのカツレツ チーズとトマトソース」(500円)
店の立ち上げは、すぐ近くにある1号店「遠藤利三郎商店」の店長と料理長に任された。左:店長斉藤亮一氏、右:シェフ久下博之氏

(取材=若山 弥生)


スカイツリーの開業が近く、今年注目のエリアの1つである「押上」。押上通り商店街を抜け、街中にひっそりと佇むワインバーがオープンして4年目を迎えてもなお、予約の取り難い店として、ワイン愛好家の中では、有名なここ「遠藤利三郎商店」、そのすぐ近くに「角打ワイン 利三郎」(遠藤商店 代表:遠藤誠氏)が4月23日、オープンした。オーナーは「日本輸入ワイン協会」や「日本ワインを愛する会」の事務局長を務め、ワインスクール「アカデミー・デュ・ヴァン」の人気講師でもある。ここ押上は遠藤氏の地元で、家業は味噌問屋であった。そのため、醤油の勉強をしようと思い、キッコーマンへ入社。ところが配属先は大阪の酒類販売課で、輸入ワインやマンズワインなどを扱う部署となり、運命が変わった。そして、会社を退職し、実家に戻った時に、酒屋を任されたが、80年代当時、普通の酒屋の経営では無理と感じ、アルコール類を片っ端から勉強したそうだ。その後、1990年にソムリエ協会のワインアドバイザーを取得しワインに特化した酒屋を経営した。4年前にオープンした1店舗目のコンセプトは「自分が通いたくなるような店。自分のわがままを詰め込んだら、こうなってしまった。」とオーナーは言う。当時押上エリアには、グラスでシャンパーニュを飲める店は1軒もなかったそうだ。まだワインの定着していない街だからこそ、自分が通いたくなるような店を作った。グラスワインも数種類では面白くないからと、種類も豊かに18種揃える。ワインリストのワインも並べられるだけ並べたという。現在のワインのストックは1000種を超えると言うから驚きだ。そして、当時はワインバーで料理にまでこだわった店はあまりなく、あったとしても、美味しいと量が少ししかない、もしくは金額が高かった。だから、料理は「うまくてしっかり食えるもの」を原価が高くてもいいから提供したいという理由から、料理も一番高くて2000円を超えるものは置かない。サービスも然り、いくら安くても、コップに入れたらワインが生きてこない。提供温度、グラスも適したものをチョイスし、提供する。また、店の規模に対してホールのソムリエスタッフの人数が多いのも特徴の1つ。このようにして、連日満席で、予約の取り難い店として有名になった。そして、同店は、昨年4月にオープンした「向島葡萄亭」に続き3店舗目となる。今回の「角打ワイン 利三郎」は、自分が通うために作った店が満席で自分がふらっと立ち寄ることができなくなったこと、近くにちょうどいい物件が見つかったことがきっかけとなり、オープンすることとなった。基本のコンセプトは1店舗目と同じ。「角打ち」とは、諸説あるが、酒屋で升酒を立ち飲みさせるところから始まったと言われ、現在この言葉はあまり使われないが、「より気軽に使ってもらいたい」との想いから、今回はあえて名付けた。予約は受け付けず、すべて立ち飲みスペースとして、帰りがけにふらっと立ち寄り、軽くひっかけて帰るのにちょうどいい店。「お客様次第でウェイティングバーとしても、気軽な一杯でも使い勝手のいい店として、地元の人から親しまれる店にしたい」と店長の斉藤亮一氏は言う。内装は1店舗目と同様にペニンシュラホテルも手掛ける橋本夕起夫氏のデザインで、落ち着いた赤の色調の中に、温かみのある木目のカウンターと木樽を取り入れた、心地よい雰囲気が演出される。店長がリクエストした、カウンターの壁面のクッションは、長時間寄りかかっても身体が痛くないような配慮がされている。料理は全て500円で提供。飾らず純粋にワインに合うつまみとして「遠藤利三郎商店」の料理長でもある、久下博之氏によってメニューは作られている。どの料理も価格以上の満足を得られるようにとのコンセプトである。かなり大きめなサイズの「豚ロースのカツレツ チーズとトマトソース」には「2008 BARONE CORNACCHIA MONTEPLUCIANO D’ABRUZZO(バローネコルナッキア モンテプルチアーノ ダブルッツォ)」という、アブルッツォ州のモンテプルチアーノを主体としたぶどう品種のワインが良く合う。墨田区のブランド認証を受けている人気メニューの「田中肉屋さんのお肉のパテ」も、今回の店のメニューに並ぶ。ワインは全て500円のグラスワインのみで、スパークリング1種、白ワイン5種、赤ワイン5種が、シニアソムリエ、斉藤さんのセレクトで楽しめる。その日に飲めるワインは、壁にある黒板のメニューにタイプ別に書かれ、選びやすくなっている。また、ワインだけでなく、ビール、シェリー、自家製のグレープフルーツとオレンジで漬け込んだ「ブランデースプリッツァー」なども取り揃えられている。「ワインに振り回されるな、ワインを楽しめ」。何が何でもワインではなく、その場のシチュエーションや、料理に合わせ、日本酒やビール、焼酎など、たくさんの選択肢の中で、ワインがあれば、人生の中の楽しみの幅が広がる。レストランへ行って、ワインの事しか話さない人が時々いるが、そうではなく、食事や会話を楽しむ中の1つとして、ワインがあり、人生を楽しむための色々なアイテムの1つとして、多くの人に広まってもらいたい。そんな想いを持ったオーナーの押上エリアでの展開に注目したい。

店舗データ

店名 角打ワイン 利三郎
住所 東京都墨田区押上1-31-6 スプリングハウスⅡ 1階

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アクセス 都営浅草線、東京メトロ押上駅より徒歩6分
電話 03-3611-8634
営業時間 17:00~24:00
定休日 日曜日
坪数客数 8坪
運営会社 株式会社遠藤商店
関連リンク WINE 遠藤利三郎商店
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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