飲食店競合立地である恵比寿の裏路地に、昨年9月6日「OSTERIA BAR Via PocaPoca(オステリアバール ヴィア ポカポカ)」(経営:ソルジェンテ)がオープン。共にバール・デルソーレ出身の、大上雅久氏と若生直氏が立ち上げたオステリアバールだ。同店はイタリアの中でも、北にあるエミリアロマーニャ州とフリウリヴェネツィアジューリア州の郷土料理に特化したコンセプトで、同業態が多い立地で差別化を図っている。「こういうイタリア料理もあるんだ、という驚きや楽しさを提案していきたい」と大上氏は話す。
業態は「気軽に食事を楽しんでもらいたい」(若生氏)と、居酒屋や小料理屋を意味する“オステリアバール”に。4坪ほどの店頭にはテラス席を用意し、店内はベンチシートのテーブル席と、バール・デルソーレの流れを汲むバンコ(立ち飲みコーナー)を用意。自分たちで手塗りしたという暖色の壁からは、手作り感のある温かみと落ち着いた雰囲気が漂う。バンコでは、バリスタの若生氏がいれる「エスプレッソ」(200円)や「カプチーノ」(400円)1杯からの利用も可能にし、来店動機の幅を広げている。
元はヤクルトの集配所であったというスケルトン物件。場所は、恵比寿駅東口の五叉路からまっすぐと、奥まっている場所であるにも関わらず、分かりやすかったことから取得を決意。周辺には有名店や繁盛店も多いことから、集客力の高い場所であると踏んで出店した。
エミリアロマーニャ州は、大上氏が開業前に一時期住んでいたことがあり、フリウリヴェネツィアジューリア州は、シェフが修行をしていた場所。アンティパスト(前菜)はパルマから仕入れる「パルマ産生ハムスライス」(680円)、「熱々ニョッコフリット生ハムのせ」(980円)、「トーチンブライト」(880円)など。セコンドピアット(メイン)は「国産豚肉の様々な部位をじっくり煮込んだボリートミスト」、「グーラッシュ(牛肩ロースの赤ワイントマトソース煮込み)パプリカ風味」(各1580円)など。また、150円で提供するピッコロドルチェ(お菓子セット)には「カントゥッチ」、「ブルティマボーン」など、カプチーノやデザートワインと合わせて楽しみたいイタリアのお菓子もそろえる。グランドメニューの他に日替わりで黒板メニューも用意し、単品300円~と客目線で考えた価格設定をした。
ドリンクは、モデナで有名な赤の微発泡ワイン「ランブルスコ」をはじめとする両州のワインを、グラス600円~、ボトル3000円~提供する。エミリアロマーニャ州のワインは「カステッリ デル ドゥーカ ビアンコ オルトゥルゴ・ソーヴィニヨンブラン」、「ドレイドナ ノットルノ サンジョヴェーゼ ロマーニャ」、白ワインが有名なフリウリヴェネツィアジューリア州のものは「コンティ フォルメンティーニ」「ザモ ビアンコ」などを取り揃える。「ラインナップは、その州にしかないワインをはじめ、自分が飲んでみて面白い、変わっているなという種類をそろえています」と若生氏。グラスワインは15種類。単品メニュー同様、1杯の価格を抑えることで、一人客のサク飲みスタイルも提案する。
「イタリアンは既に飽和状態なので、何かに特化した方が強みを出せると思うんです」と大上氏は言う。2つの州の郷土料理に限定することで、“他店とは違った店”として選んでもらえる強みを打ち出した同店。感度の高い客が集まる恵比寿での今後に期待が高まる。
店舗データ
店名 | OSTERIA BAR Via PocaPoca(オステリアバール ヴィア ポカポカ) |
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住所 | 東京都渋谷区恵比寿1-24-12 戸塚ビル102 |
アクセス | JR・地下鉄恵比寿駅東口より徒歩5分 |
電話 | 03-5422-6362 |
営業時間 | 11:45〜14:30(L.O.14:00) 18:00〜24:00(フードL.O.23:00、ドリンクL.O.23:30) |
定休日 | 月曜日 |
坪数客数 | 14坪(テラス含む)・18席+立ち飲み5〜6人+テラス6席 |
客単価 | ランチ950円、ディナー4500〜5000円 |
運営会社 | 株式会社ソルジェンテ |